犁州のドン・ファン瓩噺討个譴浸饂魂箸量邵蟾助氏(77=当時)が2018年に急性覚醒剤中毒で死亡した事件で、殺人罪などに問われた元妻の須藤早貴被告(30)の控訴審判決が23日、大阪高裁(村越一浩裁判長)で開かれ、無罪とした一審判決を支持し、検察側控訴を棄却した。今後の焦点は、検察側が上告した場合の最高裁判断と野崎さんの遺言書の有効性を巡る民事裁判の行方となってきた。
一審で、須藤被告は「殺していない」と一貫して無罪を主張したのに対し、検察側は須藤被告が「完全犯罪」「老人 死亡」などをネットで検索した履歴や野崎さんと2人きりだった状況を立証した。地裁は野崎さんが誤って覚醒剤を摂取した可能性を否定できないとして、無罪判決を言い渡していた。高裁でも「被告が野崎さんに不信感や違和感を持たれることなく、致死量を超える覚醒剤を摂取させることは容易ではない」として、一審判決を維持した。
検察側が最高裁に上告しなければ、須藤被告の無罪が確定するが、判決に不服として、上告する公算が大きい。最高裁で確定するまでには1年以上を要するとみられるが、須藤被告は既に保釈されていた。24年12月の一審判決時は別件の詐欺罪で懲役3年6月の実刑判決が確定していたが、未決勾留日数が差し引かれ、昨年中には刑期を満了していたとみられる。この日はトレードマークとなっているロングヘアをなびかせ、サングラス姿で代理人とともにタクシーで高裁前に到着し、出廷していた。
最高裁で無罪となった場合、同時に注目されるのは野崎さんの遺言書を巡る裁判だ。野崎さんは生前、「全財産を田辺市にキフする」との遺言書を残し、無効を訴える野崎さんの親族と田辺市の間で裁判が行われている。一審、二審ともに親族側の訴えを棄却しており、最高裁の判断待ちとなっている。
須藤被告は殺人罪で有罪となった場合は相続権を失うが、無罪となれば、状況は一変する。遺言書が無効となった場合は遺留分で4分の3に当たる約10億円前後、有効となった場合でも、半分の約6億5000万円を相続できる。18年の事件発生から8年。異例の展開が続いたドン・ファン事件はどんな結末を迎えることになるのか。