反対署名が1万2000筆超…なぜ悠仁さまの「東大推薦入学説」に逆風が吹くのか 専門家が明かす「学習院の特別扱い」との決定的な違い

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秋篠宮家の長男・悠仁さまは、どこの大学に進学されるのが皇族の伝統に照らし合わせてふさわしいのだろうか──。この点を巡って今、ネット上では広範な議論が巻き起こっている。何しろ「未来の天皇陛下たる悠仁さまが東大に、しかも推薦入試で進学されるべきではない」という署名活動も行われたほどなのだ。
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悠仁さまは2006年9月にお生まれになり、現在は17歳の高校3年生。全国屈指の進学高として知られる筑波大学附属高校に通われている。担当記者が言う。
「筑波大学付属高校は東京大学へ進学する生徒が多いことでも知られています。悠仁さまは大学進学を間近に迎えているということもあり、これまでに様々な大学が候補として報じられてきました。そして最近になって『悠仁さまは推薦制度を使って東京大学の農学部に進まれるのではないか』という報道が目立つようになったのです」
当然ながら、これが普通の高校生の話なら何の問題もない。だが悠仁さまとなると話は別だ。何しろ現状のままであれば、悠仁さまが皇位を継承される可能性は高い。そして、上皇さまも天皇陛下も、そして秋篠宮さまも学習院大学に進まれた。学習院は明治時代に皇族や華族の子弟に対する教育を目的に、旧宮内省の外局として設置された歴史を持つ。
「たとえ未来の天皇陛下であっても、一般の国民と同じように“自分の進路は自分でお決めできる環境が重要”という意見も決して少なくありません。その一方で、伝統を重視して『悠仁さまは学習院に進まれるべき』とネット上で訴える人も相当な数に達します。さらに『東大に進まれたいのなら、推薦ではなく一般入試を選んでいただきたい』という論調も目立ちます。皇族の方々には何よりも公正・公平性が求められ、推薦入試の場合は悠仁さまに対する東大側の“忖度”が議論されてしまう危険性があります。たとえ悠仁さまが実力で推薦入試に合格されたとしても、SNSなどで『東大が特別扱いした』と虚偽の投稿が行われる可能性はあります。その際、やはり国民は不信感を抱いてしまうだろうと憂慮する声も多いのです」(同・記者)
こうした様々な世論を背景として、「悠仁さまの東大進学はお止めいただきたい」という署名活動さえ行われたというわけだ。この活動はメディア側も詳報を行っている。例えば女性自身の電子版は8月27日、「『象徴天皇制も根底から揺るがす』悠仁さま 東大推薦入学への反対署名が1万2千筆超え…“特別扱い”への強まる逆風」との記事を配信し、活動の詳細を報じた。
「署名活動は8月からインターネット上で行われました。ところが、その主旨を説明する文書の一部に事実誤認や誹謗中傷が含まれていることなどを署名サイト側が指摘し、その事も含めてXなどネット上では話題を集めました。こうした経緯を踏まえ、女性自身は皇室担当記者の《2週間ほどで署名活動は終了しています》とのコメントを掲載しています」(同・記者)
確かに問題のある箇所も少なくないようだが、中には「その通り」と多くの賛同を集めた文章もある。特に“東大独特の校風”を指摘した部分は話題となり、ネット上で拡散している。その一部をご紹介しよう。
《紀子様とその周囲にいる人間たちが知らないことは、東大に入るまでも激しい競争があるが、東大に入ってからはもっと熾烈な競争が待ち受けているということである》
《いかに自分が洒脱で頭が良い事をひけらかすことが出来るか。これが東大に入ってから待ち受けている競争である。東大生だ、というプライドは、東大生になるともはや通用しなくなる。なぜなら、周囲にいるのは自分と同じ東大生ばかりになるからである。そこで生じるのは、東大生相互の頭の良さを巡る潰し合いである》
そしてこの文章は、悠仁さまを《この熾烈な潰し合いの世界に投げ込んでいいのであろうか?》と疑問を投げかけて終わっている。
「この説明文には様々な意見があるとは思います。とはいえ、やはり今の東大、かつての東京帝大は欧米列強にキャッチアップするため、エリート官僚を養成するための教育機関だったという事実は大きいのではないでしょうか。大日本帝国憲法下なら、天皇陛下の“臣下”を育てるための大学だとも言え、少なくとも“帝王学”とは無縁でした。まして学習院大学の教育姿勢に深刻な問題が指摘されているのなら別ですが、天皇陛下も学習院大学を卒業され、国民の敬愛を集めているのはご存知の通りです」(同・記者)
実は秋篠宮家の長女、小室眞子さんも学習院ではなくICUを卒業している。次女の佳子さまも学習院大学へ入学されるも中退し、再度、ICUに進まれた。「秋篠宮家は学習院を嫌っておられるのか?」という観点の記事も、一時期は相当な数が配信された。
デイリー新潮も2021年10月25日、「眞子さまがICUではなく学習院大に通われていたなら…日本人の皇室観の揺らぎと密接に関係する問題」との記事を配信した。
記事では皇室ジャーナリストの神田秀一氏が取材に応じ、「皇族が学習院大学に進学する意味と価値」について分かりやすい解説を行っている。そしてICUを東大に置き換えると、悠仁さまの問題とぴったり合致するのだ。
しかも神田氏は2006年から15年まで学習院女子大学の非常勤講師を務めていた。皇室記者として“外から見た学習院”だけでなく、内側も把握していたわけだ。それでは記事から、神田氏の指摘をご紹介しよう。
《「改めて申し上げますと、今の学習院は皇族や華族の教育機関ではありません。出願して入試に合格すれば、誰でも入学できます。ただ、私が勤務をスタートさせた時、関係者から『1868年の東京遷都から150年以上が経過しましたが、依然として京都には天皇家がお住まいになっておられた雰囲気が残っていると思います』と言われました。学習院は戦後、一般に開かれたとはいえ、かつての伝統はそう簡単には消えないというわけです」》
神田氏は「学習院の伝統」を様々な場面で感じ取ったというが、特に印象に残っているのは警備面だという。
《「学習院大学も学習院女子大学も、キャンパスを歩くと『あそこなら私服の警察官が隠れやすいだろうな』という場所がいくつもありました。実際、不審者の情報共有などは徹底していました。皇族が通われたことで対応策が構築され、そのノウハウの積み重ねが、一般の学生を守るために活用されていました」》(同・神田氏)
学習院大学は危機管理の意識が高い。この一言に尽きるだろう。担当記者のコメントをご紹介する。
《「警察関係者に取材したことがあるのですが、学習院大学のキャンパスはSPの導線が確保されているなど、警備に配慮した設計になっているそうです。一方、19年5月、悠仁さまが通われるお茶の水女子大附属中学校に男が侵入し、悠仁さまの机に刃物を置くという事件が発生しました。発生当初から『学習院なら起きない不祥事』と言われていました」》
警備という観点からも悠仁さまのお名前が出てくるのは非常に興味深い。それでは再び神田氏の指摘に戻ろう。
《「今の学習院大学に皇族の方は通われておりません。しかし、上皇さまや天皇陛下が学ばれた記憶を持つ職員は健在ですし、そのことについては教授も学生に、ことあるごとに言及しています。伝統は簡単に消えないだけでなく、学習院の中で伝統を残していこうという意識も高いのです」》(同・神田氏)
神田氏は記者として、学習院の初等科を取材した経験も持つ。その際、在学中の皇族への対応が強く印象に残ったという。
《「皇族の方が登校されると、さりげない雰囲気ではあるのですが、校長や教頭がお出迎えに出るのです。普通の児童には、そのような“特別待遇”は行われませんでした。これ見よがしのVIP待遇ではないものの、全ての児童を平等に扱うわけでもないことが垣間見えました。そのさじ加減というのが絶妙で、『なるほどこれが伝統の力か』と感心したことがあります」》
伝統を守っていただきたいという国民の願いは聞き入れられるのだろうか──?
デイリー新潮編集部

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