ミャンマーで“監禁”2人の高校生は被害者なのか? 「1日10時間“かけ子”を」「ノルマ未達成だとスタンガン」

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ミャンマーのタイとの国境地帯に点在する中国系犯罪組織の拠点で、1万人以上の外国人が監禁され特殊詐欺に加担させられている。このニュースは、世間に大きな衝撃を与えた。
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さらに驚愕(きょうがく)の事実が判明。日本人も20人前後いるとみられ、しかも高校生が、ミャンマー東部ミャワディ周辺の特殊詐欺拠点で“かけ子”として働くことを強要されていたのだ。
社会部デスクによると、
「2月20日に外務省が明らかにしたところでは、タイ当局は、ミャンマー国境地域で日本人男性7人を保護あるいは拘束。未成年2人が保護され成人5人が拘束されていました。未成年2人と、成人4人が帰国済みです」
未成年の一人は愛知県の高校生(16)。闇バイトに応募した可能性がある。
「昨年11月ごろ、通信アプリ『テレグラム』で仕事を紹介され、紹介者の手引きで翌12月、中部空港からタイに渡航後、ミャンマーに密入国。ミャワディに入りました」
拠点では中国人の上司の下、1日10時間、かけ子をやらされた。
「日本の高齢者に警察官をかたって電話をし、ノルマ未達成だとスタンガンで暴行されたといいます。今年2月、家族に“ミャンマーにいる”“助けてほしい”と連絡。日本政府の要請の結果、タイ当局に保護され、2月16日に帰国しています」
もう一人の未成年である宮城県の高校生(17)は、
「オンラインゲームで知り合った日本人の男に“いい仕事がある”と誘われています。今年1月上旬に男が用意した航空券で成田空港からタイに渡った。密入国先のミャンマーでは愛知県の高校生とは別の拠点で、日本の都道府県のうち二つを標的にして日本語でだますよう、日本人の上司に指示されていたそうです」
家族の行方不明届を受けた日本の警察が捜査した末、タイ当局が保護。渡航後10日ほどで帰国した。
現地の特派員が語る。
「目下の問題は、オンラインゲームの日本人です。29歳の藤沼登夢(とむ)という人物で、いまもタイ当局が拘束している。日本人男性7人のうち未帰国の一人です。日本の警察が所在国外移送目的誘拐の疑いで捜査していますが、実は藤沼はすでに“容疑者”の身。いざこざを起こした仲間を誘拐、拉致監禁して金を奪った。そんな類いの話で、大阪府警によって複数の容疑で逮捕状が出されていたのです」
帰国した成人4人のうちの一人、田久保宏章(39)もお尋ね者だった。
「タイとミャンマーを不法に行き来したとしてタイ当局に拘束、送還された田久保は、2月20日の成田到着後、麻薬取締法違反(使用)容疑で茨城県警に逮捕されました。なお、田久保と共に送還された3人にも県警が事情を聴いています」
田久保に逮捕状が出たのは2022年12月で、
「その数日前の夜中1時ごろ、田久保は取手市内のスーパー駐車場に車を止め、ドアが半開きのままでいました。警官の職務質問に対する言動が怪しかったため任意同行のうえ採尿。後日コカインの成分が出たことで県警が逮捕状を取り行方を追っていたところ、23年9月、田久保の出国が判明したのです。今年2月7日、タイ当局から警察庁に連絡が入り、逮捕に至りました」
二人の高校生は純粋な被害者なのか。自ら海外の犯罪集団に身を投じておいて、予想と勝手が違ったから、責任は問われないだろうし帰りたいと言い出した。そうした側面はなかったか。
高校生や、罪だらけのふらちなやからの帰国にかかる費用は税金で賄われている。こんなバカげた話はあるまい。
「週刊新潮」2025年3月6日号 掲載

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