北海道旭川市の観光名所として愛される「神居古潭」。ここでは昨年4月、SNSでのトラブルを発端に、女子高生が川に転落死させられる凄惨な事件が発生した──。
【写真】「容姿と性格にギャップが……」小西被告の卒アル写真。他、内田被告と不倫相手だったX刑事の2ショットなども
2月27日、殺人などの罪に問われている旭川市の無職・小西優花被告(20)の裁判員裁判が旭川地裁で始まった。小西被告は事件当時19歳で特定少年に該当するが、地検が起訴した際、事案の重大性などを鑑みて氏名を公表するに至った。今回は、道内で初めて実名が公表された特定少年の裁判となった。
主犯とされている同市の無職・内田梨瑚被告(22)は、小西被告を“舎弟”として扱っていた。全国紙の社会部記者が解説する。
「小西被告は、内田被告らとともに被害者の女子高生を車で連れ回しました。女子高生がコンビニで『通報してください』と従業員に助けを求めた際は、彼女を店の外へ無理やり引きずり出して顔面を何度も殴ったといいます。
橋に到着してからは女子高生を欄干に座らせて、内田被告と一緒になって『落ちろ』や『死ね』などと怒鳴り、転落させました」(全国紙の社会部記者)
小西被告は、起訴内容を認めている。裁判の主な争点の1つとなっているのは、“小西被告の主体性”だ。
「たしかに小西被告は、内田被告の“舎弟”ではありましたが、精神的に支配されていたわけではないと検察側は主張しています。過去に内田被告に元カレとのトラブルを仲裁してもらったことなどから恩義を感じ、彼女を慕って荷物持ちなどをしていたそうです。あくまで仲間意識から犯行に加わったと検察側は指摘しています。
女子高生がコンビニで助けを求めたことで、小西被告と内田被告は、『こいつのせいで警察に捕まりかねない』といった逆ギレのような感情を抱いたようで、橋での“制裁”は、小西被告自身の怒りから起こした行動とも感じられます。
どれほど犯行に主体的に関与したかによって、小西被告の量刑が判断されることでしょう」(前出・社会部記者)
今回の事件には当時16歳の男性と女性も関与しており、内田被告は、自分より年下の若者たちと被害者をいたぶった。NEWSポストセブン取材班は、内田被告の知人から「年下とばかりつるんでいた」という証言を得ている。
「リコ自身が昔から“未成年飲酒・喫煙をしている”と噂になっているようなヤンキー系でしたし、あまり気にしないんでしょうね。繁華街を飲み歩く中で、夜の街にいる10代の子たちと親しくしていました。16歳くらいの友達が多いイメージです」(内田被告の知人)
中学時代から内田被告を知る地元住民によると、同年代からは避けられていたという。
「(内田被告は)中学生の頃から非行が目立ち、いじめっ子として有名でした。いじめのターゲットの入れ替わりは激しく、目をつけられないように彼女を避ける人は多かったです。あることないこと吹聴して、周囲の人間関係を壊すタイプなんですよね。クラスの中心にいるようなヤンキーっぽい子たちとも関わりはありました。同年代には避けられているので、年下とばかりつるむようになったんじゃないですかね」 年下ばかりと接する中でも、特に密な関係だったのが小西被告のようだ。
「リコのインスタとかに優花がよく出てきていたんですけど、“舎弟”と呼んでいて主従関係をアピールしてた。インスタライブを一緒にやることも多くて、撮影場所はいつもリコの部屋。優花は入り浸りだったんじゃないですかね」(内田被告の知人女性)
この知人女性によると、内田被告は事件の前後にも何食わぬ顔でSNSを更新していたという。
「犯行当日の夜、おそらく事件を起こす直前にも自動車のなかでリコは歌いながら優花を撮って、その様子をストーリーであげています。まさか、被害者の方と一緒に居るときではないと思いますが……。人を殺したというのに、事件後も優花に運転させて助手席で歌いながらドライブする動画を投稿していました」(同前)
親しい仲間との“悪ノリ”の延長に、この凄惨な犯行があったのだろうか。司法の場で2人の関係がどう判断されるのか、注目が集まる。