“太宰府事件” 山本美幸受刑者が服役中に死亡 被害者の母親「もっと長い期間苦しんでほしかった」

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3年前、福岡・太宰府市で佐賀県の主婦が暴行され亡くなった、いわゆる「太宰府事件」で傷害致死などの罪で懲役22年の判決が確定し、佐賀県の麓刑務所に服役中だった山本美幸受刑者が死亡していたことがわかった。
脅迫電話の音声(2019年9月・遺族録音):あなたたちのおかげで、めっちゃ借金が増えてさ、めっちゃ生活、潰されているんですけど。あなたに貸したお金は返済して下さいと約束しておりますので、返済をして下さい
事件前、執拗に金銭を要求していた女。2021年12月、傷害致死などの罪で懲役22年の判決が確定し、佐賀県の麓刑務所に服役中だった山本美幸受刑者(43)だ。山本受刑者が、2022年の夏頃に体調の悪化により死亡していたことが分かった。
福岡高裁の確定判決によると、山本受刑者と、同居していた岸颯受刑者(27)は、佐賀県の主婦、高畑瑠美さん(当時36歳)から、金銭を搾取する目的で、太宰府市の自宅アパートなどに監禁し、2019年10月に木刀で殴るなどの激しい暴行を繰り返し外傷性ショックで死亡させた。
逮捕当時から山本受刑者は一貫して事件の関与を否定。しかし2021年3月、福岡地裁は「被害者を服従させて搾取するという私利私欲の目的のために犯行に及んだ」と指摘した上で―。
岡忠之裁判長:被害者に対する優越感から暴行や虐待行為を楽しんでいた様子も見受けられる。人としての尊厳を踏みにじられた末、生命を奪われた瑠美さんの感じた苦痛は計り知れない
と断罪し、山本受刑者に懲役22年の判決を言い渡した。判決文が読み上げられる間、山本受刑者は肩を震わせながら笑っていた。
太宰府事件に関係し、山本受刑者を長らく知る人物は電話取材に―。
記者:山本美幸受刑者が、亡くなったことは知っていた?
太宰府事件関係者:知りませんでしたよ
記者:山本受刑者は、何かの病気だった?
太宰府事件関係者:確かに逮捕される1カ月くらい前に入院していたのは間違いない。病名は分かりません
そして、最後にこう言い放った。
太宰府事件関係者:終わったことやし、今更どうやこうや言うたってしゃあないし、安らかに眠ってくれと。「あの世で反省してくれ」って感じやね
太宰府事件を巡ってテレビ西日本報道部は、遺族が11回、警察に相談を繰り返していたにも関わらず、捜査に乗り出さなかった佐賀県警の対応について問いただしてきた。しかし佐賀県警の答えは―。
佐賀県警杉内由美子本部長(2020年12月2日当時):一連のお申し出の内容からは、被害者の女性に直ちに危害が及ぶ可能性があるとは認められませんでした
佐賀県警は、署で相談を受けた場合の報告書の書き方などを見直すとした一方、「当時の対応に問題はなかった」と結論づけている。
山本受刑者の死亡を受けて、被害者である瑠美さんの母親は、電話での取材に次のように語った。
瑠美さんの母親(電話取材):二度と世の中に出てこないで欲しいと思っていた。もっと長い期間、罪と向き合って反省してほしかった。苦しんでほしかった
(テレビ西日本)

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