「酒……。酒を体に入れないと!」
コンビニに駆け込み、「ストロング系」と呼ばれる缶チューハイを買い、そのまま胃に流し込む。ようやく吐き気も震えも止まる。完全にアルコール依存症の状態だ。それを1日に何度も繰り返す。

そんなことを考えていると、また虚無感に襲われてしまう。だから、酒を飲む。この辛い現実から逃げたいのだ。でも、死ぬような勇気はないから、酒を飲んでふわふわした状態になっていたい。最悪、酒飲んで体を壊せば、この世から抜け出せる……。

嫌な現実から目を逸らすため、辛いことを忘却するために、酒でめちゃくちゃな生活を送りながらも仕事に打ち込む。

仕事を取り上げられたら、それこそ生き甲斐がなくなる。そしたら酒を飲まなくなるのだろうか? そんなことはない。

筆者がここまで極端な考え方になったのは酒のせいではなく、学生時代に経験したアルバイトが人生観に影響していると思う。

これを下回ると酩酊くらいで終わってしまい、超えてしまうとたった数gなのにもかかわらず、翌日は二日酔いに襲われるのだ。

どのように計算していたかというと、当時、スマートフォンに沖縄県が開発した「うちな~節酒カレンダー」という、日々の飲酒を記録するアプリを入れていた。

◆「裁量労働制」に歓喜しつつ、ビデボに泊まる夜も

仕事の苦痛から逃れるために、酒を飲んでいたわけだが、4年も経つと、ようやく記事の作り方のコツを掴み、それなりに「使える」編集者になったため、自分を卑下することはなくなったが、その分、仕事量が増えた。ただ、それが「期待されている」という気持ちに変わり、ますます仕事に生き甲斐を感じて、グビグビと酒も飲んだ。

しかし、世界が大きく変わる出来事が発生する。新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大だ。

筆者のいた月刊誌も本来は東京五輪があることから、2020年は夏に1号休みになるという話だったのだが、緊急事態宣言が発令されて以降、流通網が機能しなくなったため、なんだかんだで2カ月に1回の発行になってしまった。隔月誌である。さすがに、それを聞いた日はショックでストロング系をもう1本追加で飲んだ。翌日は吐いた。

そして、刊行ペースも変われば、働き方も変わる。出社をできるだけ避けるようにして、テレワークということで家で仕事をすることになった。

コロナウイルスは毎晩9%のアルコールを何本も飲むことで退治できるため、菌が酒に勝てるわけがない(※すべて筆者の妄想です)。あるいはタールが多く含まれたタバコで除菌していたのかはわからないが、こんな生活をしているにも関わらず、コロナには感染しなかった。

ただ、マジメに外出自粛や密を避けて生活をしていた人たちが、コロナに感染したのを聞くと、なぜだか申し訳ない気分になった。