IT化された現代は衆人環視の社会です。例えば、GPS付きのスマホで現在の居場所、ネット上のSNSで昨日の様子、交通系の電子マネーで平日の移動など。オンライン上で消せない「足跡」だらけです。
数ある秘密をすべて墓場まで隠し通すのは年々、難易度が上がっています。それでも秘密を抱える人は一定数、存在します。どうしたら隠せるのかをいつも考えているので、隠匿の手口はますます巧妙になるばかりです。
一例を挙げるとQR決済のチャット機能。具体的には自分の残高を相手へ送る際、相手との間でチャットを使ってやり取りをすることが可能です。スマホ内に自分と相手しか分からない密室空間なら秘密が守られます。仮に秘密の内容が「不倫」なら、このチャット機能でデートの約束(いつ、どこで、何をするなど)を交せば、一見すると安全そうです。
しかし、本当に大丈夫なのでしょうか?
利便性だけ考えるとスマホ一台にすべての個人情報を集約するのは手間が省けます。
逆にいえば、スマホの中身に潜入された場合は非常に危険です。いとも簡単に「秘密」を暴かれるのでリスクヘッジ上はおすすめできません。
筆者は行政書士、ファイナンシャルプランナーとして夫婦の悩み相談にのっていますが、今回の相談者・島津剛広さんも思わぬ形で「妻の秘密」を知ってしまった一人です。
なお、本人が特定されないように実例から大幅に変更しています。また不倫の証拠や離婚の経緯などは各々のケースで異なるのであくまで参考程度に考えてください。
<相談者の属性(すべて仮名)>
夫:島津剛広(37歳・地方公務員・年収600万円)
妻:島津恵梨香(34歳・看護師・年収500万円。ニックネーム『エリリン』)
チャットの相手:藤本淳(年齢不明、職業不明、住所不明、ニックネーム『ふじぽん』)
剛広さんは「妻はもともとネット通販で買い物をするのが趣味なんです」と言います。
しかも最近は「ポイ活」にハマっており、その時々で多くのポイントを獲得できる決済方法を選ぶほど熱心な様子。特にPayPayを利用する際は自宅のパソコンを操作し、パソコンの画面上のQRコードをスマホで読み取り、PayPayの残高で支払います。剛広さんは「その様子は僕の目からも見えました」と振り返ります。
ある夜のこと。妻はいつも通り、ネット通販を楽しんでいたのですが、途中で立ち上がり、スマホをロックしないまま、トイレに向かったのです。
スマホはあまりにも無防備な状態。剛広さんは「もちろん、夫婦とはいえプライバシーを守らなければならないことは分かっています」と懺悔します。それでも魔が差したのでしょうか。妻のスマホを思わず、見てしまったのです。そこには「ある男」との会話が表示されていました。
「エリリンはいつもどういう感じ?デートしてから?それとも食事してからでしょうか?」「ふじぽんに任せるよ。ご飯とかデートはどっちでもいいよ」
ここでいう『エリリン』とは妻の呼び名です。会話の行間からは、ふたりがただならぬ関係であることが読み取れます。
つまり、妻はネット通販の決済をPayPayで行っていたのではなく、その男に残高を送るふりをして、チャット機能を利用し、不倫デートの約束をしていたのです。確かにQR決済のPayPayでは残高を第三者へ送る際、チャット機能でやり取りをすることが可能ですが、残高の授受とは関係のない内容なので、それが隠れ蓑になっていたのです。
それにしても夫から半径1メートルの範囲で、不倫相手とやりとりをするなんて…、筆者は「奥さんはあまりにも大胆すぎませんか」と指摘しました。IT社会の「不倫の原因」―夫が妻の「密会現場」に乗り込んで戦慄した「妻のウラギリ」のヤバすぎる中身
つづきは、後編『IT社会の「不倫の原因」…夫が妻の「密会現場」に乗り込んで戦慄した「妻のウラギリ」のヤバすぎる中身』で詳しく見ていきましょう。
IT社会の「不倫の原因」…夫が妻の「密会現場」に乗り込んで戦慄した「妻のウラギリ」のヤバすぎる中身