神戸市北区の自宅アパートで、中学3年生の次男に褥瘡(じょくそう)・いわゆる「床ずれ」があると分かっていたにもかかわらず、適切な医療措置を受けさせずに全治1年間の傷害を負わせたとして、38歳のパート従業員の母親が逮捕されました。 警察によりますと、母親は遅くとも今年7月下旬から9月にわたって、同居する中学3年生の次男の体に床ずれがあると分かっていたにもかかわらず、適切な医療措置を受けさせずに全治1年間の多発性褥瘡などの傷害を負わせた、保護責任者遺棄傷害の疑いがもたれています。
次男は重度の障がいでほぼ寝たきり状態でしたが、介助を受けながら特別支援学校に通っていたということです。 しかし、7月下旬に「約2年間登校せず、全く母親と連絡が取れない」と特別支援学校から警察に連絡がありました。警察が確認に向かったところ、次男は少し痩せていたものの受け答えははっきりしていて、児童相談所に「ネグレクトの可能性がある」と通告しました。 その後、児童相談所が母親に会おうとしたものの一向に連絡が取れず、ようやく面談ができた9月には、次男の背中・腰・脚に悪化した床ずれを確認したということです。 次男は救急車で病院に運ばれて入院し、診察した医師から「放置すれば命の危険もあった」と連絡を受けた児童相談所が警察に通報して事件が発覚しました。 取り調べに対し母親は「病院に連れて行かないといけないと思っていましたが、余裕がありませんでした」と、容疑を認めているということです。 家族は母親・高校生の長男・次男の3人暮らしでしたが、母親は仕事のためほぼ1日中外出していて、長男が次男の食事などの面倒を見るいわゆる“ヤングケアラー”状態が続いていたということです。次男は標準体重の半分ほどまでやせ細っていました。 関係者への聞き取りで、母親は「育児に悩んでいた」との話もあるということで、警察が当時の状況を詳しく調べています。