大阪・関西万博の開幕を13日に控え、先ごろ来場者を招いて最終リハーサルが行われた。が、その最中にもトラブルが続出。折からのパビリオン建築の遅延とともに懸念が浮き彫りになってしまった。さらには、あろうことか皇室にも「皺寄せ」が及んでいるというのだ。
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【実際の写真】骨組みがむき出しで、資材が積み上がり… 工事が遅れている「海外パビリオン」3週間前の様子
万博会場となる人工島の夢洲(ゆめしま)では、さる4日から3日間にわたって予行演習「テストラン」が催されていた。
「初日は万博協会の関係者や家族、大阪市職員などが訪れ、続く2日間は、抽選で選ばれた一般市民も参加。3日間で合計およそ10万人が来場しました」
とは、全国紙デスク。工事の遅れもあって会場内の取材は不可となっていた。
「国内館は27館すべてオープンしたものの、海外館は、参加国が自前で建設する『タイプA』42館のうち19館しか参加しませんでした。また手荷物検査に時間がかかったため、2日目以降は入場ゲート前に長い行列ができ、指定された入場時間から大幅に遅れてしまう来場者も多くいました」
10月13日までの期間中、1日あたり最大22万人超の来場が見込まれており、すでに初日の予約者は15万人を超えている。それでも、テストラン初日に参加した野々上愛・大阪府議は、
「入場ゲート前のスペースはまだしも、会場には海外パビリオンがぎゅうぎゅうに配置されており、並ぶスペースすら見当たりません。万博協会は『並ばない万博』を掲げていますが、これでは人気館には“並べない”でしょう」
そう指摘しながら、
「今回、5万人弱の来場でこれだけ混乱が生じたとのことで、20万人を超す日はどうなるのか。会場の休憩所は完全には屋根に覆われておらず、GWでも熱中症にかかる方が出てしまいかねません」
リハ初日は工事中のブラジルパビリオンで火災が発生。また最終日には、西側の工区で爆発の可能性がある高濃度メタンガスが検知されるなど、不安は尽きないのだ。
そうした「不具合連発」の状況は、思わぬ方面へも影響を及ぼしているという。
「万博の名誉総裁は秋篠宮さまが務められています。12日の開会式には天皇・皇后両陛下とご一緒に臨席され、また期間中は来日する海外要人らの接遇にあたられる予定です」
こう前置きしながら明かすのは、さる宮内庁関係者である。
「ところが、海外パビリオン設営が大幅に遅れていることも災いし、王室をはじめとする要人の来訪予定がまったく立っていないのです」
すでに開幕目前。本来であれば外務省が日程を掌握し、整理した上で宮内庁に通知。これを受けて秋篠宮さまや皇族方による接遇スケジュールが組まれていてしかるべき時期なのだが、外務省は目下、トランプ関税への対応もあっててんてこ舞いだといい、
「外務省との間ではいっこうに調整が進んでいません。相手の“格”によっては、秋篠宮さまでなく陛下に接遇をお願いする場合も十分あり得ます。にもかかわらず、いつ頃どんなクラスの要人が来訪するのか、入国は東京なのか大阪なのか、などなどまるで聞かされていません」(同)
そのため、半年先までのご日程が予定できない事態となっており、例えば、
「両陛下と愛子さまは例年、ご公務の合間を縫って夏は那須御用邸で過ごされていますが、庁内では『このままではご静養もできない』と、困惑する声が上がっています」(同)
“いのち輝く未来社会のデザイン”なるテーマが、ただ空しく響いてしまうのだ。
「週刊新潮」2025年4月17日号 掲載