最近、入社式に親を呼ぶ会社が増えつつあるというが、この会社では古くからそうだった。毎年、誰もが知る政治家、芸能人、スポーツ選手が我が子の晴れ姿を見ようと夫婦揃って姿を見せるという。世間の非常識を常識とする“あの会社”だ。
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【写真】各界からこんなにも…。フジテレビに「子供が通っている」有名人
「世間からの猛批判を受けながら、いかに自分たちが異常な会社で仕事をしていたか痛感させられる日々です」
こう語るのはフジ社員である。自社の番組に出演するタレントから性被害を受けたという女性の訴えがあってもコンプライアンス部門と情報共有せず、“奥の院”で対応。挙句、“加害者”のタレントを放置し、出演番組を継続するばかりか特番にも起用…。
「中居正広トラブル」で露呈したのは令和の上場企業にあるまじき、非常識のオンパレードだった。そして社員は「非常識の象徴」として入社式を挙げるのである。
「普通、入学式じゃあるまいし入社式に親なんて呼ばないじゃないですか。でも、ウチでは昔から親同伴なんです。政界、芸能界、スポーツ界、財界などから錚々たる人たちが駆けつけます。多い代で入社する半数くらいが『コネ入社』と言われており、入社式は親のためのセレモニーになっているのです」(同)
有名芸能人がサプライズ出演して座を盛り上げるのも恒例だという。
「毎年、ジャニーズやAKBグループのタレント、吉本芸人などが祝福メッセージを述べに駆けつけます。セレモニーが終わったら立食パーティ。貴族の集いみたいな雰囲気になります」(同)
実力入社組は見たこともない華やかな空間に面食らうというのだ。
いったいどのくらいの有名人の子息が働いているのだろうか。もちろん、有名人の子息の中にも実力を兼ね備えている人はいるだろうし、コネ入社とは限らないことはあらかじめ断っておく。
「政界だともう辞めちゃいましたが、岸信夫元防衛相の息子で安倍晋三元首相の甥の岸信千世衆院議員。故中川昭一元財務大臣の娘、 加藤勝信財務大臣の娘は今も勤務しています」(同)
スポーツ選手だと、
「球界からは小宮山悟、高津臣吾の息子。大魔神こと佐々木主浩の息子も以前は在籍していました。サッカーでは堀池巧の息子もいます」(同)
もちろん芸能人も。
「高橋英樹の娘で今はフリーになった高橋真麻さん、藤井フミヤの息子の藤井弘輝はアナウンサー採用。陣内孝則の息子もいます」(同)
確かにこれだけ錚々たる親の子が在籍していれば、コネ入社があるのではないかと誰しも疑ってしまう。
社員によれば、こうした有名人ルートだけでなく、広告代理店の電通や博報堂、有力スポンサー企業からのルートもあるという。親が有名人ではない彼らは一見では実力入社組とは判別しづらい。社員は彼らを「学歴」で判別すると話す。
「うちは早慶が圧倒的に多いのです。日枝さんが早慶好きだからと言われています。この間の記者会見に出席したメンツだと、港浩一前フジテレビ社長、金光修フジ・メディアHD社長が早稲田。嘉納修治フジテレビ会長、遠藤龍之介フジテレビ副会長、清水賢治フジテレビ新社長は慶應といった具合。日枝久さんも早稲田です」(同)
そんな中に偏差値があまり高くない大学出身者が紛れていると、つい疑ってしまうというのだ。
「日東駒専クラスの大学を出たと聞くと、『もしかして君のお父さんは…』って。彼らは通常の選考ルートとは別の裏ルートで採用されます。人事では、日枝さんが直々に指名している入社希望者のエントリーシートを『日枝シート』と呼んでいると聞いたこともあります。こんな“裏工作”が社内で常態化しているからこそ、今回のような不祥事が起きてしまったとも言えるんですよ」(同)
社内改革が進んでフジの常識が世間と釣り合う日は来るのだろうか。
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デイリー新潮編集部