■時に命にかかわる食中毒
【写真を見る】【食中毒予防】お弁当にミニトマトを”そのまま”は危険? 命にかかわる食中毒を防ぐポイントを保健所に聞いてわかった「予防の三原則」とは
この時期、湿気と気温の上昇で特に注意が必要なのが「食中毒」です。食中毒を甘く見てはいけません!時に命にかかわるほどの症状になる場合も。
食品を扱う際に家庭で気をつけるべきこと、予防のポイントはどんなところにあるのか?
山形市保健所 生活衛生課 工藤守 課長「この時期に限らず菌がついていればいろんな条件で増えるんですけれども今は特に増えやすい時期ということで気を付けていただきたいと思います」
■食中毒の「もと」とは
お弁当に手料理、楽しいご飯の時間のやっかいもの食中毒。
原因となる菌には、生肉や汚染された野菜が原因となる「O-157」、鶏肉に多い「カンピロバクター」、人の手などについている「黄色ブドウ球菌」などあり、ウイルス性のものでは、「ノロウイルス」があります。
症状は主に嘔吐や下痢といった症状で、特に高齢者や子どもは脱水症状を起こしやすく重症化することもあるため、注意が必要です。
食中毒が増えるこの時期、注意すべき点は?山形市保健所の工藤課長がさらに教えてくれました。
■食中毒防止の三大原則
食中毒を起こさないためのポイントは、大きく3つ。これを知っていることが大切だというのです!
山形市保健所 生活衛生課 工藤守 課長「食中毒を防止する三大原則がありまして、『つけない 増やさない やっつける』という3つになります」
まずは・・・「『つけない』は、しっかりと手を洗っていただく。野菜とかの食材をしっかり洗って菌を取ることが大事」
手洗い1回だけでは菌が落ちにくいため、2回洗うことが効果的。また、おにぎりをにぎる時は素手ではなく、ビニール手袋やラップを使うことが基本です。
■お弁当でよく見るミニトマトに注意!
そして、食材を洗う時にも知っていて損ではないポイントがあります。
例えば、お弁当に入れることの多いミニトマト。つるつるしていて洗いやすいようにも見えますが…注意したいのがヘタです。
複雑な形をしていて、実は菌が残りやすい場所です。取り除いてから洗い、お弁当に入れると安心です。
■菌を『増やさない』方法は?
次は、菌を『増やさない』ためのポイント。大切なのは、温度と水分の管理です。
山形市保健所 生活衛生課 工藤守 課長「だいたい菌が増えると言われているのは10度~60度ぐらいと言われています」
購入した食品や作った料理は、早めに冷蔵庫などに入れて10度以下に冷やすことが重要です。
お弁当をつくる時は、ごはんやおかずが熱いまま蓋をすると蒸気がこもって水分となり、傷みやすくなります。
冷ましてから蓋をするようにするといいということです。
■『やっつける』ために大切なことは
最後は『やっつける』。加熱のポイントです。
食材は、75度以上で1分加熱すると殺菌できるということですが。
山形市保健所 生活衛生課 工藤守 課長「ここで気を付けていただきたいのが『中心温度』でという形。表面だけ温かくなっても中が熱くならないとそこで菌が生き残ってしまう」
食材の中心までしっかり火が通っていることを確認しましょう。
■しかし加熱したらすべて安全…ではない!
しかし、加熱すればすべて安全というわけではありません。
例えば、朝つくったおにぎり。日中、机に置きっぱなしにしていたものを夜、再加熱して食べていないですか?
山形市保健所 生活衛生課 工藤守 課長「菌の中には、増殖するときに毒素を出すものがありまして、その毒素も大変熱に強くて、焼いて菌は死んでも毒は残って、それを食べて食中毒になることがあります」
保温を切った炊飯器にいれていたご飯も同じように注意が必要です。
食材が傷んでいるのかを見極めるのは簡単ではありません。
山形市保健所 生活衛生課 工藤守 課長「ニオイが出ない段階でも食べると食中毒を起こすような状態もある。危ないかなと思ったら基本食べないようにしていただいた方が安全かと思います」
■これまで大丈夫だったから、が命取りに!?
「これまで大丈夫だったから…」そんな油断も禁物です。
山形市保健所 生活衛生課 工藤守 課長「たまたま菌がつかないから今まで大丈夫だったと考えていただいて、そういうことを繰り返していればいつか菌がつくことがあると考えていただいて、日頃から気を付けていただければと思います」