都内の飲食店でパートとして働くAさんは、自営業の夫と2人暮らしをしています。20代前半で結婚して以来約30年間、周囲からも仲の良い夫婦として評判です。そんなAさん夫婦には、人から聞かれると驚かれる事情があります。それは夫が愛人を作ることを許可しているという点です。かといって夫婦関係が冷え切っているわけではなく、Aさんも夫も対して大きな愛情を注いでいます。なぜ夫に愛人がいても平気でいられるのか話を聞きました。
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ー夫の婚外恋愛を認めたのはどのようなきっかけだったのでしょうか
夫から「どうも自分は複数の人を同時に愛してしまう性格なのだと思う」と言われたのが最初のきっかけでした。これは結婚してから20年ほど経った時に言われた言葉です。さらに聞いてみると、夫は子どものころから同時に複数の人を好きになることが多かったというのです。それを聞いて「彼は彼で悩んできたんだな」って思っていました。
その話をして暫くしてから夫に「好きな人がいるから、彼女との付き合いを認めて欲しい」と言われます。最初は驚きましたが、私と一緒にいる時の時間を大事にしてくれるのであれば、別々の時間を過ごすことがあってもいいと考えました。この考えに落ち着いてからは、夫のことを好きになってくれた女性ってどんな人だろうと好意的に思えるようになりました。
ー実際に愛人と会っていることについてはどう思っているのですか
隠れて会われるよりはマシかなという感じです。とはいえ会ってどんなことしていたかまでは報告しなくてもいいですけどね(笑)。
ー許可をしてから変わったことはありますか
夫の機嫌がよくなりました。彼女との時間を大事にする分、私との時間も大事にしてくれています。これは普通の人ではあまり理解できないかもしれませんが、私としては満足です。夫婦の間の会話も増えましたし、以前よりも仲が良くなったと感じています。
ー最近あった愛人エピソードはありますか
最近夫が彼女にフラれてしまい、彼も大きく落ち込んでしまいました。その時に私は「こんないい人をフルなんてひどい!」と思ったのです。一般的には浮気をした夫に怒りを抱くものなのかもしれませんが、そういったものは私にはありませんでした。今は落ち込む夫を支えながら、新たな夫婦関係を構築していっている所です。
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既婚者向けメディアやネットサービスを展開するレゾンデートル株式会社は、既婚者男女2000人を対象にしたアンケート結果を2023年7月13日に公開しています。その結果によると、既婚者の4人に1人(22.5%)が「婚外恋愛」の経験があると回答しています。近ごろでは「セカンドパートナー」や「既婚者専用マッチングアプリ」の登場など、婚外恋愛への関心度も高まっています。とはいえAさんのように愛人を許せる人は少数派です。婚外恋愛にはリスクが伴うことを忘れてはいけません。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)