《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」

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いま、日本で撮影されたあるショート動画が物議を醸している。とあるTikTokアカウントが投稿したその動画は、奈良県・奈良公園の天然記念物「奈良のシカ」と観光客が戯れる様子を撮影したもの。奈良公園を優雅に歩く野生の鹿に癒される系の動画と思いきや、多くの視聴者は鹿を話題に上げておらず、コメント欄には次のような文言まで並んでいる──〈シカに目がいかないよ!〉。【前後編の前編】
【写真】物議を醸した鹿と戯れる女性を盗撮した動画。“無防備な服装”をの人を選び、盗撮しているようだ
同アカウントが投稿している動画を見ると、その多くが鹿と“女性”の観光客を撮影したもの。くわえて、被写体の女性は動画ごとに異なる人物であり、胸元が大きく開けていたり、丈の短いスカートを着用していたりと“無防備”な服装をしているものばかりだ。
この動画に対するネットユーザーの反応は台湾メディア『東森新聞』でも報道され、ネット上で議論を呼んでいる。SNSに詳しいライターが解説する。
「この動画が投稿されたTikTokアカウントでは、主に“奈良公園の鹿”と“女性観光客”が戯れる動画を発信しています。再生数を稼いでいるものの多くは、被写体女性の胸や脚などの部位が強調されている動画であり、なかにはしゃがみこむ女性の下着が映り込んでいるものまであります」(SNSに詳しいライター)
昨今、SNS上で問題視されているものの一つとして、“露出系女性インフルエンサー”の存在がある。電車や公園など、公共の場であられもない姿を晒して表示回数を稼ぎ、自身をモデルとしたより過激なコンテンツを有料会員サイトで販売することを目的としている。しかし、今回の動画やアカウントは、“露出系”とは異なる問題を孕んでいるという。
「被写体となっている女性が動画ごとに異なる人物である点から、これらの動画は盗撮されたものや、本人の許可を得ずにアップロードされたものである可能性が高いです」(同前)
こうしたアカウントを運営している目的はいったい何か。ITジャーナリストの三上洋氏が解説する。
「TikTok上で同様の動画をまとめたアカウントが多数確認できることから、世界的に有名な“奈良の鹿”と、それと戯れる“女性観光客”の組み合わせが、ひとつの“流行り”として成立しているのでしょう。
その流行りを活かして、月額料金のサブスクサービスで稼いだり、あるいはフォロワー数を増やすことで、アカウント売買や広告ビジネス、詐欺に利用するなど何らかのビジネスに繋げる、というのが運営者の目的と考えられます」(三上氏)
また、観光客を無断で撮影・投稿している可能性について、三上氏は「投稿者が、実際に奈良公園を訪れている可能性は低いと思います」という。
「奈良公園は海外観光客にも人気の観光地であり、多くの人が純粋に観光を楽しんでいて、盗撮されるとは思っていません。そうしたなか、“無防備”になっている女性を盗撮することは難しくなく、それらが本人の知らないところでインターネット上にアップロードされることもあるでしょう。そうした豊富な動画素材をダウンロードで集め、伸びるアカウントを作るという手法かと思われます。
また、TikTokには青少年保護のために性的なコンテンツに年齢制限を設定するなどの内容をガイドラインに明記していますが、表面上『奈良の鹿を撮影している』ということであればコンテンツ違反に該当しづらいという点も、ビジネスの手口に鹿が利用される理由なのでしょう」(三上氏)
これらのアカウントや動画についてTikTok公式に問い合わせたところ、期日までに回答はなかった。しかし現在、当該アカウントは削除され閲覧できない状態になっている。
一方、こうした観光地を悪用したビジネスから観光客を守るため、施設側はどういった取り組みを行なっているのか。NEWSポストセブンは、奈良公園の担当者に話を聞いた。内容は追って詳報する。
(後編に続く)

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