「すき家」全店舗一斉閉店はパフォーマンス? ネズミに続きゴキブリ混入で緊急措置

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騒動の影響は長引きそうだ。牛丼チェーン「すき家」は、一部店舗をのぞく全店を一時的に閉店すると、29日に発表した。期間は31日午前9時から4月4日午前9時までの4日間だ。
【もっと読む】すき家「みそ汁にネズミ死骸」後手後手対応で株価急落…異物混入を防ぎきれない厨房事情
今月28日に昭島駅南店(東京都)で、商品にゴキブリの一部が混入していたことが判明。1月にも鳥取市の店舗でみそ汁にネズミの死骸が混入し、その公表が2カ月後の今月22日まで遅れたことで物議を醸していたところだった。4日間の閉店期間中は害虫・害獣の「外部侵入」や「内部生息発生」を防ぐ衛生対策を行うという。
ゴキブリの混入によって、全店休業を決めた形だが、飲食店でのゴキブリの混入自体はそこまで珍しいことではない。大量の食材を扱い、しかも飲食店の厨房は独特な構造になっているため、害虫・害獣対策が極めて難しいからだ。少なくとも、ゴキブリの混入は「今後も起こりうるもの」というのが、飲食業界の本音のようだ。
いくらネズミ混入が炎上した後とはいえ、全店閉鎖は思い切った措置にも見える。
■かなりの出血を覚悟
外食ジャーナリストの中村芳平氏は、すき家の思惑をこう分析する。
「出血を覚悟し対策を徹底する姿勢を示すことで、騒動を沈静化し、客離れを防ぐ目的があるのでしょう。ある意味、炎上対策、パフォーマンスという側面も否めません。と言っても、閉店期間中は収益がなくなるうえ、全国におよそ2000もある店舗すべてで害虫や害獣の駆除・対策を行うとなると、かなりの費用がかかるはずです」
問題は、4日間の閉店で客が戻るのかどうか。さすがに、問題の発覚直後は、入店に二の足を踏んでいた客もいるはずだ。
「過去にもマクドナルドや幸楽苑で異物混入騒動がありましたが、両社はその後サービスを改善し、しばらくすると客は戻ってきました。ネズミが混入するというインパクトの大きさを考えれば、客足が元に戻るまで少なくとも3カ月はかかるでしょう。もっとも、すき家を運営するゼンショーホールディングスは、いまや業界トップクラスで資金力もある。この程度で済めば安いものかもしれません」(中村芳平氏)
再び開店した後に異物混入事件が起きると、致命傷になりかねない。
SNS上などでは「なぜネズミの混入に気付けなかったのか」という批判もあるが、その要因について、飲食業界を取り巻く状況も無関係ではない。●関連記事『【もっと読む】すき家「みそ汁にネズミ死骸」後手後手対応で株価急落…異物混入を防ぎきれない厨房事情』で詳報している。

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