兵庫県の内部告発対応「不適切」67%、斎藤県政「評価」60%…読売世論調査

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兵庫県知事選(17日投開票)について、読売新聞社が実施した世論調査では、新人で前同県尼崎市長の稲村和美氏がややリードし、前知事の斎藤元彦氏が追う展開だった。
知事選が実施されるきっかけとなった斎藤氏に関する内部告発問題や約3年間の県政を、有権者がどう評価するかが注目される。
内部告発問題を巡っては、前県西播磨県民局長の男性職員(7月に死亡)が3月、斎藤氏のパワハラなどの疑惑を指摘した告発文書を報道機関などに送付。県は男性職員を県民局長から解任し、5月に停職3か月の懲戒処分とした。
問題への対応が適切だったと思うかを尋ねたところ、「思わない」(67%)が、「思う」(18%)を大きく上回った。「思わない」と回答した人の4割強が稲村氏を、「思う」と回答した人の7割強が斎藤氏を支持した。
斎藤氏の県政については、「大いに」(14%)と「多少は」(46%)を合わせ、60%が「評価する」とした。一方で、「全く」(13%)と「あまり」(24%)を合わせた37%が「評価しない」と答えた。
「評価する」と回答した人の4割弱が斎藤氏を、「評価しない」と答えた人の5割強が稲村氏を支持した。
「選挙の争点として重視したい問題」(複数回答)については、「医療や福祉政策」(83%)や「物価高対策」(81%)、「教育や子育て支援策」(66%)を選んだ人が多かった。「斎藤前知事の内部告発問題」は51%だった。
主な候補者は、内部告発問題や、斎藤元彦氏の在任中の肝いり政策について論戦している。
新人で前参院議員の清水貴之氏は問題で県政が混乱したとし、「職員や議会とコミュニケーションを取り、県政を立て直す」と語る。
稲村和美氏は内部告発への県の対応を批判し、知事も対象とした「ハラスメント防止条例」の制定などを掲げている。
斎藤氏は問題について、「反省するべきところは反省する」とし、公益通報窓口の外部設置や知事らのハラスメント研修を訴える。
新人で医師の大沢芳清氏も、公益通報窓口の外部設置の必要性を強調し、ハラスメントの研修や相談体制を充実させるとしている。
斎藤氏が推進して今年度に始まった県立大の授業料無償化は、関連費用を盛り込んだ新年度当初予算案が可決された3月の県議会で、一部の県議から「恩恵を受ける人が限定的だ」と批判を受けた。
清水氏は、無償化の考え方には賛成する一方、反対する県議らの理解を得るため、課題を整理する必要性を呼びかけている。
稲村氏は、対象者が限られる無償化より、幅広い学生への支援制度の創設を目指し、高校授業料の負担軽減策も検討するとしている。
斎藤氏は無償化を今後も推進する方針で、「人口減の時代だからこそ、若者を応援する施策が重要だ」と訴えている。
大沢氏は、対象を県内の学生以外にも拡大することを目指すほか、県独自の給付型奨学金の創設を提案している。

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