また、あの女性政治家が国政に舞い戻ってくることになるのだろうか。
報道各社は3月6日、立憲民主党が蓮舫氏を参院選の比例代表で擁立する方向で調整していることを一斉に報じた。
蓮舫氏と言えば、昨年に参院議員を辞職して東京都知事選に出馬。当初は小池百合子氏との女性対決が注目されたが、途中から石丸伸二氏の猛追を受けて3位に転落してしまった。
そんな蓮舫氏をまた国政に戻そうという動きになるわけだが、党内からは出馬について異論が噴出している。
立憲関係者は話す。
「参院選の比例代表は労働組合である日教組や自治労など、連合の組織内候補が議席を獲得する枠として立憲では機能してきた。しかし、蓮舫氏がそこに入ってくることによって枠が1つ狭まってしまう恐れがある。そうでなくても、立憲は比例獲得議席を減らす可能性があり、連合からは猛反発が出ている」
実際に立憲民主党の比例獲得議席は2019年参院選では8議席だったところ、2022年参院選では1議席落として7議席に留まっている。
2022年は最後の7人目に情報労連出身の石橋通宏氏が滑り込んだが、今年の参院選は蓮舫氏のほかに、すでに森裕子氏が比例代表で立候補することになっており、さらに比例枠を圧迫。
連合の組織内候補がそこからあぶれてしまう可能性が高まっているのだ。
立憲は昨年の衆院選で50議席増の大勝を果たしたが、今年の参院選では苦戦が予想されている。
というのも、昨年の議席増のほとんどは自民が裏金問題で自滅したことによる選挙区での勝利で、実は比例票は大敗した2021年衆院選と比べても7万票しか増えていない。
報道各社の世論調査では立憲が国民民主に政党支持率を抜かされているものも増えてきており、参院比例では厳しい戦いが強いられるとみられる。
蓮舫氏に近い議員からは「だからこそ、知名度の高い蓮舫氏を出馬させることによって比例票を増やさないといけない」という声が出ているが、都知事選で3位になった結果からも、党内では「いまさら蓮舫氏の名前で票が掘り起こせるのか」と疑問の声が飛び交っているのが実情だ。
参院選を経て労働組合の組織内候補が落選してしまった場合、立憲にとって最大の支援団体である連合との間で溝が生まれる事も考えられるだろう。
蓮舫氏の出馬によって立憲は獲得議席数を増やせるのか、それとも、単に比例代表の枠を1つ埋めるだけで終わってしまうのか。
政党の行方を左右する参院選が行われる7月が徐々に迫ってきている。
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