早期のアルツハイマー病の進行を遅らせる効果が期待される治療薬「ドナネマブ」の投与を1年間、金沢大学附属病院で受けていた70代の女性に薬の効果が確認されました。
新たな治療方法に大きな期待が寄せられています。
金沢大学附属病院脳神経内科・小野賢二郎教授「これが1年後このあたりとか全部消えているアミロイドが除去されて認知機能や日常生活動作も1年間保持されていたと考えたいと思っています」
金沢大学附属病院で1日行われた経過説明。白山市に住む70代の女性は全国で初めて2024年11月からアルツハイマー病の治療薬「ドナネマブ」の投与を続けてきました。
投与期間が1年を過ぎたため、担当する脳神経内科の小野賢二郎教授から説明を受けました。
ドナネマブの投与を受けた女性「最初、こわいなという気持ちあり、いろいろな話聞くとそうなんだってわかり良かったと思います」
「ドナネマブ」はアルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβプラークを取り除く薬として、病気の進行を遅らせる効果が期待されている国内2例目の新薬です。
2023年認可されたアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」は2週間に1回の投与ですが「ドナネマブ」は4週間に1回と間隔が長く患者や家族の負担も軽減されています。
家族「ほっとしました。安心しました。元気で変わらず今の生活の質をできるだけ継続してすごしてもらえたら」
投与後に出血やむくみなどの副作用が見られるケースもあるということですがこちらの女性の場合は特に見られなかったということです。
今後は、3か月に1回経過を見ていくことにしています。
金沢大学附属病院脳神経内科・小野賢二郎教授「今回の患者さんに効いたからといって全てのアルツハイマー病の患者が同じ経過をたどるとは限らない。今、2剤ある、臨床例の蓄積中でこれから明らかになっていく」
金沢大学附属病院では「レカネマブ」とあわせてこれまでに130例ほどの投与を行っています。
今回、「ドナネマブ」での効果を確認できたことでアルツハイマー病に対する治療の選択肢の広がりに患者や医療関係者から大きな期待を寄せています。