一足早くサクラが咲いた。秋篠宮家の長男・悠仁さまが筑波大学(茨城県つくば市)の推薦入試に合格したことが、12月11日に発表された。だが、そのキャンパスライフを巡っては、数々の懸念点がみられる。
「悠仁さまが合格されたのは生命環境学群生物学類、国内最大規模の生物学科です。学校推薦型選抜入試を受験されたとのこと。試験科目は英語、生物の小論文、そして面接でした。幼いころから昆虫や生き物に関心をお持ちで、皇居や赤坂御用地に生息するトンボを調査し、論文にまとめられたことも話題になりました」(皇室ジャーナリスト)
同大学に昆虫に関わる研究室があることが、悠仁さまの進学の決め手となったとみられる。
「上皇陛下の弟の常陸宮殿下は学習院大を卒業後、東京大学大学院で研究生として学ばれました。しかし、高校卒業後すぐ国立大学に進学されるのは、戦後の皇位継承権のある男性皇族としては悠仁さまが初めてです」(前出の皇室ジャーナリスト)
皇室事情に詳しい名古屋大学の河西秀哉准教授は、かねて噂されていた東京大学進学よりも「よかった」と語る。
「日本最難関の東大を他の受験生と同様、一般入試で合格できれば世間の印象は良いかもしれません。ただ、東京大学の推薦入試を受けていた場合、書類選考だけではなく、大学入学共通テストを受ける必要がありますが、その結果合格したとしても、一部の人々の間で忖度されて最難関大学に合格したという“疑念”が残っていたことでしょう。今回、悠仁さまご自身がやりたい研究を選び、そのために筑波大へのご進学を決めたのは良い判断だったと思います」
国立大は私立大より学費が安く、使われる“税金”は抑えられるはずだ。しかし、SNS上では今回の筑波大学進学について、批判的な書き込みも投稿されていた。
「悠仁さまが受けられた推薦入試は非常に難関です。筑波大学の附属高校出身だからといって、安易に合格できるわけではありません。合否を判断する教員たちもその分野のプロフェッショナルですし、生半可な知識では合格を出しません。なにより忖度はしません」
そう話すのは、筑波大学の大学院に通う洋平さん(仮名)。悠仁さまが進学予定の学部とは異なるが、同じ推薦試験を受けて入学した経験がある。
「推薦要件の一つとして、学習成績概評Aランク以上、評定平均4.3以上、または一般選抜に合格できる程度の学力を有することが求められています。これは高校1年生の時から計画的に努力しなければ達成できない基準です。思い付きや忖度で推薦を受けるのは困難です。
悠仁さまは勉強を頑張ってこられて、さらに研究にも熱意と問題意識を持たれて取り組んできた結果でしょう。中傷的な言葉も見かけますが、大学に合格したばかりの18歳の高校生にかける言葉ではないと思います」(洋平さん)
悠仁さまは、そうした世間の声からも距離を置きたかったのではないか、として、洋平さんが続ける。
「筑波には悠仁さまの分野に関しても、潤沢な資料と存分に学べる環境が整っています。大学のランクではなく、純粋に学びたい内容を優先したのだと思います」
一方で、皇族が伝統的に進学される学習院大学ではダメだったのだろうか。
「私は学習院に元々は進学すればいいと考えていました。ただ、ご両親である秋篠宮さまご夫妻が行かせたくなかったともいわれています」(河西准教授)
前出の洋平さんの述べたように、筑波大なら最先端の研究ができる。学習院大には理学部があるが、研究内容や設備などに圧倒的な差がある。ただし、悠仁さまの目指すところは、研究職や研究機関への就職ではないはずだ。
筑波大に皇族を受け入れた経験はなく、これが初めてのケースだ。同校のOBは、「歓迎、というよりも心配な気持ちの方が勝っています」とその胸中を吐露する。
「本人も大変でしょうが、周囲も大変だと思います。一番の課題はセキュリティの問題です。筑波大学はキャンパスが広大で林や池もあります。人が潜むことができるところはいくらでもあるんです。常に警備が張り付いているのも現実的ではありません」(同大のOB)
筑波大学の筑波キャンパスは、教室だけではなく屋外運動場や農場、植物園、林や池まである。大学単一キャンパスとしては国内第2位の規模を誇る。地域にも開かれた大学であり、学外の人も気軽にキャンパス内に出入りできるという。
「地元の方が散歩やジョギングをしている姿をよく見かけます。オープンな雰囲気も筑波大の魅力です」(筑波大の女子学生)
良さでもあるその開放感は、いざ要人を迎え入れた際の不安材料になる。つまり、悠仁さまの筑波大入学を巡って特に心配されているのが、警備の問題なのである。
「合格発表のあと、ニュースで『大学の門』と紹介されていましたが、世間一般的なイメージの門が筑波大にはありません。知らない間に校内に入っている感じなんです」(筑波大の男子学生)
2019年には、当時悠仁さまが在席されていたお茶の水女子大学附属中学校の教室で、机の上に刃物が置かれる事件も発生した。将来の天皇となられる悠仁さまには常にテロのリスクも伴う。
「テロリスト、という表現は行き過ぎかもしれませんが、天皇制に反対する人や不審な人物が学内に潜んでしまう可能性はゼロではありません。卒業生として、セキュリティ面が心配なんです。
監視カメラなどを増設するでしょうし、警備員も増員させるでしょう。そうした費用をどこが出すかも問題です。宮内庁なのか、大学なのか。筑波大は国立ですし、他の学生にその費用を負担させるわけにはいきません」(前出の同大OB)
広大なキャンバスでの移動は、多くが専用のバスか自転車を利用している。そのため、マイ自転車を所持する学生がほとんどで、敷地内のいたるところに駐輪場が設けられている。
「学習院大であれば警備のノウハウもあり、広さも筑波大より圧倒的にコンパクトです。警備は悠仁さまだけではなく、ほかの受講生や学生を守る意味でも必要です。
悠仁さまがいることで万が一、危害が加えられたら大学としても責任問題に発展しかねません。学生を守る意味でも大学側は警備体制の徹底が求められるでしょう」(河西准教授)
頭を悩ませる問題はほかにもある。自宅から毎日長い時間をかけて筑波まで通うとしたら、天皇になるための教育や公務の時間をいかにして確保するのだろうか――。
つづく後編記事『悠仁さま、筑波大には「東京から通学」で…いま懸念されている「公務・帝王学」の行方』でさらに詳報します。
悠仁さま、筑波大には「東京から通学」で…いま懸念されている「公務・帝王学」の行方