令和の若者に結婚は「ぜいたく品」なのか。「生きるのに必死、他のことは考えられない」男性の悲痛な叫び

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こんにちは。これまで1000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。

「若者の恋愛離れ」というのを見聞きしたことがある方もいるかもしれません。

国立社会保障・人口問題研究所が2021年に実施した「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、18~34歳の未婚者は男女とも80%以上が「いずれ結婚するつもり」と回答しています。結婚の希望を持つ割合は昔と比べて減少傾向にあるものの、大きな低下はみられません。

ですが、日本総研と株式会社エウレカが共同で実施した「アフターコロナを見据えた少子化対策等のための未婚者の実態調査」によると、結婚意欲はあるが結婚できていない「未婚層」が未婚者全体の72%を占め、このうち結婚に向けて「活動していない/できていない」と回答している割合は43%と、未婚層の半分以上の割合を占める結果でした。パートナーが欲しいと思いながら相手探しをしていない、またはできていない方が大半なのです。

今回、「いつか家族は欲しいけれど婚活をしていない」という男性・古川さん(@furuttiCH)を取材しました。古川さんは大卒で都内で働いており、年収は400万円台。取材した日は30歳の誕生日直前の週末でした。

実は古川さんは今まで、一度も彼女がいたことがありません。そんな彼の「婚活できない事情」とは――。

◆「汚い」と女子に言われ、いじめを受けた壮絶な過去

古川さんは福岡県で生まれます。小学校時代に子育てしやすい地域にご両親は引っ越し、それに伴い転校を経験しました。当時アトピーがひどかった古川さんを見て新しいクラスのリーダー格女子が「汚い」と言いだし、女子と仲良くすることができなくなりました。

進学した中学は、メンタル不調で休職する教師がでるほど荒れていました。古川さんの学年は特に荒れ方がひどく、複数のクラスが学級崩壊を起こすほどだったそうです。不良グループから目をつけられた古川さんは、中学で壮絶ないじめを受けました。

カツアゲされて、殴られたり蹴られたり、さらにはネットの匿名掲示板に自宅の住所を書かれるなど、いじめの内容は恐ろしいものでした。他にもいじめられている生徒はいましたが、不良たちの報復が怖くて先生に相談はできなかったそうです。

◆奨学金200万円の返済が今も続いている

高校に進学し、いじめっ子からは離れることができました。部活動は女性部員も多い運動部に所属していたものの、話しかけて嫌われたら怖いという思いから女性に話しかけることはなかったそうです。

通っていた高校では、大学に進学する生徒がほとんどでした。古川さんは国語が苦手で数学が得意だったという理由から、地元の私立大学工学部に進学します。進学の際に無利子の奨学金200万円を借りました。そのときの奨学金は、現在も返済中です。

古川さんが大学進学した平成24年(2012年)は大学進学率が50.8%(※1)。そして、大学学部(昼間部)の学生のうち半数以上の52.5%が奨学金を受給しています(※2)。なお、令和4年(2022年)の調査では55.0%です(※3)。奨学金返済に追われる若者はそれだけいるのです。

「大学で彼女ができる人はトップ層のイメージだった」といいます。これは古川さんの個人的な感想というだけではないと思います。

古川さんが20歳だったのは2014年です。オーネットが成人式を迎える20歳になる男女を対象として毎年実施している「新成人の恋愛・結婚に関する意識調査」によると、20歳の男女で2014年に「恋人がいる」と答えた割合は24.7%でした。

苦手な人なのになぜか昼食は一緒にとらなければならず、気が休まることがありません。経理部は他部署から煙たがられやすく、人間関係の相談ができる人もいませんでした。

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