むくみが治らないときは要注意? 医師が教える受診の目安と検査内容とは

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「むくみ」は医療用語で「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれ、何かの病気の症状であるケースもあるのだそうです。むくみの原因は塩分の摂りすぎなどとも聞くことがあります。しかし、減塩してもむくみが解消しない場合もあるそうです。そこですみれが丘そよかぜクリニックの安達晴己先生に、むくみが解消しない場合は病院で診てもらえるのかについて話を聞きました。

監修医師:安達 晴己(すみれが丘そよかぜクリニック)
佐賀医科大学(現・佐賀大学医学部)卒業後、佐賀医科大学総合診療部(現・佐賀大学医学部附属病院総合診療部)総合診療部や流山中央病院内科、千鳥橋病院附属城浜診療所内科、在宅科などで、内科を中心にプライマリ・ケア、いわゆるかかりつけ医として診療所の外来や訪問診療で経験を積み、2022年11月から現職。日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医。
編集部
減塩や運動不足などを解消しても、むくみが変わらない場合はどうしたら良いですか?
安達先生
何かの病気が隠れている可能性がありますので、病院で検査してもらうことをお勧めします。放っておくと、病気の発見や治療が遅れてしまうリスクがありますし、むくみの強い皮膚は、血流が悪くなるためうっ滞性皮膚炎を起こしたり、小さなケガが治りにくくなるため、大きなトラブルになったりすることもあります。
編集部
どのようなむくみだと、早めの受診をした方が良いですか?
安達先生
夕方だけ足だけむくむ、塩辛い食事や飲酒が多かった翌日にのみむくむなどの場合、病気ではない可能性が高いですね。朝から浮腫があり、一日中続いている場合や片足だけの浮腫が続く場合などは早めの受診をお勧めします。また、高齢の方で、息苦しさやだるさ、食欲低下なども一緒にある場合は早めに受診してください。
編集部
むくみで受診した場合、どのような検査をするのですか?
安達先生
若い方であれば、甲状腺機能を見るための血液検査、また腎臓の機能を見るための尿検査、血液検査、肝臓の機能を見るための血液検査などがあります。また心臓からの浮腫を疑う場合は、胸部レントゲン、血液検査なども行います。
編集部
病気からのむくみだった場合、どのような治療をするのですか?
安達先生
原因となっている病気の治療が優先されます。例えば甲状腺機能低下症があれば、さらに原因を特定するための血液検査や甲状腺エコーなどを行い、甲状腺ホルモンの内服という治療をすることが多いです。腎臓や肝臓からの浮腫の場合は、ほかの検査などから確定診断を行い、それに合わせて治療が選択されます。心不全の場合も、心エコーなどで心臓の評価をし、結果にあった治療をします。浮腫そのものは、利尿剤を使って、尿量を増やせば確実に減りますが、その治療が必要な場合と、むしろ脱水を起こすような危険性がある場合もあり、単純に利尿剤だけを使うということはあまりありません。
編集部
最後に、読者へのメッセージがあればお願いします。
安達先生
むくみは目に見える症状であり、不快なことでもあるので、心配される人も多いと思います。軽いむくみや夕方だけ足がむくむというような浮腫は、塩分の摂りすぎを見直したり運動することで改善することも多いですが、どちらにしても一度病院を受診して相談しても良いと思います。心配しながら生活するより、きちんと受診して評価してもらい、心配な病気がないことを確認し、安心した上で生活習慣の見直しをしていけたらいいですね。
※この記事はメディカルドックにて<「むくみ」の原因は“塩分摂りすぎ?” 医師が教える浮腫解消法やおすすめ食生活>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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