選択的夫婦別姓制度をめぐり、立憲民主党が法案を国会に提出しました。保守派は制度導入に反対していますが、立憲案のポイントはどこにあるのでしょうか。各党の考えは多様で、野党の足並みもそろいません。国会での議論の集約は見通しづらい状況です。■反対してきた保守派の意見と立憲案藤井貴彦キャスター「4月30日、選択的夫婦別姓制度について動きがありました。立憲民主党が、この制度の導入を盛り込んだ民法の一部改正案を国会に提出しました」
「その内容は、いずれも結婚する時に決めるものとして、夫婦で同じ姓にする、または別の姓にする、このどちらかを選べるようにするものです。なお、今も運用されている旧姓の通称使用については引き続き使えるとしています。実際どうなるのでしょうか?」小栗泉・日本テレビ解説委員長「まずはこの制度の導入にこれまで反対してきた保守派の主な意見についてまとめます。家族の姓がバラバラになる、旧姓の通称使用を拡大することで対応できるのではないか、日本の伝統的な家族制度を軽視している、というものです」「今回の立憲民主党の法案では、夫婦が結婚する時に子どもの姓を決めるとしているので、きょうだいの姓は統一されるということになります」「次に、旧姓の通称使用の拡大について。現在政府は、パスポートなどの公的文書に旧姓を併記できる仕組みを既に取り入れています」「ただパスポートのICチップには旧姓のデータが入っていないため、海外で書類を発行する時などに支障が出てしまうという事例もあり、選択的夫婦別姓制度を望む声があります」■板垣さん「選択肢ができるのはいい」小栗委員長「30日、都内で聞いてみました」既婚の50代「仕事によってとか、その他の事情によって色々あると思うので、選択肢が増えることに関してはいいと思います」新婚の20代「名字が一緒だから家族でいられるというのは、気持ちではあります。別でもいいと思うんですけど、個人的には」藤井キャスター「板垣さんはどんな思いですか?」板垣李光人さん(俳優・『news zero』水曜パートナー)「同じ姓にすることも、別にすることもできる。結婚を考えた時に、男性も女性も対等な立場で話し合う機会ができる。そういう選択肢ができるのは、とてもいいことだなと感じています。ただこの議論はずっと続いていて、なかなかまとまらないなという印象です」■賛成から反対まで…各党の立ち位置は藤井キャスター「(今回は)立憲民主党の案として提出されましたが、この国会で選択的夫婦別姓は実現の方向に進んでいくのでしょうか?」小栗委員長「立憲民主党は、遅くとも5月中には審議入りすることを目指すということです。ただ、制度の導入に向けての各党の今の立ち位置を見ると、反対から賛成まで幅広いです。立憲民主党は他の野党に法案の共同提出を求めましたが、足並みはそろいませんでした」「国民民主党は、去年の衆院選で『選択的夫婦別姓制度を導入します』と公約に明記していましたが、玉木代表はここに来てやや慎重な姿勢です。ただ浜口政調会長は30日、『独自法案を提出する方針を固めた』と話しました」藤井キャスター「自民党は賛成の人もいますが、保守派の反対が強い部分もあるので、党内での一本化も難しいのではないでしょうか」小栗委員長「その通りです。党内でこの制度を推進する幹部は『とりまとめは無理だろう。参院選もあるし、自民党で一致するなんて無理だ』と諦め気味です。そして維新は、選択的夫婦別姓の導入ではなく、旧姓の通称使用を法制化する法案の要綱をとりまとめています」「これだけ色々な考え方があるので、今後国会でどう議論が集約されていくのか、まだまだ見えてきていません」藤井キャスター「夏には参院選があります。選択的夫婦別姓制度に注目されているという方は、投票行動の参考にしていただくのもいいかもしれません」(4月30日『news zero』より)
選択的夫婦別姓制度をめぐり、立憲民主党が法案を国会に提出しました。保守派は制度導入に反対していますが、立憲案のポイントはどこにあるのでしょうか。各党の考えは多様で、野党の足並みもそろいません。国会での議論の集約は見通しづらい状況です。
藤井貴彦キャスター「4月30日、選択的夫婦別姓制度について動きがありました。立憲民主党が、この制度の導入を盛り込んだ民法の一部改正案を国会に提出しました」
「その内容は、いずれも結婚する時に決めるものとして、夫婦で同じ姓にする、または別の姓にする、このどちらかを選べるようにするものです。なお、今も運用されている旧姓の通称使用については引き続き使えるとしています。実際どうなるのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長「まずはこの制度の導入にこれまで反対してきた保守派の主な意見についてまとめます。家族の姓がバラバラになる、旧姓の通称使用を拡大することで対応できるのではないか、日本の伝統的な家族制度を軽視している、というものです」
「今回の立憲民主党の法案では、夫婦が結婚する時に子どもの姓を決めるとしているので、きょうだいの姓は統一されるということになります」
「次に、旧姓の通称使用の拡大について。現在政府は、パスポートなどの公的文書に旧姓を併記できる仕組みを既に取り入れています」
「ただパスポートのICチップには旧姓のデータが入っていないため、海外で書類を発行する時などに支障が出てしまうという事例もあり、選択的夫婦別姓制度を望む声があります」
小栗委員長「30日、都内で聞いてみました」
既婚の50代「仕事によってとか、その他の事情によって色々あると思うので、選択肢が増えることに関してはいいと思います」
新婚の20代「名字が一緒だから家族でいられるというのは、気持ちではあります。別でもいいと思うんですけど、個人的には」
藤井キャスター「板垣さんはどんな思いですか?」
板垣李光人さん(俳優・『news zero』水曜パートナー)「同じ姓にすることも、別にすることもできる。結婚を考えた時に、男性も女性も対等な立場で話し合う機会ができる。そういう選択肢ができるのは、とてもいいことだなと感じています。ただこの議論はずっと続いていて、なかなかまとまらないなという印象です」
藤井キャスター「(今回は)立憲民主党の案として提出されましたが、この国会で選択的夫婦別姓は実現の方向に進んでいくのでしょうか?」
小栗委員長「立憲民主党は、遅くとも5月中には審議入りすることを目指すということです。ただ、制度の導入に向けての各党の今の立ち位置を見ると、反対から賛成まで幅広いです。立憲民主党は他の野党に法案の共同提出を求めましたが、足並みはそろいませんでした」
「国民民主党は、去年の衆院選で『選択的夫婦別姓制度を導入します』と公約に明記していましたが、玉木代表はここに来てやや慎重な姿勢です。ただ浜口政調会長は30日、『独自法案を提出する方針を固めた』と話しました」
藤井キャスター「自民党は賛成の人もいますが、保守派の反対が強い部分もあるので、党内での一本化も難しいのではないでしょうか」
小栗委員長「その通りです。党内でこの制度を推進する幹部は『とりまとめは無理だろう。参院選もあるし、自民党で一致するなんて無理だ』と諦め気味です。そして維新は、選択的夫婦別姓の導入ではなく、旧姓の通称使用を法制化する法案の要綱をとりまとめています」
「これだけ色々な考え方があるので、今後国会でどう議論が集約されていくのか、まだまだ見えてきていません」
藤井キャスター「夏には参院選があります。選択的夫婦別姓制度に注目されているという方は、投票行動の参考にしていただくのもいいかもしれません」