山口県の起業家が、厳選した国産素材でしょうゆベースのバーベキュー(BBQ)ソースを開発し、高い評価を得ている。
価格は、調味料としては破格の1本(360ミリ・リットル)3万2400円。道しるべとしたのは、幼い頃から親しんだ祖母のまろやか手作りソースだった。日本らしさを追求し、世界に誇れる逸品を目指している。(谷口善祐)
同県下松市の山本亜門さん(31)がBBQソースに着目したのは、大手人材サービス会社に在籍していた数年前。「海外で親しまれているBBQに、しょうゆベースのソースがマッチすれば商機が広がるのでは」。同社は副業が認められており、仕事をこなす傍らソースの試作を始めた。
食品開発の知識はなかったが、頼りの「味」があった。実家ではよくBBQをしており、決まって祖母の雲子(ともこ)さん(85)の手作りソースを付けていた。果物をふんだんに使い、市販品と比べて風味が良く、味もまろやか。「ほかにはない山本家のソウルフード」と語る。
雲子さんにレシピを教わり、リンゴやバナナ、柿などの果物、ベースとなるしょうゆなど、数十パターンの配合を家族に振る舞っては感想を聞いた。飲食店を経営していた父、大吉さん(60)らの助言で「高価でも口にしたい味」を求め、全国各地の生産現場に足を運び、高品質の材料を集めた。
清流が育んだ山口県岩国市の地酒、太陽の恵みが詰まった沖縄県産のアップルバナナ――。香川県産の伝統高級砂糖「和三盆」を混ぜると、上品な味わいに仕上がった。「雑味を減らしたい」と保存料は使っていないが、製造過程で高温で煮るため、半年間は品質を保持できるという。
昨年3月、地元に株式会社「ITADAKI」を創業し、ソースは「HIGH QUALITY JAPANESE BBQ SAUCE 刃YAIBA」と名付けた。「素材にこだわり抜き、研ぎ澄まされた味と品格を満喫してほしい」という思いを込めた。今年2月に東京で行われた「第37回グルメショー春2025」でフード部門の審査員特別賞を受賞し、国内外の飲食店などから発注があり、滑り出しは好調だ。
山本さんは「世界に誇れる日本の調味料にしたい」と話している。ソースは「ITADAKI」のホームページ(https://itadaki-yaiba.com/)から購入できる。