奈良県警は8月4日、クルマを無免許で運転し、自転車の女性をはねてケガを負わせた上逃走したとして、道路交通法違反(ひき逃げ、無免許運転)などの疑いで奈良県天理市に住むパート従業員の77歳の男を逮捕しました。
この男はなんと“50年以上”にわたって無免許運転をしていたものとみられ、ユーザーからは驚愕の声が上がっています。
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この事件は8月3日午後0時20分頃、奈良県河合町の県道において男が軽自動車を運転し、自転車に乗っていた57歳の女性をはねたにもかかわらず、救護せずに現場から立ち去ったものです。自転車の女性はろっ骨骨折などの重傷を負いました。
その後、男が4日の朝に「河合町で事故を起こした」と警察に出頭したため逮捕されました。
警察によると、男はこれまでに一度も自動車の運転免許を取得したことがなく、50年以上にわたって無免許運転を続けていたものとみられます。
男は警察の調べに対し、「事故を起こしたことは間違いありません。無免許運転がばれるのが怖くて逃げました」などと話しており、警察が当時の状況を詳しく調べています。
このニュースに対してインターネット上では「50年以上も無免許運転なんて前代未聞の大問題」「50年以上も免許を持たずに運転するなんてあり得ない」「悪質すぎる」など、驚愕の声が寄せられました。
さらに「無免許運転の記事をたまに目にするが、相当数の無免許運転者がいるものと考えられる。一斉検問で免許証を確認すべきだな」「無免許運転やひき逃げの罰則をもっと重くした方がいい」といった意見も聞かれました。
現在のところ無免許運転の刑罰は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」、加えて行政処分として違反点数25点が加算されるため、これまで免許取り消しや免許停止処分を受けたことがない人でも免許取り消し2年の処分となります。
ただし今回の事例では無免許運転で人身事故を起こしているため、自動車運転処罰法に規定する「無免許過失運転致傷」として「10年以下の拘禁刑」という、より重い罰則が適用される可能性があります。
また、今回のひき逃げ行為は道路交通法に規定する「救護義務違反」に当たります。事故における人の死傷がドライバーの運転に起因するものであれば、「10年以下の懲役または100万円以下の罰金」という刑罰が科されることも想定されます。
そのほかインターネット上においては「免許無しでもクルマが買えることはやむなしとして、所有者も責任を負う制度が必要」「被害者の方は大変ですね。賠償請求できるものなのか」などの声が上がっています。
実は、免許を持っていない親が免許を取得した子どもにクルマを購入するといったケースがあるように、免許を持っていなくてもクルマの購入自体は可能です。
また家族、知人などが購入したクルマを借りれば、無免許運転ができてしまう現状もあります。
仮に無免許と知りながら人にクルマを貸した場合には、無免許運転の「ほう助罪」に該当し、貸した側も「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」に処せられる可能性があります。
これに関しては「運転免許を提示しないとクルマが動かせないような装置を搭載できないものか」という意見もみられました。
そして被害者のケガの損害賠償については、加害者側が自動車保険(任意保険)や自賠責保険に加入していれば補償されますが、いずれにも加入していない場合は「政府保障事業」によって被害者の治療費や入院・通院雑費などを補償する方法があります。
簡単に言うと国が自賠責保険と同等のてん補をおこなうもので、2024年度はひき逃げ233件、無保険車による事故108件に関して総額3億9900万円の支払いがおこなわれています。
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警察庁の統計によると、2024年中の無免許運転の検挙件数は1万8031件であり、1日あたり50件程度が検挙されている計算です。
たとえ免許更新に行くのを忘れて免許を失効してしまう「うっかり失効」であっても、車両を運転すれば無免許運転に当たるため、定期的に免許証の有効期間を確認することが大切といえるでしょう。