金正恩氏「なかなかお役に立てず、申し訳ない気持ち」…被災地の子供1万5400人を首都避難計画

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【ソウル=中川孝之】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は8~9日、洪水被害が出た北西部・平安北道(ピョンアンプクト)義州(ウィジュ)郡を訪れ、最大で計1万5400人の子どもらを首都平壌に避難させる計画を明らかにした。
朝鮮中央通信が伝えた。正恩氏は仮設テントで暮らす被災者を慰問し、住民を慈しむ指導者像が強調された。住民の不満が指導部に向かうことに神経をとがらせているようだ。
7月の鴨緑江氾濫を受けて正恩氏が被災地入りしたのは2回目で、専用列車で支援物資を運んだという。
9日に住民らを前に行った演説で住宅などの復旧に2~3か月かかるとの見通しを語った。「被災した児童、生徒の全員を平壌に移し、国家が全てを負担し、安全で便利な環境で保育と教育を提供する」と約束した。「なかなかお役に立てず、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」とも語った。
平安北道、慈江道(チャガンド)、両江道(リャンガンド)の子どもや病人、高齢者も平壌に避難できるとしており、鴨緑江沿岸の広い地域に被害が広がっていることをうかがわせた。
他国や国際機関から提供の意向が示された人道的支援には謝意を表しつつも受けない方針を示し、復旧作業は「我々の国家の潜在力に頼る」と述べた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。