ことし4月22日に上越市の直江津南小学校で発生した給食に割れた蛍光管の破片が混入しそれを児童が口にした事故でその後、上越市は保護者説明会を開催し、新たな事実を説明したと発表しました。市によりますと4月30日に開催された保護者会では新たに確認された事実や今後の対応などについて説明されたということです。新たに分かったこととして……・蛍光管のガラス破片を口にした児童は3人だった。・口にした児童3人のうち1人は、計3回ガラスの破片を口にしていた。・蛍光管破損により、破片が児童1人の頭や、別の児童1人の足に当たっていた…などが説明されました。
この事故は4月22日、給食配膳時に5年生のクラスで黒板横に立てかけてあった蛍光管が床に倒れ、蛍光管が破損。破損した破片が、児童の頭や足に当たったり、一部が給食に混入し児童が口にしたりしました。当初、口にしたのは児童2人で、異物を見つけ取り除いた児童が1人と発表されていましたが、その後、口にした児童は3人だったことが確認されたということです。
上越市の発表によりますと蛍光管は点灯状態が不良だったとして4月14日の週のいずれかの日の朝、多忙な学校用務員に代わり担任によって新しいものに取り換えられていました。取り換えたあと、外された蛍光管が保護カバーの筒に入らなかったことから、むき出しのまま置かれていたということです。立てかけられた蛍光管に気付いた管理職や教職員はおらず見落としていたとしています。事故当日、給食準備が始まって間もないころ、給食当番の配膳の見守りを行っていた介護員が、いつもいる場所より前だったため一歩下がったところ、左足かかとに何かが当たり、その拍子で蛍光管が倒れ床に直接あたり、蛍光管の片側の電極側45センチ程度が割れたということです。
破損した音で蛍光管が割れたことに気付いた担任が、給食のご飯の食缶に約1センチ程度の蛍光管の破片が入っていたのを発見したため、まわりのご飯と一緒に取り除き、マーボー豆腐は目視で破片が見つからなかったため、その後、給食の配膳を継続したということです。蛍光管が破損したとき教室には14人の児童がいましたがこのうち、3人の児童がご飯やマーボー豆腐を口に入れた際、ガラスの破片が口の中で感じられたため、吐き出して担任や介護員に申し出たということです。児童が吐き出したガラスの破片は、ゴミ箱へ捨てられたということです。その後、ゴミ箱を確認したところ児童が口にしたガラスの破片は大きなもので2ミリ×8ミリの細長いものだったといいます。市によると5月3日までに児童の体調に異常はないということです。学校では事故翌日から学校訪問カウンセラーが常駐し、児童からの相談に対応できるようにしているといいます。また5月1日には市立幼稚園や小中学校対象に臨時校長会が開催され、事故の概要や今後の対策などが指導されたということです。保護者説明会では、なぜ児童が口にした時点で中断させなかったのか、給食が食べられなくなったときの食事は準備されているのかなど質問が相次いだということです。市は事故の原因や問題点として、取り外した蛍光管を放置したこと、学校危機管理マニュアルが守られていなかったこと、児童の命の安全・安心に関する通知の全教職員への徹底の仕方、それらにかかわる研修方法が不十分だったなどを挙げ、再発防止策として、校内の安全点検の見直し、給食指導マニュアルの徹底、危機管理意識の醸成などに取り組むとしています。