秋篠宮家へのバッシングは小室夫妻の問題ばかりでなく、「金銭問題」と「教育問題」に集中する。さらに昨今、国民の間では将来の天皇を巡り、悠仁さまではなく愛子さまの天皇待望論が高まっている。
前編記事『秋篠宮家は国民から嫌われている……?「眞子の乱」から始まったバッシング騒動についてエッセイストが綴る』に引き続き、エッセイストの真島久美子氏が秋篠宮批判の原因について語る。
秋篠宮バッシングは大きく分けると「金銭問題」と「教育問題」、この二つに集約される。
やり玉に挙げられるのが、秋篠宮邸改修工事の費用だ。当初30億円の予算が大幅に増額され、50億円となる。
天皇陛下ご一家が生活する皇居の10億円に比べると、あまりに高額ではないか、という批判が上がった。宮内庁は、「秋篠宮邸は、旧秩父宮邸を再利用としており、老朽化が進んでいた。皇嗣になったことによる職員増員等で大幅な改修は必要不可欠だった」と説明する。
しかし50億円もの費用をかけておきながら、間も置かずに重ねての改修工事は、とても納得できるものではない。
さらに佳子さまの「10億円豪邸一人暮らし」である。多額の費用をかけた秋篠宮邸には住まず、御仮寓所で一人暮らしをしているというのだ。
この宮家だけで、どれほどの税金を使うのだろうか。これからも国民の血税を湯水のように吸い上げていくのだろうか。
こうして「浪費家の秋篠宮」というレッテルが貼られた一方、天皇家は真逆だった。
愛子さまの成年式のティアラを作らないと発表したのだ。愛子さまは叔母である黒田清子さんのティアラを借りて、式に臨んだ。
勲章を胸に記者たちの前に姿を現した愛子さまは、さわやかな笑顔で「ありがとうございます」と、挨拶をした。
この挨拶は、秋篠宮家の内親王たちの成年式にはなかったことだ。ふたりともただ黙って、カメラのフラッシュを浴びているだけだったのだ。
真っ白なローブデコルテに身を包んだ愛子さまの姿は、一大センセーションを巻き起こした。「愛子天皇待望論」は、ここから始まっていると言っても過言ではない。
「愛子さまをあそこまで育て上げたのは、雅子さまですよ」
そう話すのは皇族にコネクションがある知人だ。
ご静養に入って、長らく国民の前に姿を現さなかった雅子さま。実像が全く見えなかった中で、しっかりと愛子さまのご養育をなさっていたのだ。
思えば平成時代の皇室バッシングは、あまりにもすさまじかった。ネット上に星の如く散らばっていた、皇室について取り上げたブログは、もれなく雅子さま、小和田家のデマで溢れていた。問題は、それを信じたのが保守を自称している人たちだったということだ。
愛子さまの発達についてもデマが飛んだ。
折に触れて愛子さまの映像や写真は発表されてきたが、上手にスキーを滑る写真には、「影子(影武者)では」という中傷があった。
出どころのわからないブログだけではない、保守の大御所たちまでもが激しく雅子さまや小和田家をバッシングしたのだ。
それは当時の皇太子にも及んだ。
「病気の妃殿下は実家で引き取るべき」、さらには「廃太子論」まで取りざたされる始末だった。
一連のバッシングは、悠仁さま誕生後から過激化した。保守層にとって、男子が持てない皇太子夫妻には用はない、ということだ。
「人格否定発言」以降、皇太子は沈黙を貫いた。今思えば、それは「家族を守る」という精一杯の意思表示だったのだろう。
「即位の礼」が近づくにつれ、雅子さまの露出は徐々に増えていった。現在ではお二人で、また愛子さまを交えての、ご家族でのご公務も増えてきた。
その際のさりげないコーディネートも人気である。6月にご一家が訪れた沖縄県で愛子さまがお召しになっていた「かりゆしワンピース」は、報道されるや否や、即日完売となったという。
天皇ご一家の安定感、誠実さは写真を通しても伝わってくる。宮内庁インスタグラムのフォロワーは、現在200万人超だ。行事ごとのご一家のご様子が人気を集めている。
雅子さまがバッシングされた理由は明白だ。「男子を生むことが出来なかった」、その一点に絞られる。一般家庭であれば「時代錯誤」と切って捨てられる価値観だが、皇室に関しては事情が違う。
言わずもがな、「皇室典範」では、皇位を継ぐのは男系男子のみ、という決まりがあるからだ。男子を産んだ紀子さま、そして悠仁さまを擁する秋篠宮家は「希望の星」であるはずだった。
秋篠宮家がバッシングされるのは、「男子でなければ」という価値観が世間に受け入れられなくなったことも、大きいだろう。
世界的に見ても、女性皇太子、女王は珍しくはない。一夫一婦制のもとでは、男子が産まれる確率は限られる。フレキシブルに対応することが、王室を守ることにもなるのだ。
養子案まで出して男系男子にしがみつく政治家の姿は、世論の流れから見て大きくずれている。まして莫大な費用がかかる旧皇族復帰案は、多くの国民が生活苦にあえぐ今、到底受け入れられるものではない。
今上陛下や雅子さまに対するバッシングは、即位と同時にほぼ消えた。
しかし秋篠宮が、あるいは悠仁さまが即位されたとして、バッシングが消えるだろうか。
そうは思えない。バッシングのいくつかには、根拠があるからだ。
秋篠宮は一言多いことで知られている。
難航した兄、当時の皇太子の結婚について、「30歳までに結婚出来れば上出来でしょう」。またビオラ演奏に対しては、「お聞き苦しい」という発言は、ユーモアというよりも、兄へのマウント取り、と受け取られている。
今上陛下の還暦のお祝いの茶会で、大広間に集まったお客に向かい、両陛下は丁寧にお辞儀をして入っていかれた。一方、秋篠宮も紀子さまも、お辞儀もせずに会場に入っていったのだ。後に続く二人の内親王たちも、お辞儀はしなかった。
発言といい、振る舞いといい、兄を立てることを知らないのか、と非難される所以だ。
秋篠宮は公務の場でも、いつも一人でさっさと歩いていく。必死に大股でついていく紀子さまの姿は、ネット上でさらし者になっている。
また、ある時の会見では、「お弁当を作っています」と、いい母親アピールする紀子さまに向かって、「あなた、(おかずを)詰めるだけじゃないの」と言い放って、面目を潰した。
この気づかいのなさは、家族を守るために沈黙を貫いた今上陛下とは対照的だ。そしてそんな家庭に育った悠仁さまが帝王教育を受けているのか、不安に思われるのは当然だ。
進学先に筑波大学が上がったとき、問題視されたのは警備の問題、そして通学の時間と費用の問題だった。
案の定、夜遊びが過ぎて遅刻三昧、警備の則衛たちにかかる緊張と負担は並々ならぬものとして報じられている。
何しろ次世代を担うたった一人の皇位継承者なのだ。親王の大学デビューに振り回される側近も気の毒としか言いようがない。
秋篠宮家伝統の自由さは結構だが、自らを律するということは、皇族の第一条件ではないのか。
小室夫妻という爆弾を抱えた秋篠宮家では、佳子さまの縁談は宙に浮いている。悠仁さまのお妃選びも難航する可能性が高い。
男子が産まれなければ、家族親せきまで巻き込んでバッシングの嵐にさらされるのだ。
今の時代にあえて入内しようという若い女性は、なかなか見つからないだろう。
「秋篠宮家に皇統が移るなら、もう皇室は要らない」、という声はいまだネット上にあふれている。
男系男子にしがみつくことこそが、皇統の存続を危うくするのだ。国民の8割が女性天皇を認めている今、政治家たちはいつまで憲法一条を無視し続けるのだろうか。
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