【清水 芽々】「インスタで人生を狂わせました」…キラキラ系の港区女子を演出してインスタ破綻!新大久保に「立つ」ようになった「24歳女性の告白」

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9月17日、アメリカのメタ(旧フェイスブック)はSNSのインスタグラムにおける18歳未満の利用制限を行う新機能を発表した。
これはアメリカにおいて、SNSを介する未成年者への性搾取が社会問題化していることへの取り組みであるが、日本を含む全世界を対象としており、来年の1月から移行作業が始まるという。
ここであらためて説明すると、インスタグラムは2010年にスマートフォン向けアプリとして開発されたSNS「インスタントテレグラム」を略した造語で、「その場ですぐ発信できる電報のようなサービス」という意味である。
画像や動画などのメディアコンテンツだけで投稿できる気軽さから、10代の若い世代を中心に幅広く活用されている。
「インスタ映え」という言葉が定着するように「見栄えが良い」「影響力がある」等の世界観の中で承認欲求を満たすユーザーも多いが、友人や知人の投稿を意識することによる焦りやプレッシャーから、慢性的な疲労感に苛まれるユーザーの「インスタ疲れ」も顕在化している。
このようにインスタはユーザーの日常に多大な影響力を持っているが、インスタに執着するあまり、生活だけでなく人生そのものを棒に振りかねない事態に陥った人たちもいる。
最初に登場するのは、都内在住の松島玲奈さん(仮名・24歳)だ。玲奈さんはインスタで「パーティーピープル」や「港区女子」など、キラキラ系のラグジュアリーな日常を演出するために、身の丈に合わないお金の使い方をして借金を重ねた揚句、自己破産している。
「私は地元の専門学校を卒業後、就職のために地方から上京して来ました。職場の当たり障りのない人間関係に物足りなさを感じていた私にとって、SNSは人脈といろいろな可能性を広げるための最大のコミュニケーションツールだったんです」(玲奈さん。以下同)
そんな玲奈さんがSNSの中から選んだのが、インスタだった。
「画像や簡単な動画だけで発信できるところが、文章や気の利いたコメントが苦手な私に合っていると思いました」
当初は食べたものや出かけた場所など、日常の一コマを投稿しては儀礼的な「いいね」に甘んじていた玲奈さんだったが、やがてバズりたい一心で映え投稿にこだわるようになる。
「ブランド品でもスイーツでも『新作』はいち早くチェックして購入していました。これが一番食いつきが良かったですね。あとは話題のスポットとか人気のファッションの紹介とか。『いつも参考にしています』とか『私も真似しちゃいました』なんてコメントがつくと、『なんか私の発信力すごくない?』みたいに思ってすごくテンションが上がりました」
身バレを避けるために加工だらけの自撮り画像を使い、“にわかインフルエンサー気分”を味わっていた玲奈さんだったが、そのために費やした時間とお金はバカにならない。
「お目当てのものを入手するために何時間も店舗に並ぶとか、ネット申し込みとか抽選のために1日中スマホにかじりつくとかはよくありました。値段を理由に諦めることはしたくなかったので、お金は湯水のように使っていました。映え写真を撮るために部屋のインテリアも変えましたし、画像を残して不要になった品物は転売して次の購入資金に充てていました」
そして手に入れたのが、1万3000人程のフォロワーだった。リーチ数が25万程まで伸びることもあり、手ごたえを感じた玲奈さんはますますやめられなくなった。
「資金をつくるために収益化したこともありました。その時は2ヵ月で16万円ほど入ってきました。でも収益化すると好感度が下がり、フォロワー数も減るので、嫌になってすぐにやめました」
玲奈さんの給料は手取りで月20万円程度だったが、インスタのためにつぎ込んだ金額は平均で毎月40万円以上にも及び、クレジットカードの限度額がいっぱいになるとまた新しいカードを作る…の繰り返しだったという。
「リボ払いでは追い付かず、消費者金融にも手を出して、返済が追い付かないときは、違法だってわかったうえでクレジットカードの枠を現金化していました。親にウソをついて仕送りもして貰い、なんとか自転車操業から抜け出そうとしましたが無理でした」
インスタで見せるリア充ぶりとは裏腹に、玲奈さんの経済状況は破綻していたが、それでもインスタへの依存を断ち切ることはできず、ついには新大久保に「立つ」ようになった――。
つづく後編記事「「行為の最中に首を絞められ、気づいたら切りつけられた跡が」…港区女子を演出してインスタ破綻!新大久保で「立った」24歳女性が「目を覚ました理由」」では、苦境に立たされた玲奈さんの「その後」について詳述します。
「行為の最中に首を絞められ、気づいたら切りつけられた跡が」…港区女子を演出してインスタ破綻!新大久保で「立った」24歳女性が「目を覚ました理由」

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