いまや国民病とも呼ばれる「花粉症」。その対策で欠かせないのが、お薬。数多くある「花粉症」の薬をどんな基準で選んでいますか?調べてみると、薬によって様々な違いがありました。
【写真で見る】「眠くなりやすい」「眠くなりにくい」薬の見分け方
南波雅俊キャスター:Nスタがドラッグストアで手に入れた花粉症の「市販薬」は11種類でした。それぞれいろいろなことが書かれていて、どれを選んだら良いのか迷っている方も多いかもしれません。

市販薬について、みずいろ薬局・薬剤師の三浦輝久さんに話を伺いました。
多くの市販薬には「抗ヒスタミン薬」という薬が入っていて、これはアレルギー反応を抑えるものです。くしゃみ・鼻水・目のかゆみには効きますが、鼻づまりに対しては効果がイマイチだということです。アレルギー反応とは、花粉を体に取り込んで、花粉を「異物」だと体が判断し、くしゃみ・鼻水・目のかゆみで、体の外に出そうというものです。しかし「鼻づまり」は、くしゃみや鼻水が出ることによる鼻の血管の炎症。直接的なアレルギー反応ではないといいます。
「鼻づまり」には「血管収縮剤」が効き、鼻の血管の炎症を抑える効果があるといいます。
薬剤師の三浦さんによると「花粉症の市販薬の中には、血管収縮剤が入っていないものもある」ということです。その見分け方を見ていきます。
Nスタが手に入れた11種類の市販薬に「血管収縮剤」という表記はありませんでした。しかし、「鼻づまり」という表記が目立つものには、血管収縮剤が入っている場合が多いということです。一口に「血管収縮剤」といっても色々な薬があるという事で、「鼻づまり」という表記を頼りにしていくと良いということです。
井上貴博キャスター:「この成分が入っていれば」というわけではないんですね。南波キャスター:かなり種類があるそうです。
「抗ヒスタミン薬」は、「第1世代」「第2世代」の2種類に分けることができ、それぞれ特徴があります。
「第1世代」眠くなりやすい、早く効く「第2世代」眠くなりにくい、ゆっくり効く車を運転する前に「第2世代」を選べばいいのかというと、必ずしもそうではありません。「第2世代」でも眠くなってしまう方もいるので、お気を付けください。では「第1世代」と「第2世代」の見分け方です。
パッケージに「第2世代」という表記があるものが多いそうです。今回、買ったものにも書かれていました。また、「眠くなりにくい」という表記も第2世代の薬の可能性が高いということです。
良原安美キャスター:第2世代の方が、より良いという考え方ではないんですね。南波キャスター:必ずしもそうではなくて、例えば第1世代の場合は「眠くなりやすい」というデメリットがありますが、「即効性」があるので、今すぐに、という時は第1世代を選んだ方が良いということもあります。
産婦人科医 宋美玄さん:不眠気味の人が眠くなりやすい「第1世代」を選んで、寝る前に飲んでいる人も結構います。井上キャスター:眠くなりやすい・眠くなりにくいというのは、個人差があるものですか?
産婦人科医 宋美玄さん:市販薬に詳しいわけでありませんが、花粉症の妊婦さんでも安心して飲める薬を出してほしい言われることがあります。対応するお薬もあるのでお出ししますが、皆さん色々渡り歩いて、「私はこれが効きます」「これが良いです」とかソムリエみたいになっている人もいるので、一概に「この薬がみんなに良い」というものはないと思います。
南波キャスター:眠くなりやすい「第1世代」の見分け方を三浦さんに聞きました。
代表的な「第1世代」の成分は「クロルフェニラミン」「ジフェンヒドラミン」です。箱の裏で確認をしてください。
また、症状が出る前から薬を飲んで良いのか聞くと、「発症前から服用して大丈夫です。発症後に飲み始める場合に比べ、辛い症状が出なくて済みます」ということでした。特に「第2世代」のゆっくり効くタイプの場合、個人差はありますが効き目がベストな状態になるのに2週間ぐらいかかるそうです。“飛び始め”と言われる頃ぐらいから飲み始めれば、ベストな状態に持ってこられるということです。
良原キャスター:今年は、発症前に飲み始めてみたら、すごく楽です。完全に症状が出る前に始めるというのも有効ですよね。産婦人科医 宋美玄さん:点鼻・点眼など、色々あるので症状によって組み合わせるとより効果が高いと思います。
南波キャスター:私は、点鼻・点眼・飲み薬を組み合わせております。良原キャスター:いろいろ活用して乗り切りましょう!
==========<プロフィール>宋美玄さん産婦人科医 2児の母女性の健康などのテーマを発信