2月8日投開票の衆議院選挙。日本テレビでは「投票前に考える それって本当?」と題し、選挙の際にあふれるさまざまな情報とどう向き合っていくべきか考えます。選挙戦も中盤になり、各党がSNSでより多く自分たちの主張を拡散してもらおうと呼びかけていますが、中には一部の党首から、以前と比べて「全然拡散されない」と伸び悩みを嘆く声も出ています。今回は、「選挙バズり投稿」について、日本テレビ報道局・小栗泉特別解説委員が解説します。

■「X」のアカウント17件で“不審な動き”──SNSで拡散され、バズっている選挙に関する投稿は、本当に有権者が興味をもって広めた情報なのでしょうか?どうやら、そうでもなさそうなんです。私たちが情報分析会社「ジャパン・ネクサス・インテリジェンス」を取材すると、17件の「X」のアカウントで“不審な動き”があることがわかりました。◇そのうちの4つのアカウントの「投稿数の推移」です。去年11月から先月31日までの推移の「投稿開始の時期」を見ると、年明けにかけては、投稿はほとんど見られません。ところが、衆議院を解散して、事実上の選挙戦がスタートした日(23日)あたりから公示日にかけて、すべてのアカウントで投稿数が急増しています。■“不審アカウント”の「3つの特徴」とは?より詳しく見てみると「3つの特徴」があることがわかりました。まずは「人間離れした投稿数」です。例えばこちらのアカウント。大きく伸びているのが公示日翌日ですが、1日で2054件となっています。これは単純計算してみると1分間に1.4件ものリポストを24時間し続けたことになり、人ではなく、機械的な投稿の可能性があります。次に「アカウントの種類」。不審な動きのあった17のアカウントには、ほとんど活動していなかったいわゆる「休眠アカウント」を利用しているものもありました。中には15年以上前に開設し、その後休眠状態にあったものの去年12月に急に活動を始めたというものもありました。さらには「言語の変化」です。過去に英語で日常をつぶやく投稿をしていたアカウントが突然、政治に関する日本語の投稿をリポストし始める。こういった動きもあったそうです。■“不審”な投稿…その目的は?──どんな目的で、こうした投稿が行われているのでしょうか?情報分析会社「ジャパン・ネクサス・インテリジェンス」ヘッドアナリストの竜口七彩さんによると、誰がやっているのかまでは特定できないということですが、ひとつには「政治的な特定の主張を拡散する目的」が考えられるといいます。ただ17のアカウントが連携して、特定の政党を応援したり批判したりするために活動しているとは言いにくいとのことでした。一方で、今回の選挙とは関係なく「どの程度の投稿量であれば凍結されないのかということを、事前に検証するための“テスト運用”の可能性もある」と話していました。■専門家「確信ある情報以外、拡散控えるべき」──SNSを運営する会社は、何か対策を行っているのでしょうか?「X」は今年に入って表示などに関するルール「アルゴリズム」を最新のものにアップデートしています。そして、私たちの取材に「こういった問題に対して真剣に取り組んでいる」と回答しています。不審な拡散をされた投稿については、「トレンド」や「おすすめ」に表示しないなどの対応をとる可能性があるということです。情報学が専門の国立情報学研究所・佐藤一郎教授は「広く拡散しているからといって信頼性が高いわけではなく、信頼できると確信がもてる情報以外は、拡散は控えるべき」と話します。(2月3日放送『news zero』より)
2月8日投開票の衆議院選挙。日本テレビでは「投票前に考える それって本当?」と題し、選挙の際にあふれるさまざまな情報とどう向き合っていくべきか考えます。
選挙戦も中盤になり、各党がSNSでより多く自分たちの主張を拡散してもらおうと呼びかけていますが、中には一部の党首から、以前と比べて「全然拡散されない」と伸び悩みを嘆く声も出ています。
今回は、「選挙バズり投稿」について、日本テレビ報道局・小栗泉特別解説委員が解説します。
──SNSで拡散され、バズっている選挙に関する投稿は、本当に有権者が興味をもって広めた情報なのでしょうか?
どうやら、そうでもなさそうなんです。
私たちが情報分析会社「ジャパン・ネクサス・インテリジェンス」を取材すると、17件の「X」のアカウントで“不審な動き”があることがわかりました。
そのうちの4つのアカウントの「投稿数の推移」です。
去年11月から先月31日までの推移の「投稿開始の時期」を見ると、年明けにかけては、投稿はほとんど見られません。ところが、衆議院を解散して、事実上の選挙戦がスタートした日(23日)あたりから公示日にかけて、すべてのアカウントで投稿数が急増しています。
より詳しく見てみると「3つの特徴」があることがわかりました。
まずは「人間離れした投稿数」です。
例えばこちらのアカウント。大きく伸びているのが公示日翌日ですが、1日で2054件となっています。これは単純計算してみると1分間に1.4件ものリポストを24時間し続けたことになり、人ではなく、機械的な投稿の可能性があります。
次に「アカウントの種類」。
不審な動きのあった17のアカウントには、ほとんど活動していなかったいわゆる「休眠アカウント」を利用しているものもありました。中には15年以上前に開設し、その後休眠状態にあったものの去年12月に急に活動を始めたというものもありました。
さらには「言語の変化」です。
過去に英語で日常をつぶやく投稿をしていたアカウントが突然、政治に関する日本語の投稿をリポストし始める。こういった動きもあったそうです。
──どんな目的で、こうした投稿が行われているのでしょうか?
情報分析会社「ジャパン・ネクサス・インテリジェンス」ヘッドアナリストの竜口七彩さんによると、誰がやっているのかまでは特定できないということですが、ひとつには「政治的な特定の主張を拡散する目的」が考えられるといいます。
ただ17のアカウントが連携して、特定の政党を応援したり批判したりするために活動しているとは言いにくいとのことでした。
一方で、今回の選挙とは関係なく「どの程度の投稿量であれば凍結されないのかということを、事前に検証するための“テスト運用”の可能性もある」と話していました。
──SNSを運営する会社は、何か対策を行っているのでしょうか?
「X」は今年に入って表示などに関するルール「アルゴリズム」を最新のものにアップデートしています。そして、私たちの取材に「こういった問題に対して真剣に取り組んでいる」と回答しています。不審な拡散をされた投稿については、「トレンド」や「おすすめ」に表示しないなどの対応をとる可能性があるということです。
情報学が専門の国立情報学研究所・佐藤一郎教授は「広く拡散しているからといって信頼性が高いわけではなく、信頼できると確信がもてる情報以外は、拡散は控えるべき」と話します。