まだまだ暑さが続く中、気温だけでなく地面の温度にも目を向ける必要があります。地面は50℃をゆうに超え、大人よりも背の低い子どもは要注意です。今年は日本の面積の18%で、地面の温度が歴代最高となりました。専門家に、危険な場所の特徴を聞きました。そこで今回の#みんなのギモンでは、「地面50℃超え 危険な場所は?」をテーマに解説します。■大人と子どもで違い…地面温度の影響山誠アナウンサー「9月に入っても危険な暑さが続いていますが、空からの日差しだけではなく、地面の暑さにも注意をしていただきたいです」

「背の高い人と低い人で地面の温度が与える影響にどれだけ差があるかというのを、マネキンを使って検証した結果があります(2023年5月の晴天時・無風・30℃以上の環境下)」「地面の表面は最高で53.1℃。サーモグラフィーは真っ赤になっています。大人では、足元から腰のあたりまで赤くなっていて、そこから上は徐々に温度が低くなっています。一方で子どもの場合は、足元から肩・首のあたりまで赤くなってしまっています」「大人と子ども、それぞれの胸の高さの気温はどれくらいなのでしょうか。大人は31.1℃でしたが子ども(80センチ)は 38.2℃で、大人(150センチ)よりも7℃高いという状況になります」斎藤佑樹キャスター「僕は球場を造っています。子どもたちと野球をすることがあるんですが、自分たちの体感温度だけじゃなくて、子どもたちのこともちゃんと気にしていかないといけないですよね」森圭介アナウンサー「我々は気温というと、どうしても(その)数字だけで見てしまいますが、身長や地面からの距離、地面の素材によって照り返しも変わってくるでしょうから、いろいろ複合的に見ていかなきゃいけないですよね」山アナウンサー「そうですね。一概に気温だけではなく、どこなのか、どういった人がいるのか確認する必要があると思います」■東京の地面の最高温度 65℃以上は?山アナウンサー「東京全体の7月の地面の最高温度を示した地図があります。50℃以上は赤で、そして最も高い65℃以上のところが黒で示されています。65度以上を示したのが、東京の葛飾区と江戸川区の小岩の周辺です」瀧口麻衣アナウンサー「他の場所との違いは何かあるんでしょうか?」■日なたと日陰でかなりの温度差山アナウンサー「小岩周辺だけ黒くなっているのはなぜなのか。9月2日、サーモカメラを持ってスタッフが行きました。東京・小岩周辺の住宅街で、ガードパイプがあり、民家や電柱による影が少しある場所です」山アナウンサー「サーモカメラで見てみると、影の部分やガードパイプは温度が低い青になっていますが、地面は(50℃を超えて)温度が高く、真っ赤になっています」「続いて小岩周辺の神社です。砂利が敷かれた地面の日陰と日なたで、差があるのか確認します。日なたは黄色や赤ですが、日陰は青が広がっています。かなり温度差があるということが分かりました」■地面の温度が高くなる3つの要因山アナウンサー「具体的にどういった場所で地面の温度が上がりやすいのか、国立環境研究所の一ノ瀬俊明(シニア研究アドミニストレータ)さんに聞きました」「地面の温度が高くなる要因の1つ目は日差しが遮られていないところ、2つ目は路面が熱を蓄えやすい人工物やアスファルトになっているところ、3つ目は周囲に緑が少ないところが挙げられるそうです」 斎藤キャスター「確かに野球場でも天然芝の上はすごく涼しく、アスファルトは暑いですし、その差はありますよね。(体感での違いは)かなり感じますね」山アナウンサー「注意すべき場所はかなり身近にもあり、都心部ではオフィス街などのビル街よりも住宅街の方が意外と危ないということです」「住宅街はビル街と違って日陰が少ないので、日差しが当たっている面積が多いです。アスファルトも開けた駐車場も多いので、住宅街は気をつけなければならないそうです」森アナウンサー「私は駅まで10分ぐらい歩くんですけど、この3つの条件が全部当てはまっているんです。高い建物が全くない地域なので暑いんですね。謎が解けました」■日が暮れた後も熱中症に警戒を山アナウンサー「歩いていて影を探しても、『あれ、影がない』という時がありますよね。最近は日が出ている時だけではなくて、日が暮れてから外に出るという方もいらっしゃると思うんですが、そういう方でも油断は禁物なんです」「 一ノ瀬さんによると、アスファルトは地下に埋まっている部分に厚みがあり、昼間にそこが熱をため込んで夜になると放出されるそうなんです。つまり、熱が地表へとわき上がってきます」「そのため日中だけではなくて、日が落ちてからも熱中症対策が必要になってきます」■地面の最高温度を更新した場所山アナウンサー「そして注意しないといけないのは、都市部だけではありません」「今年7月に地面の最高温度を更新した地点を赤く示した日本地図があります。データを取り始めたのが2012年ですが、千葉大学CEReS(環境リモートセンシング研究センター )市井教授の研究室が分析した結果、今年は日本の面積の18%で歴代最高温度となりました」「特に東北の日本海側は赤が多くなっています。秋田県や山形県は、特に赤い点が多く、それぞれの県の面積の4割で最高温度を更新しました。理由は日照時間が例年に比べて長かったことです」「9月2日は秋田は大雨になって警戒が呼び掛けられていますが、7月は状況が大きく異なり、雨がほとんど降りませんでした。雨が降ると地面の温度が下がるんですが、そういう日も少なかったため、日照時間と雨という2つが考えられます」鈴江奈々アナウンサー「全国的にそういった地域が広がっていますし、地面の暑さにも注目した方がよさそうですね」山アナウンサー「野外での作業も本当に注意しなければならないと思います。まだまだ暑い日が続いていきます。気温と同時に地面も危険な暑さになるということを意識して過ごしていただきたいと思います」 (2025年9月2日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
まだまだ暑さが続く中、気温だけでなく地面の温度にも目を向ける必要があります。地面は50℃をゆうに超え、大人よりも背の低い子どもは要注意です。今年は日本の面積の18%で、地面の温度が歴代最高となりました。専門家に、危険な場所の特徴を聞きました。
そこで今回の#みんなのギモンでは、「地面50℃超え 危険な場所は?」をテーマに解説します。
山誠アナウンサー「9月に入っても危険な暑さが続いていますが、空からの日差しだけではなく、地面の暑さにも注意をしていただきたいです」
「背の高い人と低い人で地面の温度が与える影響にどれだけ差があるかというのを、マネキンを使って検証した結果があります(2023年5月の晴天時・無風・30℃以上の環境下)」
「地面の表面は最高で53.1℃。サーモグラフィーは真っ赤になっています。大人では、足元から腰のあたりまで赤くなっていて、そこから上は徐々に温度が低くなっています。一方で子どもの場合は、足元から肩・首のあたりまで赤くなってしまっています」
「大人と子ども、それぞれの胸の高さの気温はどれくらいなのでしょうか。大人は31.1℃でしたが子ども(80センチ)は 38.2℃で、大人(150センチ)よりも7℃高いという状況になります」
斎藤佑樹キャスター「僕は球場を造っています。子どもたちと野球をすることがあるんですが、自分たちの体感温度だけじゃなくて、子どもたちのこともちゃんと気にしていかないといけないですよね」
森圭介アナウンサー「我々は気温というと、どうしても(その)数字だけで見てしまいますが、身長や地面からの距離、地面の素材によって照り返しも変わってくるでしょうから、いろいろ複合的に見ていかなきゃいけないですよね」
山アナウンサー「そうですね。一概に気温だけではなく、どこなのか、どういった人がいるのか確認する必要があると思います」
山アナウンサー「東京全体の7月の地面の最高温度を示した地図があります。50℃以上は赤で、そして最も高い65℃以上のところが黒で示されています。65度以上を示したのが、東京の葛飾区と江戸川区の小岩の周辺です」
瀧口麻衣アナウンサー「他の場所との違いは何かあるんでしょうか?」
山アナウンサー「小岩周辺だけ黒くなっているのはなぜなのか。9月2日、サーモカメラを持ってスタッフが行きました。東京・小岩周辺の住宅街で、ガードパイプがあり、民家や電柱による影が少しある場所です」
山アナウンサー「サーモカメラで見てみると、影の部分やガードパイプは温度が低い青になっていますが、地面は(50℃を超えて)温度が高く、真っ赤になっています」
「続いて小岩周辺の神社です。砂利が敷かれた地面の日陰と日なたで、差があるのか確認します。日なたは黄色や赤ですが、日陰は青が広がっています。かなり温度差があるということが分かりました」
山アナウンサー「具体的にどういった場所で地面の温度が上がりやすいのか、国立環境研究所の一ノ瀬俊明(シニア研究アドミニストレータ)さんに聞きました」
「地面の温度が高くなる要因の1つ目は日差しが遮られていないところ、2つ目は路面が熱を蓄えやすい人工物やアスファルトになっているところ、3つ目は周囲に緑が少ないところが挙げられるそうです」
斎藤キャスター「確かに野球場でも天然芝の上はすごく涼しく、アスファルトは暑いですし、その差はありますよね。(体感での違いは)かなり感じますね」
山アナウンサー「注意すべき場所はかなり身近にもあり、都心部ではオフィス街などのビル街よりも住宅街の方が意外と危ないということです」
「住宅街はビル街と違って日陰が少ないので、日差しが当たっている面積が多いです。アスファルトも開けた駐車場も多いので、住宅街は気をつけなければならないそうです」
森アナウンサー「私は駅まで10分ぐらい歩くんですけど、この3つの条件が全部当てはまっているんです。高い建物が全くない地域なので暑いんですね。謎が解けました」
山アナウンサー「歩いていて影を探しても、『あれ、影がない』という時がありますよね。最近は日が出ている時だけではなくて、日が暮れてから外に出るという方もいらっしゃると思うんですが、そういう方でも油断は禁物なんです」
「 一ノ瀬さんによると、アスファルトは地下に埋まっている部分に厚みがあり、昼間にそこが熱をため込んで夜になると放出されるそうなんです。つまり、熱が地表へとわき上がってきます」
「そのため日中だけではなくて、日が落ちてからも熱中症対策が必要になってきます」
山アナウンサー「そして注意しないといけないのは、都市部だけではありません」
「今年7月に地面の最高温度を更新した地点を赤く示した日本地図があります。データを取り始めたのが2012年ですが、千葉大学CEReS(環境リモートセンシング研究センター )市井教授の研究室が分析した結果、今年は日本の面積の18%で歴代最高温度となりました」
「特に東北の日本海側は赤が多くなっています。秋田県や山形県は、特に赤い点が多く、それぞれの県の面積の4割で最高温度を更新しました。理由は日照時間が例年に比べて長かったことです」
「9月2日は秋田は大雨になって警戒が呼び掛けられていますが、7月は状況が大きく異なり、雨がほとんど降りませんでした。雨が降ると地面の温度が下がるんですが、そういう日も少なかったため、日照時間と雨という2つが考えられます」
鈴江奈々アナウンサー「全国的にそういった地域が広がっていますし、地面の暑さにも注目した方がよさそうですね」
山アナウンサー「野外での作業も本当に注意しなければならないと思います。まだまだ暑い日が続いていきます。気温と同時に地面も危険な暑さになるということを意識して過ごしていただきたいと思います」
【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
【みんなのギモン】身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)