ずっと親の敷いたレールを歩いてきました…〈月収45万円・35歳サラリーマン〉、初めての息子の反抗に〈61歳母親〉が大号泣「親を捨てる気ね」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人生は、自分だけの判断で生きているわけではありません。いろいろな人の影響を受けたり、アドバイスをもらったりしながら、さまざまな選択をしているはず。しかし、親の意見だけを聞いて生きている人も珍しくないようです。
両親との実家暮らしを続けている加藤達也さん(仮名)、35歳。都内の有名メーカーで働いています。30代半ばとなり、友人からは「いつまでも実家にいると、さらに婚期が遅れるぞ」と心配されることも。
――別に結婚を避けているわけではありません。むしろ結婚願望は強いほうだと思います
実際、交際歴5年になる恋人(30歳)もいるといいます。給与も月収で45万円、賞与も含めると年収750万円と、同年代の平均より多く、経済的にも問題はありません。それにも拘らず結婚しない理由とは?
【現在独身でいる理由】・適当な相手にまだめぐり会わないから…24.5%・結婚するにはまだ若すぎるから…17.9%・結婚する必要性をまだ感じないから…14.4%・今は仕事(または学業)にうちこみたいから…12.6%・今は趣味や娯楽を楽しみたいから…6.1%・異性とうまく付き合えないから…5.9%・結婚資金が足りないから…5.1%・独身の自由さや気楽さを失いたくないから…4.3%・親や周囲が結婚に同意しない(だろう)から…0.9%・結婚生活のための住居のめどがたたないから…0.8%※出所:国立社会保障・人口問題研究所『第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』
【現在独身でいる理由】
・適当な相手にまだめぐり会わないから…24.5%
・結婚するにはまだ若すぎるから…17.9%
・結婚する必要性をまだ感じないから…14.4%
・今は仕事(または学業)にうちこみたいから…12.6%
・今は趣味や娯楽を楽しみたいから…6.1%
・異性とうまく付き合えないから…5.9%
・結婚資金が足りないから…5.1%
・独身の自由さや気楽さを失いたくないから…4.3%
・親や周囲が結婚に同意しない(だろう)から…0.9%
・結婚生活のための住居のめどがたたないから…0.8%
※出所:国立社会保障・人口問題研究所『第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』
――母親(61歳)ですね。私たちの結婚を認めてくれないと思うんです
加藤さん、これまでの人生を振り返り、ずっと親が敷いたレールを走ってきたといいます。そう感じるように最初の記憶は中学受験。本当は地元の友人と地元の公立中学校に進学したかったけれど、親、特に母親の強い希望で中学受験をし、中高一貫有名進学校に入学。大学も親が希望する大学、親が希望する学部を受験し、見事合格。国内でも一流と称される大学でした。
さらには就職先も。親、特に母親が希望したのは、誰もが知っているような有名企業。安定していて、かつ、きちんと仕事と私生活のバランスの取れる仕事。何よりも実家から通え、転勤のない会社。条件に合う企業数社から内定をもらい、なかでも母親が推す会社に入社を決めたといいます。
――人生の選択の場面では、常に親の希望が第一にありました

子どもの就職にまで口を出すなんて、と驚く人も多いでしょう。しかし、最近の新卒採用では「親が反対しているので」と内定を辞退する学生が増えているのだとか。そのため、企業側は「オヤカク(親確)対策」に力を入れています。
株式会社マイナビが行った『マイナビ 2023年度 就職活動に対する保護者の意識調査』によると、子どもが内定企業から「内定確認の連絡」を受けたのは52.4%と半数以上。また2024年卒の学生を対象にした調査では、内定先に関する意思決定の際に助言や意見を聞いた相手として最も多かったのは「父親・母親」で61.9%。学生の意思決定への保護者の影響は大きいことがわかります。
しかし、親の影響が大きいとはいえ、程度の問題。子どもが悩んでいる際に、人生の先輩としてアドバイスをもらう程度であれば、良好な親子関係として普通にあること。しかし加藤さんの場合は、「母親は自分の希望に合わないと、すぐにカッとなって収拾がつかなくなるんです。そんな母親をみたくないから、父親も先回りして母親が希望だろうことを先に押しつけてくる……いつもこのパターンです。
結婚についても、今交際している恋人に関しては確実に反対されるといいます。
――結婚相手は、学歴が大事なんだそうです。私と同等レベルでないと、優秀な子どもが生まれない……そう考えているんです。昔から、『お付き合いはあなたの自由。でも結婚はダメ』と口うるさくいわれているんです
しかし転機が訪れます。恋人から「子どもを考えるならタイムリミットがある。結婚しないなら別れる」と切り出されたのだとか。加藤さん、人生史上、一番悩んだといいます。母親の反対を押し切って結婚するかどうか。悩み悩んで出した答えは、恋人との結婚、そして実家を出る決断でした。
――結婚する、実家を出ていくっていったときは、すごかったです。「親を捨てる気か!」と大声を出して怒り出したと思ったら大号泣、その繰り返し
そういう加藤さん、清々しい笑みがこぼれます。
昨今、耳にすることも多い「親の過干渉」。成人しても親と同居する家族が増えるのに従い、互いに自立できない「共依存」のような関係の親子も増えているといいます。経済的にも自立できていないと、さらに厄介。いつまでも親に依存できるわけではなく、いずれは親との別れは訪れる。そのとき子どもも自滅してしまう……そんな結末が目に見えているわけです。
知らず知らずに親子が共依存になっているケースも。今一度、親子関係を点検してみるのもいいかもしれません。

[参考資料]
国立社会保障・人口問題研究所『第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』
株式会社マイナビ『マイナビ 2023年度 就職活動に対する保護者の意識調査』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。