厚生労働省が4日に発表した2024年の人口動態統計(概数)で、秋田県の出生率(人口1000人あたりの出生者数)が3・7となり、30年連続で全国最下位となった。
婚姻率や死亡率もワーストで、全国最悪のペースで進行する人口減少に歯止めがかからない状況が改めて浮き彫りになった。
統計によると、24年の1年間に生まれた子どもの数(出生数)は3282人(前年比329人減)で過去最少を更新。死亡数は1万7421人(同96人減)で、出生数から死亡数を差し引いた人口の自然減は1万4139人だった。出生率から死亡率を差し引いた自然増減率もマイナス15・9(全国平均マイナス7・6)で、32年連続で自然減が続いた。
1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数「合計特殊出生率」も1・04で過去最低を記録。婚姻数も前年比55組減の2247組で、婚姻率(人口1000人あたりの婚姻数)は前年と同じ2・5で、25年連続全国最下位だった。
人口減に歯止めがかからない状況に、鈴木知事は「厳しい結果になったと受け止めている。結婚を希望する方への支援や女性が働きやすい職場環境の推進、地域に根付いたジェンダーギャップの解消など、若い世代の転出に歯止めをかけ婚姻に結びつく取り組みも進め、県民が成果を実感できるよう努める」との談話を発表した。
また、人口10万人あたりの自殺者数を示す自殺率は、全国5位となった前年から0・6ポイント増加し、20・0(全国平均16・3)で全国3位。自殺者数は178人で、前年から2人増加した。24年度は、県の第2期自殺対策計画(計画年度23~27年度)に基づき、「自殺率17・8以下、自殺者数160人以下」になるよう取り組んだが、いずれも上回った。
県保健・疾病対策課の清野穣課長は「目標に達しなかった上、全国と比べても高い水準になったこと自体は非常に残念。若者や高齢者など世代に応じた取り組みをきめ細かにやっていきたい」と述べた。
このほか、疾患関連では、がんの死亡率が28年連続で全国1位。脳血管疾患が全国2位(前年1位)、心疾患は全国11位(同11位)だった。