大雨や台風で「コインP」から出庫できない! でも駐車料金は「満額」支払うべき? 管理事業者に聞いてみた

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夏季は台風が発生し、全国各地が大雨に見舞われることがあります。
ときどき道路の冠水などによってコインパーキングからクルマを出庫できなくなる事例もみられますが、このような事情がある場合でも駐車料金を「満額」支払わなければいけないのでしょうか。
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夏の時期は台風が接近・上陸することにより、毎年全国各地で大雨が降っています。
気象庁が公表しているデータ(1991年~2020年の30年平均)によると、台風の発生数および接近数は8月、9月、7月の順に、上陸数は9月、8月、7月の順に多くなっています。
またJAFは2022年9月、東海地方を中心に被害をもたらした台風15号に関して、冠水によるロードサービスがわずか3日間で2000件を超えたことを明らかにしています。
このように豪雨の際にはクルマも大きな被害を受ける可能性があり、注意が必要といえるでしょう。
SNS上では実際に豪雨を経験した自動車ユーザーから「去年、駐車場が冠水して廃車になった」「雨がすごい勢いで降って駐車場があっという間に浸かった」などの声が聞かれました。
特にクルマをコインパーキングに駐車している場合、クルマの水没や付近の道路の冠水によって出庫できなくなることが想定されます。その間も駐車料金は加算されますが、自然災害によって出庫できないときでも駐車料金を支払わなければいけないのでしょうか。
結論から言うと、このような事情がある場合でもクルマのドライバー自身が駐車料金を負担しなければいけません。
以前、全国で時間貸駐車場「タイムズパーキング」を展開するパーク24株式会社 経営企画本部に取材をおこなった際、担当者は次のように説明していました。
「タイムズパーキングは、お客様の車両をお預かりするサービスではなく、駐車するためのスペースを提供するサービスになります。
弊社においては、この前提に沿った利用約款を定めており、駐車場内やウェブにて掲出しております。
つきましては、気象予報等で自然災害の可能性がある際には、安全な場所に車両を避難いただくなど、お客様自身で車両を管理いただければと存じます」
さらに、クルマの補償や駐車料金については次のように話していました。
「お客様自身での車両管理を前提として、それに起因した車両の損害や出庫不可については、当社の故意または過失がある場合を除いて補償の対象外になり、駐車中の駐車料金も発生いたします」
自然災害はコインパーキングの管理者側に落ち度があるワケではないため、大雨によるクルマの水没や道路の冠水によって出庫できない場合であっても、基本的に補償はされないものと考えておきましょう。
なお、冠水している状況でのクルマの移動について前出の担当者は次のようにコメントしています。
「万が一水没等により車両が動かせないなどのトラブルでお客様がお困りの際には、出庫対応などのサポートはさせていただきますので、コールセンターまでお問い合わせください」
ただし、災害時はあらゆる対応がひっ迫してしまうおそれがあります。
台風や豪雨などが想定される場合は事前に天気予報・ニュースをこまめに確認しておくほか、クルマを高台の敷地へ避難させるといった事前の対策が重要です。
また高架下やアンダーパスといった周囲よりも低くなっている場所は冠水しやすい傾向にあり、クルマを移動させる際には迂回したほうが良いでしょう。
ドライバーの中には冠水した道路を無理に進行する人もみられますが、クルマが浮いて動けなくなったり、エンジンの吸気口から水が入ってエンジンが停止してしまったりするケースも少なくありません。
たとえ水深が浅そうに見えても安易に通行しないことが大切です。
※ ※ ※
自然災害によってコインパーキングから出庫できない場合でも駐車料金を支払う必要があるほか、車両の損害は補償されません。
最近は数十ミリに及ぶ大雨も珍しくなく、短時間で駐車場が冠水してしまうことがあるため、早めの対策を講じておきましょう。

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