自分を虐待した母を「救いたかった」女性の半生。“不幸菌”をうつす気がして「友人の子どもにも触れない」

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X(旧Twitter)のスペースで流れてくるその女性の声は清涼感があり、聞く者を心地よさで包む独特の柔らかみがある。のしいか(@nosiikasan)さんだ。リスナーひとりひとりの名前を呼んで挨拶を欠かさない。落ち着いたトーンで、ゆっくりと語りかける。
その静寂さと裏腹に、彼女の半生は激動に満ちている。虐待される日々を必死で生き抜いた、虐待サバイバーだ。だが彼女は言う。「虐待を逃れて生き延びても、“虐待の終わり”は来ないんです」と。壮絶な日々とその後遺症に悩む姿を追った。

明らかな性被害だが、当時ののしいかさんはそれを認識できていない。高校生にもなると、自分でも知らない間に、性的なハードルはかなり下がっていた。

「家族に行き先を告げず、私は家出をしました。唯一居場所を教えていた友人が母の危篤を知らせてくれました。病院で見る母はチューブなどに繋がれ、大量の吐血があったことがわかりました。肝硬変を患い、食道の静脈から出血したというのです。母が亡くなってからも、母の親族と父の親族はいがみ合い、言い争いをする始末でした。葬儀のあと、私はまた彼らの前から姿を消すことにしました」

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