「俺たちは、屁だぁ~!」
これは、現在NHKで放送中の大河ドラマ「べらぼう」の劇中に登場した、大河史上、近年稀に見るくだらないセリフです笑。 この”屁”ネタを、なんと2週にわたり引っ張るという、なんとも度胸のあるドラマ展開、視聴者の皆さんは決して忘れていないでしょう。
で、今回はそんな”屁”つながりで紹介したい、江戸時代の絵巻「放屁合戦絵巻」です。もうタイトルからして”べらぼう”な絵巻であることはおわかりでしょう。
放屁合戦とは、文字どおりオナラの戦。江戸時代に実際にそういったものがあったわけではないですが、その絵巻物のくだらなさとオナラにかける熱い思いは、大河「べらぼう」で取り上げられている”狂歌”に通じる部分もあります。
「放屁合戦絵巻」は、敵対する(?)2組のグループが、オナラを武器にして合戦を広げるというもの。そう、それはまさに”放屁合戦”!
別名、屁合戦絵巻、屁合戦図、屁合戦巻物などと呼ばれることがある書物で、今回紹介する作品(写本)の他にも、似たような構図の絵巻物が複数存在しています。
実は「放屁合戦絵巻」には元ネタがあり、それは室町時代に描かれた『「屁合戦絵巻」ではないか?とされています。日本人、オナラネタを室町時代からずっとやってきたんですね…なんかもう日本のすべてのアートはオナラに通ずる。と言っても過言ではないでしょう。
ちなみに室町時代に描かれたオナラ関連の作品としては、以前Japaaanで紹介した「福富草紙」というものもあります。これは、放屁芸で財を成す老人とそれを羨む老人の絵巻物。ぜひ合わせてご覧ください。
話を「放屁合戦絵巻」に戻して、実際に本作ではオナラを使ってどのような戦いが繰り広げられているのか?……知りたくありませんか?
知りたくない?……いや、絶対知りたいはず!
ということで、今回は「放屁合戦絵巻」を一挙に紹介して行きたいと思います。
合戦を前に、みんなで鍋を囲み”お芋”を食べています。オナラの燃料を蓄えているわけですね。”合戦前夜”といったところ。
そして合戦が始まります。このビームっぽい描き方よ笑 現代のギャグ漫画に通じるものがありますね。
オナラをかけられた側は板や団扇などで防ごうとしますが…
板なんでぶち破ってしまうほどの威力!
オナラを袋に溜め込んで、凝縮屁弾を仕込みます。これは脅威……
そして一気に放ちます!相手はたまらず吹き飛ばされてしまうほどの威力!
そしてお次は騎乗戦!
馬に放屁され馬がびっくり!歩兵の逆転劇です
X!(どゆこと?)
と、こんな場面が永遠と繰り広げられているのです。それが日本が世界に誇る「放屁合戦絵巻」
本作のすべてのシーンは以下からご覧いただけますので、ぜひ楽しんでみてください。
→ 『放屁合戦絵巻』を全シーン見る