埼玉県八潮市の県道陥没事故で、県が22日に初めて示した補償案には、事故現場周辺の事業者らから不満や批判の声が上がった。
事業などへの影響が長期間にわたったためで、県には丁寧な説明が求められる。
説明会の冒頭で、大野知事は「経験したことがない事故で、当初から想定し得なかった課題があり、多くの皆様に長期にわたり支障や負担をかけた」と改めて陳謝した。
22日は事業者対象の説明会で、21の事業者が参加した。今後も、住民参加の説明会も含めて計8回に分けて行われる。
補償案は、事業者の営業上の損失や下水による臭気対策、建物の損傷などの分野別に示された。県が事故後に行ってきた住民らへの聞き取りを基に、内容を決めたという。
復旧工事などで長期間、住民の暮らしへの負担や事業に支障をもたらしたことに対しても、住民は世帯の人数に応じて、事業者は一律10万円の補償金を支払うとした。
事業所の規模の大小などを問わない基準としたため、説明会では、参加者から「(規模に応じて)柔軟に対応してほしい。10万円で何ができるのか」との意見が上がった。
金額について、大野知事は説明会の終了後、「現時点で算定する根拠がなかなかない。これまでのヒアリングを総合的に反映した」と説明した。
1月の事故発生から約7か月になる。別の参加者の男性は、「半年以上たってからの説明は遅すぎる。(示された補償案では)損害をカバーしきれない。県と内容について協議したい」と不満をあらわにした。
大野知事は補償について、これまで「事故の原因究明に基づいて対応する」などと慎重な姿勢だった。議会側は、早急に進めるべきだと主張してきた。
今回、原因究明を目指す県の第三者委員会の中間報告を待たずに具体的な補償案を示したことについて、大野知事は「本来であれば、原因究明を待って補償を行うべきだが、時間もかかるだろう。早急に対応するべきという判断に至った」と述べた。