渋谷ハロウィーン、外国でも「すごく有名」「世界にない」…日本の警備「万全だと信じている」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

東京都渋谷区の渋谷駅周辺では31日夜、ハロウィーンの仮装を楽しもうという人たちが続々と集まった。
29日夜に韓国・ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で多くの若者らが死傷した事故を受け、警視庁は多数の警察官を配置し、厳戒態勢を敷いた。
渋谷区はコロナ対策として2020、21年に行っていた来訪の自粛要請をしていなかったが、この日午後、区のウェブサイトやSNSで「韓国と同様の事故が起こることを危惧している。騒がない、立ち止まらないなどのルールを守ることは当然、やじ馬的な来街も控えてほしい」と呼びかけた。
ただ、夕方になると一帯は多くの人であふれた。フィリピンから友人ら5人で訪れ、人気アニメのキャラクターになりきった観光客(31)は「渋谷のハロウィーンはすごく有名。こんなにエネルギッシュなお祭りは世界にないと思う」と話し、「事故は怖いが、日本の警備は万全で安全だと信じている」と言って人混みに消えていった。
仮装した日本人も多く、江戸川区のアルバイトの男性(21)は「迷惑にならない程度に楽しく過ごしたい」と話し、中野区の女性会社員(24)は「コロナで外出や旅行を我慢していた分、朝まではしゃぎたい」と興奮した様子だった。
スクランブル交差点で写真撮影を始める人の姿もあり、警察官が「立ち止まらず、ゆっくり前に進んでください」とたびたび注意した。中心部のセンター街は身動きがとれないほどの人出となり、友人3人と訪れた板橋区の女子高校生(17)は「韓国の事故を見た親に早く帰ってくるよう言われた」と渋谷駅に向かった。
区は19年にハロウィーン時の迷惑行為を防止する条例を制定し、渋谷駅周辺で夜間の路上飲酒を禁止。周辺のコンビニ店などにも酒類の販売自粛を求めている。ディスカウント店「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」でも31日夕、店員が酒の陳列棚をシートで覆った。
ハロウィーン客の迷惑行為に悩んできた渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長(81)は「事故は人ごとではなく、いつ渋谷で起きてもおかしくない」とした上で、「渋谷のハロウィーンについて考え直すべきだ」と語気を強めた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。