全国的に熊による人的被害が相次いでいます。クマはすぐ近くにいるのかもしれない。そういう気持ちで過ごした方がいいのかもしれません。山形県でも、危機一髪と言える出来事がありました。
【写真を見る】頭や手足を噛み、逃げてもクマが追いかけてくる…襲われた父を必死で救った息子が語るクマの様子 なぜ夏はクマの目撃・人的被害が多くなるのか(山形・川西町)
7月25日の夜、山形県川西町の住宅の敷地内で男性がクマに襲われ、左手の指を折るなどの大けがをしました。クマがどのように襲いかかってきたのか、当時の状況の一部始終について、話を聞くことができました。

警察によりますと、7月25日の午後9時ごろ、川西町玉庭の住宅の敷地内でこの家に住む56歳の男性が、体長およそ1メートルのクマ1頭に襲われました。
男性は、頭や手足をかまれ、薬指を骨折するなどの大けがをして入院中ですが、命に別状はないということです。一部始終を目撃した男性の家族から当時の状況を聞きました。被害にあった男性は、午後9時頃、自宅敷地内のとうもろこし畑で物音を聞いたそうです。
※画像 現場の畑
■タヌキかと思ったら「クマ」
被害者の息子は「この先に田んぼがあるので(父が)戻ってきたときにこの辺で物音がして、タヌキかなと思ったらクマで」
男性は畑から自宅まで走って逃げようとしましたが、クマが追いかけてきました。
被害者の息子は「この辺り(玄関前)だったと思うんですが、(父が)足をかまれて転んでしまって、そこに頭をかまれて、払おうとして左手もかまれた」被害者の息子と妻が玄関までかけつけ、玄関の網戸越しから大きな声を出すと、クマは去っていったということです。
被害者の息子は「やっぱり怖かったですけど、父がやられているのを見てやばいなと思ったので、必死で大声を出してどうにかしようと。何も考えられなくて反射的に大きな声を出した」
※画像:資料
■クマは身近にいるものだと心に刻んで
地元の猟友会が現場付近に箱ワナを設置していますが、クマは現在もワナにかかっていないということです。
近くに住む人は「私はここで(住んで)68年になるけどれも、いままでクマを見たこともないし出合ったこともない。また襲われたり、けがをしたりしないか心配なので早くつかまればいいなと」近くで畑仕事をしている人は「この近辺は山が近いので、出るところだろうから、気をつけてはいる」こちらの男性は、畑にネットを張り、こまめに草刈りをするなど対策をしているそうです。町によりますと、玉庭地区では男性が襲われる数日前にもクマの目撃情報があったということです。
被害者の息子は「これからは、クマは身近にいるものだと心に刻んで生活していかなくてはならない」今年クマによる人的被害は、7月18日に米沢市の愛宕山で男性が襲われたのに続き、3件目になります。
【なぜ襲う?夏はクマにとって「特別な時期」だった 攻撃する理由は?人はエサなのか?今後の国の対策と課題は? 多角的に熊について考える時か…自治体・大学など専門家の意見は】https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2048468