【山本 昌義】「顔だけが武器」の先輩女性の引き立て役にされた「非モテ女子」が婚活でしかけた「最大の復讐」

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前編の冒頭においてお伝えした通り、結婚相手は男女ともに「人柄・内面」を重視して決める傾向です。入口は経済力や容姿ということもよくありますが、最終的には内面が大事になってくるといえます。
一方、婚活で苦戦する方の中には、内面といわれてもピンとこない、何が悪いのか本気で分からない、という方も意外と珍しくありません。そういう方はだからこそ、分かりやすく自信につながる容姿に固執し、さらなる婚活難民に陥る悪循環を繰り返すのです。
内面は多岐に渡って滲み出るものですし、その良し悪しの判断基準も人それぞれで、答えのない状態に困惑する気持ちは理解できます。ですが婚活で内面が悪いと評される方は往々にして、社会人の基本の一つといえる「他人には等しく丁寧に接する」ことすらできていない人が多いように思います。
都内の中小企業に務める坂口律子(仮名)さんは、自分の容姿には絶対の自信を持っており、だからこそいつでも結婚できると鷹を括っていました。
しかし30歳を過ぎて男性から声が掛からなくなったことを気にして、会社の後輩の伊藤沙菜さん(仮名)を引き立て役に婚活パーティに参加。そこで知り合った谷口優一さん(仮名)と後日デートをしたのですが、女性慣れしていない谷口さんのエスコートに幻滅し、その場で暴言を放ったことを武勇伝と豪語する女性です。
その後も、美人な自分は選ばれる立場と思い込んだまま婚活を続け、当然ながら結果は惨敗。焦りを募らせる坂口さんのもとに、自分の引き立て役だった伊藤さんの結婚が決まったと知らされます。
「なんであの子が先にいくのよ!」と内心動揺したものの、なんとか気持ちを奮い立たせて渋々結婚式にのぞみましたが、相手の正体を知り目の前が真っ暗になりました。
じつは伊藤さんの相手は、かつて自分が振ったあの谷口さんでした。2年前、美人な自分のスペックには合わないと初回のデートでさんざん説教と罵倒をした男性が目の前で伊藤さんと幸せそうに佇んでいます。
しかも谷口さんの父親は中小ながら評判の良い経営者で、ゲストには有名な会社の社長や重役などもいました。谷口さんは父親の会社を継ぎ次期社長として紹介され、その妻の座には自分ではなく、あの非モテの伊藤さんが座っています。
坂口さんとデートした時に勤めていた会社は、じつは会社を継ぐ前の修行の一環として在籍していたとその時に聞かされたそうです。
しかも、ふたりを結びつけたのは、なんと坂口さんとの”最悪なデート”がきっかけでした。
2年前、坂口さんからの罵詈雑言に心を痛めているのではないかと案じた伊藤さんが、後日お詫びに会いに行ったそうなのですが、その際「実は君の方が気になっていた」という告白を受け、さらに伊藤さんの優しい気遣いに深く感動し、その場で交際を申し込まれたそうです。
谷口さんは確かに仕事ばかりで女性やデートに不慣れでしたが、伊藤さんもそれは同じでふたりは意気投合。その後、谷口さんが次期社長になることを明かしても、伊藤さんの態度が何も変わらなかったことが決め手となり、結婚に至ったといいます。
当然このエピソードは披露宴で語られました。他のゲストも同僚もみな一様に伊藤さんを賞賛し、そして伊藤さんがもてはやされるほど、坂口さんは強烈な敗北感に襲われたそうです。
スピーチでは坂口さんとの最悪なデートにも触れられ、名前こそ伏せられてはいたものの誰のことか「分かる人には分かる」状態で、周囲から冷ややかな視線を向けられ居心地の悪い結婚式だったといいます。
結婚式の後、坂口さんは荒れに荒れ、意地でも谷口さん以上の男性と結婚して見返してやろうと婚活に奮闘したものの、かえって相手から引かれ失敗を重ねてさらに荒れるといった悪循環に陥りました。
結局何もないまま、あっさりと35歳を超え、結婚相談所も使いましたが、やはりハイスぺ男性とは出会うことすらできなかったとのことでした。
一方の伊藤さんは結婚後に垢抜けして明るくなり、産休・育休明けには周囲が進んでフォローしてくれるほど会社でも大切に扱われるようになったといいます。結婚式以降、孤立気味だった坂口さんにも優しく声をかけていたそうですが、それがまた坂口さんのプライドを刺激し、苦痛の日々だったそうです。
現在、すでに40代の坂口さんは、いまだに彼氏もいません。最近ではハイスぺどころかどの男性にも相手にされず、さらに職場でも孤立が極まり、居場所がなくなってきたと感じるものの満足できる転職先も見当たらず、絶望の日々を送っているとのことでした。
「なんでこんなことになったんでしょうか…。最初から谷口さんが次期社長と言ってくれれば私が結婚してあげたし、私が伊藤さんの立場にいられたはずなのに…。これから、私はどうしたらいいのでしょうか?」
坂口さんは実に残念な女性ですが、程度こそあるものの坂口さんのような人は婚活市場に少なくありません。男性にとって「女性の若さ」は女性が考える以上の武器です。それに多少の見た目も備われば、少なくとも交際レベルなら無敵ともいえます。それほど20代の若さはケタ違いであり、20代ならモテるのが普通です。
ただそれは、すべての女性に共通します。30代になればどうあがいても見た目では20代に勝てません。にも関わらず見た目しか武器がなければ、ここで詰まることになります。どんなにモテた実績があろうと、若く見えようと、経験豊富だろうと、です。
30代ともなれば、見た目以外の武器が必要なのですが、残念ながら客観的な自己分析ができない人も珍しくありません。できればハッキリ言ってくれそうな方に相談して、それを素直に受け入れ客観的に見つめることをおすすめします。
見た目以外の武器で分かりやすいのはまずは年収です。さらにやはり「内面・人柄」が大事で社会人としての基本的なマナーを中心に、改めて立ち振る舞いやコミュニケーション力を磨きましょう。
坂口さんとは対照的に、伊藤さんにとっては最高の良縁でした。
プライダル総研の2023年「恋愛・結婚調査」によると、交際経験がない人の割合は30代男性が41.2%なのに対し、30代女性は25.3%となっています。つまり女性に比べて男性は恋愛経験が乏しい傾向にあります。女性は男性にリードして欲しい傾向がありますが、それは男性からすればかなりのプレッシャーなのです。
だからこそ、婚活市場では「男性に不慣れな女性」は安心感に繋がります。男性に慣れた女性はレベルの高い要求や、横柄なこともあり尚更ともいえます。男性に不慣れなこと自体がじつは女性にとって武器となり得ることもあると考えましょう。
そして「優しさ・誠実さ」は大きな武器です。これは社会人であれば誰もが備えていると思われがちですが、当たり前のことが当たり前にできている人は意外と少数派です。
婚活男性からは2人、3人と、連続で酷い女性と出会ったという声もよく聞きます。そんな中、伊藤さんのように温かみを感じる女性と出会ったら、もうそれだけで「性格がいい」と感じてしまうのも無理はありません。
恋愛と結婚は別物です。今まであまりモテなかった女性でも、婚活・結婚では逆転できる可能性があります。内面の乏しい女性が多くいる婚活市場での勝算は十分にあるのです。ですので、驕らず少しでも若いうちから内面を磨き勇気ある一歩を歩み始めましょう。
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