《GW万博体験記》「情報弱者では万博は楽しめない」…関西在住の「通期パス」購入者が明かす、万博ガチ勢の「驚くべき行動」

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人気パビリオンには長蛇の列ができ、コンビニやグッズショップにも入場規制が敷かれているーー。これはゴールデンウィーク真っ只中に、弾丸参戦した本誌記者が目撃した、大阪万博の光景である。いったいどうすれば、賢くパビリオンを回れるのか。その攻略法を、万博ガチ勢の男性に聞いた。
前編記事『【大阪万博・GW体験記】「コンビニに入場規制」「肩に傘が当たったとトラブルに」…弾丸参戦した記者を待ち構えていた「万博のリアル」』より続く。
紆余曲折を経て、4月13日に幕を開けた大阪・関西万博。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに184日間、人工島の夢洲を舞台に開催される予定で、過去最多となる158の国と地域がパビリオンを出展している。
そんな夢の祭典に、記者は大阪旅行のついでに軽い気持ちで参加。パビリオンの事前予約も取らず、当日予約の方法さえもよく分からぬまま夢洲に降り立つと、厳しい現実が襲いかかった。
事実、この日はゴールデンウィーク真っ只中ということもあり、人気パビリオンには長蛇の列ができており、コンビニやグッズショップにも入場規制が敷かれている始末。正午すぎに入場したころにはすでに当日予約も埋まっている状況で、滞在わずか4時間ながらも気力を失い、万博を後にした。
定価3万円の「通期パス」を購入したと語る、万博ガチ勢の男性に、当日の記者の動きを話したところ「それは舐めすぎですよ」と鼻で笑われた。
「まず入場するのが正午って時点で遅すぎます。例えば、ディズニーランドに行くときも多くのアトラクションに乗るために、ファストパス狙いで早めに入場するじゃないですか?
万博もそれと同じで、土日や祝日に人気のパビリオンを回りたいのであれば、当日予約は欠かせません。そのためには、入場ゲートの待ち時間も含めると、開場時間の30分前には夢洲に着いておく必要があります」
大阪万博に出展しているパビリオンの中には、「事前予約」を導入している国も多い。その場合、参加者は当日までに3度にわたってパビリオンの予約に申し込むことができる。
その一方で、「当日予約」は入場当日に行きたいパビリオンを一つだけ選んで予約できるシステムのことだ。この男性は、事前予約よりも当日予約こそが重要だと語るが、その理由はなんなのか。
「事前予約では、万博当日の2カ月前と1週間前に抽選予約に申し込むことができますが、これがまあ当たらない。例えば『ヘルスケアパビリオン』の場合は規模がデカいから抽選枠も多いんですけど、海外パビリオンの中には、抽選枠が1000人未満の国もザラにあるので、それに何万人も応募するとなると、当選確率もかなり低くなる。
また3日前にも事前予約に申し込むことができますが、これは先着予約制のため、日付が変わった瞬間にとんでもない人数がサイトにアクセスすることになります。サーバーエラーにならないようにアクセスできる人数も決まっているので、その中で予約を勝ち取るのは至難の業でしょう」
実際に、この男性も過去に複数回、抽選予約に申し込んだが落選。さらに先着予約に関しても、全国の猛者たちには太刀打ちできなかったという。
「そこで重要になるのが『当日予約』です。万博に入場してから10分も経たないうちに当日予約は可能になりますが、事前予約よりも『先着枠』が多く設定されているため、圧倒的に予約が取りやすい。ただし、この当日予約でも人気のパビリオンは、午前中ですべての予約枠が埋まってしまいます。
だから当日は、なるべく早く入場を済ませましょう。また一度予約したパビリオンに行くと、ふたたび当日予約できるようになるので、これを活用すればスムーズに会場を回ることができます」
今回の大阪万博の目玉と言われているのが、古代ローマ時代の彫刻「ファルネーゼのアトラス」や、カラヴァッジョの「キリストの埋葬」などを展示しているイタリアパビリオンだ。記者が訪れた際には、なんと300人以上の行列ができており、予約なしだと3時間待ちだった。これに関しても「裏技がある」と男性は語る。
「パビリオンの予約は、万博公式サイトからしか受け付けていないと思われがちですが、イタリアパビリオンに関しては、『Italy Expo 2025』という国独自のアプリからも予約できます。
これは先着予約なので、あらかじめ万博に参加する日が決まっていれば、公式サイトの事前予約と違って落選する心配もありません。逆に公式サイトから予約を取るのは至難の業なので、もし予約を取りたいのであれば、この方法しかないと思います」
そんな万博ガチ勢の男性が情報を入手する先は、もっぱらX(旧ツイッター)。最近ではユーザー同士で「万博攻略」と称して、万博をより快適に楽しむための情報交換が盛り上がっており、そこで知った方法を会場で試しているという。
「例えば、マップ一つにしても万博公式アプリじゃなくて、NTTが出している『EXPO2025パーソナルエージェント』っていうアプリの方が格段に見やすいんです。それと最近では、会場内に置かれている端末機から当日予約をした後に、スマホでも当日予約をすれば、同時に2つのパビリオンを予約できるという真偽不明の裏技も出回っています。
もはや出し抜き合戦みたいなノリになっているので、自分から情報を集める人だけが楽しめて、いわゆる情報弱者の人には楽しみづらい状況になりつつありますね」
10月13日まで開催される大阪万博。特定の人だけではなく、老若男女が楽しめるイベントであってほしいものだ。
《大阪万博・GWルポ》「コンビニに入場規制」「肩に傘が当たったとトラブルに」…弾丸参戦した記者を待ち構えていた「万博のリアル」

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