大阪・関西万博が閉幕してから1カ月半が経過した。開幕前は不評でチケットの売れ行きも芳しくなかったが、開幕すると評価が一転して大人気に。閉幕間際には、SNS上で会期の延長を求める声まであがった。
そんな184日間にわたる会期中に約4000万人が乗降したのが夢洲駅。大阪・関西万博のために新設されたOsaka Metro中央線の終着駅だが、閉幕後は様変わりしているようだ。スポーツ紙記者が明かす。
「現在の夢洲駅の様子がたびたびSNSに投稿され、注目が集まっています。開業したばかりの綺麗な駅のただっ広いコンコースがガラガラなのは異様な光景です」
現在の夢洲駅はどうなっているのだろうかーー。本誌は現地に向かった。
1カ月半前までは、行きも帰りも満員であった地下鉄中央線だが、記者が乗った車両で、終点の夢洲で降りた乗客の人数は5人ほど。開催中は人で溢れかえっていたが今は見る影もない。
夢洲駅の目の前にある万博の東ゲートに向かうも、白い仮囲いがされており、近づくことができなかった。
様変わりしてしまった夢洲駅にわざわざ訪れている人々は何をしに来たのだろうか。話を聞いてみた。
「万博は主人から『何回行ったら気が済むねん!』と呆れられるぐらい、90回近く行きました。すごく楽しかったので。
その分終わったあとは会場に来たくはなかったんです。なぜならパビリオンなどが解体されていくのを見たくなかったから。でも、もうあの大屋根リングも見ることが出来なくなると思うと、やっぱり遠くからでも見て、目に焼き付けておこうと。空いた日なんかに来ては眺めています。もう閉幕してから数回来ていますね」(40代女性)
なかには遠方から今の夢洲駅に訪れる人も。
「会期中は名古屋から月2回のペースで計13回ほど通いました。金銭的にも大変で、月2回が精一杯でしたね。最初はこんなに通うつもりはなかったのですが、初日に来てみて、あれも面白そう、これも見てみたい、イベントもたくさんあるとなって結局何回も。名古屋駅から直行の夜行バスに乗るなどして、移動費を節約していました。万博人気が高まるにつれて、夜行バスの料金も上がっていってしまいましたが……。万博が閉幕してから来るのは今日が初めてです」(30代女性)
一体なぜ閉幕後に名古屋から足を運んだのだろうか。
「SNS上にいる万博好きの間で、“アフター万博”がすごく盛り上がっていているんです。みんな略して“アフ活”って呼んでいます。
万博のコモンズ館に出展していた国が集まってイベントを開催していたことから始まって、それに倣ったイベントや、万博で販売していたグルメが食べることが出来るお店の情報を共有したりしています。
万博が終わった後も余韻を楽しもうと盛り上がっているんです。ですので、今回は“アフター万博を楽しむぞ”ということで大阪に来ました。オーストラリア館のラミントンというスイーツがすごく美味しかったので、それが食べられるお店にいって、味を懐かしみました。
他にもフランス館で販売していたパンと同じものが、期間限定で大阪駅にあるベーカリー『メゾンカイザー ルクア大阪店』で売っていて、購入するために朝九時半にお店に行きました。しかし『今日の分はもう売り切れました』って言われましたね。“アフ活界隈”でもあのパンをゲットするのは難易度が高いといわれていますね。
久しぶりに夢洲駅に降りて東ゲートまで来たのは、明るいうちに大屋根リングを見ておきたいと思って。東ゲートと書いてある文字を見た瞬間にこみ上げてくるものがあって、泣きそうになりました。一カ月半しか経っていないんだけど、すごく長い時間が流れてしまったような気がして。なにか久しぶりに自分の家に帰ってきたような気分になりました」(前出・30代女性)
根強いファンがいる限り、“アフター万博”は続いていく――。