【秋山 謙一郎】「彼氏ならこれくらいして当然」と語る42歳ASD女性が、彼氏からフラれるときに「必ず言われる言葉」

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「子どもの頃から今に至るまで、ずっと浮いていましたね。どうにも人や社会と折り合えない。それっていけないことなのですか?」――。
最近、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けたユミコさん(42)は、みずからのこれまで人生をこう振り返る。モデル体型の細身で長身、和風美人で笑みを絶やさないユミコさんだが、その心の内は本人曰く、「いつも真っ暗」だそう。
今でこそ社会の発達障害への理解が年を追うごとに深まりつつある。だが、この発達障害とは、まだまだ多くの人にとっては、「わかっているようで何もわかっていない社会問題」というのが実情だ。
PHOTO by iStock
そんな発達障害ゆえの特性に苦しんできたユミコさんの話を聞けば聞くほど、この手の問題に無関係と思い日々を過ごしている市井の人たちにとって、実は身近な話であり、これから考えていくべき問題といえよう。未だ知られざる発達障害、その当事者の胸の内をこれから掘り下げていく。そもそもユミコさんが発達障害という言葉を意識したのは今から2年ほど前のことだという。前の結婚に破綻して以来、何人か言い寄る男性もいた。だが交際に至ってから、別離に至るまで長いか短いかの違いはあれど、いつも男性からは同じ言葉で別れを告げれた。「俺を何だと思ってるんだ――」歴代の彼氏たちが発するこの言葉の意味、これがユミコさんにはよくわからなかったと話す。「なぜ、そんなことを言われなければならないの?」(ユミコさん)という感じだ。「俺を何だと思ってるんだ」の言葉の意味だが3年ほど前から交際している現在の彼氏によって、その意味するところを知ることになる。「要はわたしが相手(彼氏)を含めて、あらゆる他人の気持ちなり行動なりをまったく考えていないということだったんです」こう語るユミコさんだが、その表情はどこか「他人事」といった感じがしなくもない。むしろ「なぜ、わたしが責められるわけ?」といった感じである。今の彼氏にどういった行動を指摘されたのか。具体的に何を指すのか。「彼が言うには『(勤務先から家まで車での)送迎を求める』『食器を洗わせる』『ゴミの分別とゴミ捨て』なんです」すこし怒気を含んだ表情で話すユミコさんに、ふとこれまでの発達障害を持つ人への取材経験から思うところがあったので、記者はこうユミコさんに問うてみた。「もしかしてそれは毎日というか、彼がどんな状況でも絶対にやらせているというか……。彼が仕事で忙しい、もしくは体調不良とか、そういう彼の状況は考慮されていない?」この記者の問いにユミコさんは「わが意を得たり」とばかりに、それまでの厳しい表情とはうって変わって優しい笑顔ながら強い口調で次の言葉を重ねてきた。「そうなんです! 生意気ですよね! 彼氏ならそれくらいしてもいいですよね!!」あくまでもユミコさんの話を聞く限りだが、ユミコさんは今の彼氏に求めているのは毎日勤務先から自宅までの送迎、毎食後かならず食器を洗うこと、ゴミの分別とゴミ捨てだ。<【後編】今の彼がいなければ、たぶんいじめっ子を殺していた…42歳ASD女性が明かす「真っ暗」な心の内>では、引き続きユミコさんの抱える苦悩と過去について語ります。(カタカナ名は仮名です)
そんな発達障害ゆえの特性に苦しんできたユミコさんの話を聞けば聞くほど、この手の問題に無関係と思い日々を過ごしている市井の人たちにとって、実は身近な話であり、これから考えていくべき問題といえよう。未だ知られざる発達障害、その当事者の胸の内をこれから掘り下げていく。
そもそもユミコさんが発達障害という言葉を意識したのは今から2年ほど前のことだという。前の結婚に破綻して以来、何人か言い寄る男性もいた。だが交際に至ってから、別離に至るまで長いか短いかの違いはあれど、いつも男性からは同じ言葉で別れを告げれた。
「俺を何だと思ってるんだ――」
歴代の彼氏たちが発するこの言葉の意味、これがユミコさんにはよくわからなかったと話す。「なぜ、そんなことを言われなければならないの?」(ユミコさん)という感じだ。
だが3年ほど前から交際している現在の彼氏によって、その意味するところを知ることになる。
「要はわたしが相手(彼氏)を含めて、あらゆる他人の気持ちなり行動なりをまったく考えていないということだったんです」
こう語るユミコさんだが、その表情はどこか「他人事」といった感じがしなくもない。むしろ「なぜ、わたしが責められるわけ?」といった感じである。今の彼氏にどういった行動を指摘されたのか。具体的に何を指すのか。
「彼が言うには『(勤務先から家まで車での)送迎を求める』『食器を洗わせる』『ゴミの分別とゴミ捨て』なんです」
すこし怒気を含んだ表情で話すユミコさんに、ふとこれまでの発達障害を持つ人への取材経験から思うところがあったので、記者はこうユミコさんに問うてみた。
「もしかしてそれは毎日というか、彼がどんな状況でも絶対にやらせているというか……。彼が仕事で忙しい、もしくは体調不良とか、そういう彼の状況は考慮されていない?」
この記者の問いにユミコさんは「わが意を得たり」とばかりに、それまでの厳しい表情とはうって変わって優しい笑顔ながら強い口調で次の言葉を重ねてきた。
「そうなんです! 生意気ですよね! 彼氏ならそれくらいしてもいいですよね!!」
あくまでもユミコさんの話を聞く限りだが、ユミコさんは今の彼氏に求めているのは毎日勤務先から自宅までの送迎、毎食後かならず食器を洗うこと、ゴミの分別とゴミ捨てだ。
<【後編】今の彼がいなければ、たぶんいじめっ子を殺していた…42歳ASD女性が明かす「真っ暗」な心の内>では、引き続きユミコさんの抱える苦悩と過去について語ります。
(カタカナ名は仮名です)

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