京都市の五条通(国道1号)の高倉交差点(下京区)で30日未明に発生した冠水は、老朽化した水道管からの漏水が原因とされ、現場では京都市上下水道局などによる復旧作業が続いた。
付近の住宅では浸水被害も確認され、市内有数の幹線道路周辺は一時、騒然となった。
「川が流れるような音がし、車のエンジンルームが水につかった」
近くに住む50歳代の会社員男性は、住宅の半地下の駐車場内に水が入ってきた状況をそう振り返った。昼頃には水が引いたが、車庫内の溝などに入った泥を取り除く作業に追われ、「こんなことになるなんて……」と肩を落としていた。
市上下水道局によると、漏水した水道管(直径30センチ)は1959年に敷設され、新しい管に更新するため11月までに撤去する予定だった。同局が冠水後に調べたところ、約30センチ四方の穴が開いており、腐食した管が水圧に耐えられなかった可能性があるという。
断水はなかったが、五条通は西向き車線が通行規制され、一時渋滞が発生。周辺では冠水した路面を掃除したり、浸水した住宅から泥をかき出したりする住民の姿がみられた。
今年1月には埼玉県で下水道管の破損が原因とみられる陥没事故が起きており、近くの男性(73)は「埼玉のように大事にならないことを祈りたい」と話していた。