「自分で決めて自分で発表してしまう。ルールを覚えてもらわないといけない」
小泉進次郎農林水産相(44)が決定した随意契約による備蓄米の放出に“事前に党に諮らなかった”として、苦言を呈した野村哲郎元農水相(81)。週刊文春 電子版に6月4日、JA関連団体から約7000万円の献金を受けたと報じられ注目を集めている“農水族”議員だ。
国民が米価格の高騰に喘ぐ傍らで「米は買ったことがない」と発言し、5月21日に辞任に追い込まれた江藤拓元農林水産大臣(64)。コメ対策を引き継いだ小泉氏は、高額落札されていた備蓄米の入札中止を早々に表明。流通の遅れも問題視されていたJAを通さず、直接小売業者に売ることで迅速かつ安価な米の供給を実現した。
しかし、同時に農水族議員からの反発も招いている。冒頭の野村氏による発言は5月31日に鹿児島県鹿屋市で開かれた農水族重鎮の森山裕幹事長(80)の国政報告会でのもの。森山氏も同会で、農家が利益を出して再生産できるような米価でなければ食料安全保障は成立しないとし、「小泉氏にもそのことはしつこく言ってある」と強調した。
さらに6月2日の参院予算委員会では自民党の北村経夫氏(70)が、石破茂首相(68)の指示のもと備蓄米放出を断行した小泉氏について「大変なスピード感を持ってこの難局に取り組んでいる」と評価しつつあくまでも「緊急的な措置」と発言。「価格が下がるのは消費者にとって良い面もあるが、農家の生産の持続性に疑念を招くようなことがあってはならない」と釘を刺した。
「自民党の農水族議員が口をそろえて言う“生産者を守る”の背景には、当然JAの意向が見えてきます。そこに加えてJA関連団体からの7000万円の献金ですから、自民農水族が国民ではなくJAの方を向いて政治をしていると疑われても仕方ない。この件で国民からは再び政治献金や寄付の全面禁止の声が高まっていますが、まずその吊上げを食らうのが農水族議員かもしれず、7月の参院選を見据えて戦々恐々としているかもしれません」(業界紙記者)
週刊文春の献金報道を受けて、ネット上では“令和の米騒動”の背景にある“利権”に疑いの目が向けられている。
《やっぱり、そういうことか》《やはりな…ズブズブな関係だ。怒》《だからもう企業献金、団体献金はやめろってみんなあれほど言ったのに…。政治が特定団体に有利なように動けば、絶対に国民のためにはならない》《必死に頑張ってる小泉農水大臣に、ルールを守れといちゃもんつけて!!JAから7000万もらってたらイチャモンつけるわな》《どうせこんな事だろうと思っていたよ。 結局、利権絡みでしか物事考えられない連中だよ、議員何ていうものは。》
生活が苦しい中、国民の怒りが農水族へ向くのも無理はない。しかし、かつて「自民党をぶっ壊す」と党内での対立を鮮明に打ち出した人物がいた。20年前のその結果が今どうなっているか。どこか既視感漂う新たな”小泉劇場”を冷静に見守る必要もありそうだ。