外食は「味つけを選べない」「塩分量が見えにくい」など、高血圧予防の観点では注意が必要です。しかし、食事内容だけでなく食べ方ひとつで、健康への影響を和らげることができるのをご存じでしょうか? 今日から始められる実践法を、「小泉クリニック」の小泉先生に解説していただきました。

監修医師:小泉 信達(小泉クリニック)
東京医科大学卒業後、東京医科大学病院およびその関連病院において約25年にわたり、心臓血管外科医として診療に携わる。心臓血管外科では、心臓手術や大動脈手術、肺動脈手術、末梢動脈手術、静脈手術など様々な手術を経験。高齢者や重篤な状態の患者を手術することも多く、普段から全身疾患を把握し管理することの重要性を感じ、2019年に小泉クリニックを開院。自分や家族の受けたい治療を常に考え、診療にあたっている。日本循環器学会認定循環器専門医。心臓血管外科専門医。
編集部
外食は家庭での食事と違って、コントロールできません。
小泉先生
味付けまでは注文できないと思うので、“大盛り”に注意してください。おかずの量と比例した塩分が含まれています。また、野菜には塩分を排出する働きがあるので、野菜中心のメニューに切り替えるのも方法の一つです。仮に塩分量は同じでも、唐揚げ定食より八宝菜定食といった具合ですね。
編集部
そもそも日本人って、「口の中をしょっぱくしてからご飯で薄める」食べ方をしますよね?
小泉先生
そうかもしれませんね。その反対が病院食で、文字どおり「味気ない」と感じてしまいます。外食は、おいしいからこそ費用を払うのであって、減塩という発想がなじみにくいかもしれません。外食の味付けを問うより、食べ方で調整したほうが、現実的だと思います。
編集部
「食べ方」ですか? 同じものをおなかへ入れるのに?
小泉先生
野菜から先に食べると、炭水化物による血糖値上昇が、より抑えられます。血糖値も、仕組みのうえでは高血圧に関わってきますから、工夫してみてください。コース料理の食べ方などは、非常に理にかなっていると思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
小泉先生
同じ食べ方についてですが、ゆっくり食べると、塩味がより感じられると思います。自宅で塩分量の調整が可能であれば、気をつけてみてください。なお、できるところから一つずつ加えていくのがコツでしょう。長続きしそうな工夫からはじめてみてはいかがでしょうか。
※この記事はメディカルドックにて【高血圧の人は必見! 医師が食事面での注意点を解説「味付けよりも食べ方に注目して」】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。