【児童虐待】あす判決…実の娘と性行為を繰り返し「卑れつ」と指摘された父は判決の場で何を語るのか 明かされた行為と身勝手な言い分、検察と弁護側の主張をふり返る(山形)

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あす、4月9日。全国的に注目され、様々な意見がネット上で飛び交った裁判の判決が言い渡されます。加害者は実の父。そして被害者は実の娘。
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あまりの衝撃的な内容ですが、それでもこの事件には、児童虐待が抱える問題と、周囲の大人たちがどう手を差し伸べればよかったのかという課題が多く隠されている気がします。
実の娘に対し「卑れつ」と指摘されたことをした父親に出される判決は、どのようなものになるのでしょうか。
また、今回の事件を取り上げる中で、検察側や弁護側が何をどう主張したかもお伝えしています。あくまでも裁判中の事実ととらえ、冷静に読んでいただければと思います。
この裁判は、児童虐待の中でもより深刻な、性的虐待の氷山の一角であると考えます。第一回公判の様子、また山形県の児童相談所に取材した内容などは・・・
関連リンクの記事『【裁判】小学生だった実の娘に3年に渡り性行為…父の“おしおき”を母も止められず…涙ながらに父が話した“行為の信じられない理由” そして少女の“心の叫び”(山形)』をご覧ください。
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いよいよ出される判決。それを前に、第二回公判の内容をみていきます。
■3月7日 第二回公判
実の娘に対してみだらな行為に及んだとして、不同意性交の罪に問われている男の裁判が、山形市で行われています。2回目の公判を迎えたこの日、検察は懲役8年を求刑しました。(※本記事は性犯罪についての記述があります。また、一部詳細を控え記載している部分があります)
■相手は実の娘
不同意性交の罪に問われているのは、山形県内に住む被告の男です。検察などによりますと、男は去年9月、相手が16歳未満と知りながら、みだらな行為に及んだとされています。先月の初公判で男は、起訴内容について問われると、「間違いありません」と認め、弁護側も事実関係について争わないとしています。
■卑劣な”ニ択の罰”
娘にみだらな行為をするきっかけとなったのは、「手が胸に当たった」こと。体の成長に気づいた男は性的な接し方をするように。
そして娘が中学生になったころ、徐々に意図的に胸などを触るようになり、行為はエスカレート。みだらな行為に及ぶようになりました。行為に背徳感を感じ、性的興奮をおぼえたという男。男は、娘が寝坊したり、宿題をしなかったりすると、父との約束を守れなかった『罰』と称して、みだらな行為に及んでいました。男から提示された罰とは、「携帯を壊されること」と、「体を触られること」の2択。前回の裁判で娘は、「友達とのつながりがなくなるよりもいいと思った」として、後者を選んでいたことが明かされています。
■検察は「あえて性交を選ばせていた」と非難
2回目の公判のこの日、傍聴席には、前回証人尋問で法廷に立った男の妻の姿がありました。そして、検察の論告が始まりました。
検察は「実父という立場を利用し、悪質性が高い。被害者の性的知識の未熟さを利用し、(約束を守れないことの)引き合いとして、罰として、あえて被害者に性交を選ばせるようにしむけていたことは、非常に卑劣」などと、厳しく非難しました。また、今後の男の生活について「同居をせまる可能性が高いことから、再犯の可能性が高く、再犯防止のためにも長期間の矯正期間が必要である」などとして、懲役8年を求刑しました。
■弁護側は「実子への性行為は暴力ではない」と主張
一方、弁護側は、「実子への性行為は暴力ではなく、平穏だったと言える。また、犯行時間は短く、悪質性はそれほど高いものではない」としました。
今後の男の生活については、ストレスの根源は借金であるとして「自己破産をしたあと、職に就き、生活を立て直すことを誓約している」と弁護。また「自身の性的嗜好と向き合うために、医師の診断を受けた上で適切な処置を行う。娘への傷害の前科はあるが、同種の前科はない」などと述べ、懲役4年が妥当だとしました。
■最後に男が口にした言葉
裁判官に「最後に何か言いたいことはありますか?」と尋ねられると、男はまっすぐ前を向いて、「(娘を)苦しめてしまったことを謝りたい。申し訳ございませんでした」と、頭を下げました。
また、今後については・・・
娘に対して「できる支援をしたい。そして、必ず支えてくれる家族もいるので、しっかり反省をして更生します。申し訳ございませんでした」と、涙声で語り、再び頭を下げました。全国的に話題となったこの裁判。判決は、4月9日に言い渡されます。
※この記事は過去の取材をもとに再構成しています

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