「『くそ!』『ちっ』と独り言が多く怖い印象」“ミルクティーで性的暴行”の渋谷区役所員(29)が給付金詐欺で再逮捕 「平均年収633万円」の未来を棒に振る愚かさ

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「性欲がたまっていたので抑えきれなかった」
【写真】性的暴行の現場となった自宅マンション 10月11日、交際していた20代の女性に性的暴行を加えたとして、渋谷区役所の職員・石川隼大容疑者(29)が準強制性交の疑いで逮捕された。 そして区民の生活に寄り添う公務員が起こした犯罪の余波も収まらぬ1カ月後の11月7日、今度は給付金詐欺の疑いで再逮捕された。若い男性区役所職員を犯罪に走らせたのは何だったのか――。 石川容疑者が5月に起こした準強制性交事件について、大手新聞の社会部記者はこう解説する。

「石川容疑者は今年1月下旬にマッチングアプリを通じて女性A子さんと知り合い、2月上旬に初めて顔を合わせました。その後、何度か食事や映画などデートを重ねた後、4月上旬に石川容疑者の方から『付き合ってほしい』と告白し、交際に発展。そして5月1日に事件は起きました」 交際開始から半月ほどは関係は良好で、その時点では石川容疑者が肉体関係を要求することもなかったという。しかし事件当日の5月1日、「家で映画を見よう」と誘い、A子さんは初めて容疑者の自宅を訪れた。犯行現場となった石川容疑者の自宅 文藝春秋ズボンを脱がされ、容疑者が覆いかぶさってきて…「A子さんが石川容疑者の家に入ると映画を見るはずのテレビがなく、不信感を覚えたようです。しばらくは2人でお酒を飲みながら談笑していたのですが、不意にベッドに抱き寄せられてキスをされ、A子さんは『体を目的に呼ばれたんだ』と気づき、石川容疑者を両手で押しのけて拒否しました。すると石川容疑者も一度は納得した様子で部屋を出て、戻った時には2つのマグカップを持っていました。『休んだほうがいいよ』と手渡されたホットミルクティーをA子さんが飲み、立ち上がろうとしたところで意識を失ったようです」 石川容疑者がA子さんに渡したミルクティーには、睡眠導入剤が溶かされていた。「A子さんは意識が朦朧としていたものの、ズボンを脱がされ石川容疑者が覆いかぶさってくる記憶は断片的に残っていたようです。そして意識が戻ったときに石川容疑者が隣で体を拭いているのを見て、性行為をされたと悟ったようです」(前出・社会部記者)「同意なく性行為に及んだことは間違いない」 A子さんは性被害を確信したものの、石川容疑者の逆上を恐れて指摘はしなかったという。石川容疑者も、何食わぬ顔でA子さんを最寄り駅まで見送った。A子さんはその日のうちに友人に相談して警察に通報、翌日の早朝に巣鴨署に正式に被害を訴えた。 石川容疑者は犯行に使った睡眠導入剤について「通院していた時に処方された睡眠薬です」と説明。捜査では「ミルクティーに睡眠薬を入れて眠らせて、同意なく性行為に及んだことは間違いない。飲ませれば、緊張がほぐれてリラックスできると思った」と容疑を認めている。 石川容疑者が住む西巣鴨の近隣住民は、「ちょっと怖かった」と印象を語る。「(自宅に近い)コインランドリーへ20時くらいに行くとよく見かけました。イヤホンをしたまま漫画を読んでいたり、スマホでゲームをしていた気がします。画面に向かって『くそ!』『ちっ』と独り言が多く、ちょっと怖い印象でした。今年の夏くらいに一度誰かと電話で話していることがあったのですが、その時はいつもと違う猫なで声で『そういう時はこうするといいよ』と何かアドバイスをしているようでした。相手は女性だろうなと思った記憶があります」「どうせばれないだろうと思った」 準強制性交での逮捕から1カ月後の再逮捕は、給付金詐欺の疑いだった。“ホットミルクティー性的暴行事件”と同時期の4月中旬~6月中旬にかけて、無職を装って自宅のある豊島区に対して新型コロナウイルス対策の給付金「生活困窮者自立支援金」を申請し、現金18万円をだまし取った疑いがかけられている。 石川容疑者は渋谷区役所で支援金給付の業務を担当しており、その知識を悪用しての犯罪だった。「石川容疑者が渋谷区の職員になったのは2021年4月で、今年で2年目。ずっと福祉部の生活福祉課に所属していて、昨年度は給付金義務の担当だったので給付金申請に関する知識はあったと見られています。同時期に別の臨時給付金も申請をしていましたが、豊島区による審査の過程で虚偽であることが発覚。7月に豊島区が目白署に相談し、水面下で調査が続いていました」(前出・社会部記者) 石川容疑者は逮捕後の捜査でこちらの容疑も認め、「どうせばれないだろうと思った」「歯の矯正代や歯のクリーニング代、ジムの月額費などに使った」と供述しているという。給付金について「困ったらいつでも聞いてもらって構わないっす」「石川容疑者は給付金申請の知識に自信を持っている様子だった」と語るのは、会えば挨拶を交わす仲だったという近隣住民だ。「1年くらい前に、ワクチンの接種やらコロナの給付金やら申請する必要があることが多い時期に、石川くんに『あなたはちゃんとやったの?』と聞いたことがありました。私が、仕組みが難しいから困るとぼやいたら『困ったらいつでも聞いてもらって構わないっす』と言っていました。育ちがいい子という印象でしたが、役所の職員さんだったんですね。たかが18万円で安定した将来を棒に振ったのはかわいそうだけど、詐欺はダメですよね…」 渋谷区役所職員の年収は高く、サラリーマンの平均を上回っている。モデルケースでは41歳で年収633万円となっており、地道に働けば石川容疑者にも明るい未来が待っているはずだった。 職員が2度も逮捕されたことを受け、渋谷区長の長谷部健氏は「度重なる事件で極めて遺憾であり、当該職員に対しては厳正に処分するとともに、職員に対しては信用回復に向け規範意識の徹底を指示してまいります」とコメントを発表している。 区役所職員への信頼を裏切る2つの事件。信頼回復は急務だ。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
10月11日、交際していた20代の女性に性的暴行を加えたとして、渋谷区役所の職員・石川隼大容疑者(29)が準強制性交の疑いで逮捕された。
そして区民の生活に寄り添う公務員が起こした犯罪の余波も収まらぬ1カ月後の11月7日、今度は給付金詐欺の疑いで再逮捕された。若い男性区役所職員を犯罪に走らせたのは何だったのか――。
石川容疑者が5月に起こした準強制性交事件について、大手新聞の社会部記者はこう解説する。
「石川容疑者は今年1月下旬にマッチングアプリを通じて女性A子さんと知り合い、2月上旬に初めて顔を合わせました。その後、何度か食事や映画などデートを重ねた後、4月上旬に石川容疑者の方から『付き合ってほしい』と告白し、交際に発展。そして5月1日に事件は起きました」
交際開始から半月ほどは関係は良好で、その時点では石川容疑者が肉体関係を要求することもなかったという。しかし事件当日の5月1日、「家で映画を見よう」と誘い、A子さんは初めて容疑者の自宅を訪れた。
犯行現場となった石川容疑者の自宅 文藝春秋
「A子さんが石川容疑者の家に入ると映画を見るはずのテレビがなく、不信感を覚えたようです。しばらくは2人でお酒を飲みながら談笑していたのですが、不意にベッドに抱き寄せられてキスをされ、A子さんは『体を目的に呼ばれたんだ』と気づき、石川容疑者を両手で押しのけて拒否しました。すると石川容疑者も一度は納得した様子で部屋を出て、戻った時には2つのマグカップを持っていました。『休んだほうがいいよ』と手渡されたホットミルクティーをA子さんが飲み、立ち上がろうとしたところで意識を失ったようです」
石川容疑者がA子さんに渡したミルクティーには、睡眠導入剤が溶かされていた。
「A子さんは意識が朦朧としていたものの、ズボンを脱がされ石川容疑者が覆いかぶさってくる記憶は断片的に残っていたようです。そして意識が戻ったときに石川容疑者が隣で体を拭いているのを見て、性行為をされたと悟ったようです」(前出・社会部記者)
A子さんは性被害を確信したものの、石川容疑者の逆上を恐れて指摘はしなかったという。石川容疑者も、何食わぬ顔でA子さんを最寄り駅まで見送った。A子さんはその日のうちに友人に相談して警察に通報、翌日の早朝に巣鴨署に正式に被害を訴えた。
石川容疑者は犯行に使った睡眠導入剤について「通院していた時に処方された睡眠薬です」と説明。捜査では「ミルクティーに睡眠薬を入れて眠らせて、同意なく性行為に及んだことは間違いない。飲ませれば、緊張がほぐれてリラックスできると思った」と容疑を認めている。
石川容疑者が住む西巣鴨の近隣住民は、「ちょっと怖かった」と印象を語る。「(自宅に近い)コインランドリーへ20時くらいに行くとよく見かけました。イヤホンをしたまま漫画を読んでいたり、スマホでゲームをしていた気がします。画面に向かって『くそ!』『ちっ』と独り言が多く、ちょっと怖い印象でした。今年の夏くらいに一度誰かと電話で話していることがあったのですが、その時はいつもと違う猫なで声で『そういう時はこうするといいよ』と何かアドバイスをしているようでした。相手は女性だろうなと思った記憶があります」「どうせばれないだろうと思った」 準強制性交での逮捕から1カ月後の再逮捕は、給付金詐欺の疑いだった。“ホットミルクティー性的暴行事件”と同時期の4月中旬~6月中旬にかけて、無職を装って自宅のある豊島区に対して新型コロナウイルス対策の給付金「生活困窮者自立支援金」を申請し、現金18万円をだまし取った疑いがかけられている。 石川容疑者は渋谷区役所で支援金給付の業務を担当しており、その知識を悪用しての犯罪だった。「石川容疑者が渋谷区の職員になったのは2021年4月で、今年で2年目。ずっと福祉部の生活福祉課に所属していて、昨年度は給付金義務の担当だったので給付金申請に関する知識はあったと見られています。同時期に別の臨時給付金も申請をしていましたが、豊島区による審査の過程で虚偽であることが発覚。7月に豊島区が目白署に相談し、水面下で調査が続いていました」(前出・社会部記者) 石川容疑者は逮捕後の捜査でこちらの容疑も認め、「どうせばれないだろうと思った」「歯の矯正代や歯のクリーニング代、ジムの月額費などに使った」と供述しているという。給付金について「困ったらいつでも聞いてもらって構わないっす」「石川容疑者は給付金申請の知識に自信を持っている様子だった」と語るのは、会えば挨拶を交わす仲だったという近隣住民だ。「1年くらい前に、ワクチンの接種やらコロナの給付金やら申請する必要があることが多い時期に、石川くんに『あなたはちゃんとやったの?』と聞いたことがありました。私が、仕組みが難しいから困るとぼやいたら『困ったらいつでも聞いてもらって構わないっす』と言っていました。育ちがいい子という印象でしたが、役所の職員さんだったんですね。たかが18万円で安定した将来を棒に振ったのはかわいそうだけど、詐欺はダメですよね…」 渋谷区役所職員の年収は高く、サラリーマンの平均を上回っている。モデルケースでは41歳で年収633万円となっており、地道に働けば石川容疑者にも明るい未来が待っているはずだった。 職員が2度も逮捕されたことを受け、渋谷区長の長谷部健氏は「度重なる事件で極めて遺憾であり、当該職員に対しては厳正に処分するとともに、職員に対しては信用回復に向け規範意識の徹底を指示してまいります」とコメントを発表している。 区役所職員への信頼を裏切る2つの事件。信頼回復は急務だ。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
石川容疑者が住む西巣鴨の近隣住民は、「ちょっと怖かった」と印象を語る。
「(自宅に近い)コインランドリーへ20時くらいに行くとよく見かけました。イヤホンをしたまま漫画を読んでいたり、スマホでゲームをしていた気がします。画面に向かって『くそ!』『ちっ』と独り言が多く、ちょっと怖い印象でした。今年の夏くらいに一度誰かと電話で話していることがあったのですが、その時はいつもと違う猫なで声で『そういう時はこうするといいよ』と何かアドバイスをしているようでした。相手は女性だろうなと思った記憶があります」
「どうせばれないだろうと思った」 準強制性交での逮捕から1カ月後の再逮捕は、給付金詐欺の疑いだった。“ホットミルクティー性的暴行事件”と同時期の4月中旬~6月中旬にかけて、無職を装って自宅のある豊島区に対して新型コロナウイルス対策の給付金「生活困窮者自立支援金」を申請し、現金18万円をだまし取った疑いがかけられている。 石川容疑者は渋谷区役所で支援金給付の業務を担当しており、その知識を悪用しての犯罪だった。「石川容疑者が渋谷区の職員になったのは2021年4月で、今年で2年目。ずっと福祉部の生活福祉課に所属していて、昨年度は給付金義務の担当だったので給付金申請に関する知識はあったと見られています。同時期に別の臨時給付金も申請をしていましたが、豊島区による審査の過程で虚偽であることが発覚。7月に豊島区が目白署に相談し、水面下で調査が続いていました」(前出・社会部記者) 石川容疑者は逮捕後の捜査でこちらの容疑も認め、「どうせばれないだろうと思った」「歯の矯正代や歯のクリーニング代、ジムの月額費などに使った」と供述しているという。給付金について「困ったらいつでも聞いてもらって構わないっす」「石川容疑者は給付金申請の知識に自信を持っている様子だった」と語るのは、会えば挨拶を交わす仲だったという近隣住民だ。「1年くらい前に、ワクチンの接種やらコロナの給付金やら申請する必要があることが多い時期に、石川くんに『あなたはちゃんとやったの?』と聞いたことがありました。私が、仕組みが難しいから困るとぼやいたら『困ったらいつでも聞いてもらって構わないっす』と言っていました。育ちがいい子という印象でしたが、役所の職員さんだったんですね。たかが18万円で安定した将来を棒に振ったのはかわいそうだけど、詐欺はダメですよね…」 渋谷区役所職員の年収は高く、サラリーマンの平均を上回っている。モデルケースでは41歳で年収633万円となっており、地道に働けば石川容疑者にも明るい未来が待っているはずだった。 職員が2度も逮捕されたことを受け、渋谷区長の長谷部健氏は「度重なる事件で極めて遺憾であり、当該職員に対しては厳正に処分するとともに、職員に対しては信用回復に向け規範意識の徹底を指示してまいります」とコメントを発表している。 区役所職員への信頼を裏切る2つの事件。信頼回復は急務だ。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
準強制性交での逮捕から1カ月後の再逮捕は、給付金詐欺の疑いだった。“ホットミルクティー性的暴行事件”と同時期の4月中旬~6月中旬にかけて、無職を装って自宅のある豊島区に対して新型コロナウイルス対策の給付金「生活困窮者自立支援金」を申請し、現金18万円をだまし取った疑いがかけられている。
石川容疑者は渋谷区役所で支援金給付の業務を担当しており、その知識を悪用しての犯罪だった。
「石川容疑者が渋谷区の職員になったのは2021年4月で、今年で2年目。ずっと福祉部の生活福祉課に所属していて、昨年度は給付金義務の担当だったので給付金申請に関する知識はあったと見られています。同時期に別の臨時給付金も申請をしていましたが、豊島区による審査の過程で虚偽であることが発覚。7月に豊島区が目白署に相談し、水面下で調査が続いていました」(前出・社会部記者)
石川容疑者は逮捕後の捜査でこちらの容疑も認め、「どうせばれないだろうと思った」「歯の矯正代や歯のクリーニング代、ジムの月額費などに使った」と供述しているという。
「石川容疑者は給付金申請の知識に自信を持っている様子だった」と語るのは、会えば挨拶を交わす仲だったという近隣住民だ。
「1年くらい前に、ワクチンの接種やらコロナの給付金やら申請する必要があることが多い時期に、石川くんに『あなたはちゃんとやったの?』と聞いたことがありました。私が、仕組みが難しいから困るとぼやいたら『困ったらいつでも聞いてもらって構わないっす』と言っていました。育ちがいい子という印象でしたが、役所の職員さんだったんですね。たかが18万円で安定した将来を棒に振ったのはかわいそうだけど、詐欺はダメですよね…」
渋谷区役所職員の年収は高く、サラリーマンの平均を上回っている。モデルケースでは41歳で年収633万円となっており、地道に働けば石川容疑者にも明るい未来が待っているはずだった。
職員が2度も逮捕されたことを受け、渋谷区長の長谷部健氏は「度重なる事件で極めて遺憾であり、当該職員に対しては厳正に処分するとともに、職員に対しては信用回復に向け規範意識の徹底を指示してまいります」とコメントを発表している。
区役所職員への信頼を裏切る2つの事件。信頼回復は急務だ。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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