『すいません。これ、ニセモノっすよね……?』──動画共有アプリ・TikTokのユーザーが1月上旬に投稿した、焼肉店での動画。投稿者らが食事をしていたとみられる客席のカウンターの上を、ふっくらとしたネズミが動き回る様子が映されていた。
【写真を見る】「ネズミおるっすよ!」ふっくらとしたネズミがカウンター上を動き回る様子
当該のTikTokユーザーのアカウントでは、問題の動画が2つ公開されている。1つ目は『焼肉きたらねずみ落ちてきたWWWWW』というコメントにハッシュタグで『歌舞伎町』とも添えられ、動画にはカウンターの上でじっとしているネズミの姿が映っている。
2つ目の動画では、投稿者らが『え、すいません。これ、ニセモノっすよね……?』『ネズミおるんすよ』と店員に話しかける音声や、カウンターの上を歩くネズミが確認できる。一方、話しかけられた店員はキョロキョロしているが、客席に寄ってくる様子はなかった。動画を撮影した利用客が語る。
「1月2日のランチ営業時のことでした。突然ネズミが天井から降ってきてびっくりしました。店員さんを呼びましたが、しばらくの間全く対応してくれませんでした。みんなネズミを見て見ぬふりをしているようで……。
その後、一人の店員さんがネズミをタオルで掴んでゴミ袋に入れ、『申し訳ありませんでした』と伝えられましたが、そのテーブルで食事を続ける気にはなりませんでした……」
当該店舗は『新宿焼肉 ホルモンいのうえ』(東京)だという。飲食チェーン店に詳しいライターが解説する。
「同店は2023年8月にオープンした比較的新しい店舗で、不動産事業も手がける都内の会社が展開する初の焼肉店でした。SNS上でも話題となり、2024年末には2号店が展開されています。
同動画はX(旧Twitter)などでも拡散され、〈AIなんだろ?〉〈店員のこの態度はおかしい〉〈ネズミなんて何処にでもいるし入ってくる〉などといった声がありました」
衛生管理をめぐる飲食店の問題はたびたび話題になっている。前出のライターが続ける。
「昨年1月には大手牛丼チェーン『すき家』のみそ汁にネズミが混入。やはり生成AIなどを使用したフェイク画像を疑う声などもありましたが、同年3月に同チェーンが事実と公表しました。
『すき家』はその後、害虫・害獣の外部侵入および内部生息発生撲滅のための対策を実施するといった対応で信頼回復に努めてきましたが、事案発生から公表までにタイムラグがあったことも批判の要因となった。飲食店にとってネズミは避けられない”天敵”ですが、発生した際の対応が重要でしょう」
1月5日、NEWSポストセブンの記者が当該の店舗を訪れ、当日の様子について店舗責任者に話を聞いた。
–ネズミに関する動画がSNS上で物議を醸しています。
「(動画が撮影されたのは)昼の営業でした。(当該のネズミについては)殺処分としました。(その後、)専門の業者に来てもらって、消毒もしました」
–動画では、店員が客の訴えに反応していない点が批判されている。
「その時にいたのが外国人のスタッフで、日本語をちゃんと聞き取れていなかったので……そこにラグというか、コミュニケーションをとるのに時間がかかったということなんです」
NEWSポストセブンは運営元の会社にも上記の事実を確認したところ、文書でこう回答があった。
–動画は1月2日に撮影されたものでしょうか。
「事実です。ご心配とご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。当日ご来店いただいたお客様には大変なご迷惑と不快な思いをさせてしまいました。以下に記載の通り再発防止に取り組み対策を行っております」
–店員さんの対応が遅れてしまった理由を教えてください。
「当該スタッフについては来日半年ほどのスタッフでまだまだ日本語を勉強中のため、理解するまでに時間がかかってしまい、動画が切れた直後に店長が殺処分とお客様への対応を行い謝罪を行わせていただきました。ただ対応が遅れた点については事実であり、今後迅速な対応ができるよう教育とマニュアル作りを徹底してまいります」
–店舗としてどのように対応されたのでしょうか。
「1月2日に発生し、翌日専門業者へ依頼し同日夜時短営業とし22時以降に、店内全体(客席・厨房・トイレ・出入口等)に殺菌消毒を行いました。
かねてより定期的に専門業者にて対策をおこなっておりました。直近では2025年12月7日・21日に薬剤散布をおこなっており、今回のねずみについては薬剤の影響で弱っていたところで落下してきたものと推察しております」
–今後の対応について教えてください。
「発生から現在までの対応については下記の通りです。
1月2日 発生1月3日 報告と清掃業者への依頼と営業終了後の殺菌消毒の実施1月4日 弊社ホームページにて謝罪文と対応の掲載1月5日 保健所の調査を行っていただき、事実確認と対応について報告を行い営業停止等の指導には至りませんでした。1月6日7日 最終的な衛生環境の確認と対策を行うため営業を取りやめ専門業者にて除菌清掃と再発防止を徹底的に行う予定でございます。
今後は、定期的な専門業者による点検回数を増やすとともに、緊急時の対応マニュアルの作成と教育を徹底しお客様に安心してお食事を楽しんでいただける環境づくりに全力を尽くしてまいります。
以上改めましてこの度はお騒がせして誠に申し訳ございませんでした。何卒よろしくお願い申し上げます」
繁華街における害獣対策は、飲食店にとって一筋縄ではいかない難題だ。トラブルを隠さず、再発防止に取り組む同店の姿勢が、信頼回復への一歩となることを願いたい。