子どもに食べさせたくないおやつとは(写真:polkadot/PIXTA)
【写真で見る】「食品添加物の神様」と呼ばれた安部司氏が「無添加×美味しい」「軽食・おかずにもなる」をコンセプトに考案した「安部おやつ」の大人気メニューの数々
70万部の大ベストセラー『食品の裏側――みんな大好きな食品添加物』の著者、安部司氏が、このたび料理家のタカコナカムラ氏とともに『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』を上梓した。
砂糖と油が大量に使われ、添加物が入った市販のお菓子に不安を感じる人、日々の間食・おやつに悩む人のために、「無添加×安心×美味しい」「軽食・おかずにもなる」をコンセプトに、112のバラエティに富む「健康おやつ」を、両氏が開発したものだ。
プロの料理人も注目する今年度の「第12回料理レシピ本大賞」に、『食品の裏側』が料理部門の、『安部おやつ』がおやつ部門の、それぞれ「最終候補作品」に選ばれ、話題を呼んでいる。
本稿では、人生をかけて「食の安全性」を追求し続ける安部氏が「子どもに食べさせたくない3大NGおやつ」について語る。

無添加ヘルシーおやつのレシピ集『安部おやつ』を出版してからというもの、全国のみなさんから「子どものおやつ」についての質問を受けることが圧倒的に増えました。
多いのは「市販のおやつ」についてです。
「手作りがいいのはわかっているが、すべて手作りでまかないきれない。市販のお菓子を食べさせるとしたら何がいいのか」「市販のお菓子で避けたほうがいいものは?」
といったことをよく聞かれます。
そこで今回は「子どもには食べさせたくない市販のお菓子3つ」について私なりの意見を述べてみたいと思います。
【子どもに食べさせたくない市販のお菓子 曠好淵奪菓子
子どもが大好きなスナック菓子。じゃがいもを細長く成形したもの、フライ麺風のものなど、ほとんどが「黄金トリオ」を使って作られています。
黄金トリオとは、
/塩(精製塩)
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たんぱく加水分解物
この3つの要素で構成されたうま味のベースです。
スナック菓子のみならず、レトルト食品、インスタント食品、市販の惣菜、コンビニ弁当など、ほとんどの加工品に使われています。
「黄金トリオ」を使えば、日本人が好む味は簡単に作れる。ただし、それによって「舌のセンサー」が働かなくなるという恐怖もある(出所:『食品の裏側』)
この3点セットさえ入れれば味がバシッと決まり、日本人みんなが「おいしい」と思うものを、いとも簡単に作り出すことができるのです。
この「黄金トリオ」にグラニュー糖を加えたものが、みんなが大好きな「あの洋風せんべい」の魔法の粉です。「黄金トリオ+グラニュー糖」でやみつきの味になるのです。
黄金トリオについては70万部のベストセラーになった『食品の裏側』あるいは「日本人の舌を壊す『黄金トリオ』の超ヤバい正体」などで何度も述べてきたのでそちらをお読みいただきたいのですが、子どもにこれを食べさせてしまうことの最大の問題は「子どもたちが濃い味に慣れてしまう」ことです。

黄金トリオの濃い味、強烈な味に慣れてしまうと、野菜の淡泊な味、素材本来のうま味では満足できなくなります。
たとえば、あっさりした煮びたしのおいしさが、わからなくなってしまうのです。
カップ麺やスナック菓子が大好きで、野菜は食べないという子どもが増えているといいます。
お父さんお母さんは「うちの子は野菜を食べなくて」と嘆くけれど、じつはスナック菓子を日々子どもに食べさせることで、結果的に子どもに「黄金トリオの味」を教え、自ら野菜嫌いにしてしまっているかもしれないのです。
【子どもに食べさせたくない市販のお菓子◆曄峅姪ブドウ糖液糖」入り清涼飲料水
コーラやサイダーなど無果汁の清涼飲料水。表示に必ずと言っていいほど「果糖ブドウ糖液糖」が入っています。
「果糖ブドウ糖液糖」はトウモロコシなどのデンプンを原料につくられる甘味料です。この「果糖ブドウ糖液糖」の入った清涼飲料水は体内で吸収されやすく、血糖値を急上昇させてしまうと言われています。
その結果、肥満や中性脂肪の増加を招いてしまいます。
ちなみに「果糖ブドウ糖液糖」と「ブドウ糖果糖液糖」はどう違うかとよく聞かれますが、これは「果糖」と「ブドウ糖」の比率の問題。
果糖が多ければ「果糖ブドウ糖液糖」、ブドウ糖が多ければ「ブドウ糖果糖液糖」という表記になります。
無果汁の清涼飲料水には、この「果糖ブドウ糖液糖」が1割ほど入っています。
500ミリリットルのペットボトルの場合、砂糖に換算すると50~60グラムも入っていることになります。50グラムの砂糖といったら「3グラムのスティックシュガーで16~17本もの量」です。
「スポーツドリンクならいいですか?」と聞かれることもあるのですが、スポーツドリンクでも500ミリリットルのペットボトルに、砂糖換算で30グラムほど入っていることは決して少なくありません。
「砂糖換算」と書きましたが、こうした加糖の飲料水の栄養成分表示には「糖質」「糖分」といった表示はありません。「炭水化物」という表示になっています。
「炭水化物10グラム」であれば、砂糖換算でおおよそ10グラムと考えることができます。ただし栄養成分表示は100ミリリットル当たりのものなので、500ミリリットルであれば5倍の量ということになります。
子どもたちは500ミリリットルのペットボトルぐらいなら軽々と飲み干してしまいます。スポーツをやっていて、1日に2リットルのスポーツドリンクを飲むというお子さんもいました。
血糖値が急上昇すると血糖値を下げるホルモンのインスリンが出て、今度は血糖値が急激に下がります。こうした「血糖値の乱高下」は肥満や糖尿病のリスクを高めるし、脳や精神にも影響を及ぼします。
少し前に急に暴力的になる「キレる子ども」が問題になりましたが、これも血糖値の乱高下と関係しているという見解があります。
つまり血糖値が急激に低下することで、イライラしたり、キレやすくなったりする傾向が表れるのです。
【子どもに食べさせたくない市販のお菓子】菓子パン
ちょっと小腹が減ったとき、学校から帰宅後の軽食に、朝ごはんにと菓子パンは非常に便利な食べ物です。
私は講演や食育セミナーで全国のお父さんお母さんと話をする機会がありますが、「朝食に菓子パンを食べる」という家庭は今どき珍しくありません。
しかし、この菓子パンには「油分(脂質)」「糖分」が大量に含まれていることが多いのです。
またカロリーも高めです。1個で250~350キロカロリーのものが多いのですが、揚げパンなど500~600キロカロリーのものもあり、カロリーオーバーになりがちです。
脂質もひとつで20グラムから40グラムのものもあり、こちらも要注意です。
また菓子パンは「加工でんぷん」「保存料(ソルビン酸K)」「酸味料」「着色料」「香料」と添加物も気になるところです。
以上を考えると市販のおやつを子どもに与えるのはなかなか難しいと思います。
とはいえ「子どもに市販のお菓子を食べさせてはいけない」とはさすがの私も言えません。
子どもは駄菓子屋やコンビニでおやつを選ぶ楽しみもあるでしょう。
買うならば、私がいつも言う「手首の運動」で商品をひっくり返し、「カロリーがどれくらいか」「脂質が何グラム入っているか」「添加物はどうか」を「裏ラベル」を見て、チェックしてから買ってください。
毎回とは言わないけれど、少しずつでも「手作りのおやつ」を取り入れていくことを提案したいと思います。
別に難しいものでなくてもいいのです。
私が考案した無添加ヘルシーおやつの「安部おやつ」でも、低カロリー、低糖質、低脂質のおやつがたくさんあります。
安部司氏が考案した”無添加ヘルシー”おやつ「煮卵おむすび」(写真:『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』より)
「煮卵おむすび」「香ばしい! じゃがいもカリカリ焼き」「豆乳入り! もちもち米粉パンケーキ」など、簡単で、しかも安心して子どもに食べさせることができるおやつをたくさん掲載しています。
安部司氏が考案した”無添加ヘルシー”おやつ「さわやかみかんのアイスキャンディ」(写真:『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』より)
「赤紫蘇ジュース」「新しょうかエール」などの楽しい飲み物、「さわやかみかんのアイスキャンディ」などの氷菓もあります。
ぜひ「簡単手作りおやつ」を無理のない範囲で取り入れることによって、子どもの”舌”と”体”を壊す「『黄金トリオ』でできたおやつ」を極力、減らしてほしいと、「加工食品の裏側」を知り尽くした私は強く思います。
『安部おやつ』は、”無添加ヘルシー”ドリンクのレシピも充実している(写真:『日本人なら必ず食べたい安部おやつ』より)
(安部 司 : 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事)