小学5年生の時に母親の交際相手から性的虐待を受けた橋本なずなさん(24)。幼少期の辛い過去を乗り越え、現在は「性犯罪が少なくなる社会」を目指して自身の過去を赤裸々に発信している。
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橋本なずなさん 山元茂樹/文藝春秋
「おじさん(母親の交際相手)がトイレに入ろうとしてきたり、お風呂を覗こうとしてきたりする目的はわからなかったんですけど、『お母さんには言いづらいこと』だとは感じていたんですよね」と橋本さんは当時を振り返る。
母親の交際相手による性的虐待は徐々にエスカレートして、「コタツの中で無理やり足を広げられて、おじさんが足指を私の陰部に押し込んできた」こともあったという。
母親の交際相手による性的虐待は、約1年続いた。橋本さんは「自分の心と体を切り離すスキルを身につけました」と語る。
「最初は恐怖や戸惑いがあったんですけど、性的虐待が繰り返されるうちに、感情がなくなっていったというか。本能的に、そうしないと生きられないと判断したんだと思います」
長年、この経験を誰にも打ち明けられなかった橋本さん。母親に初めて伝えたのは、ニューヨーク・タイムズの記事がきっかけだった。
「心のどこかで、性的虐待を受けたことを母に知ってほしかったんだと思います。でも、自分から改めて伝えられなくて」
しかし、母親からの反応は橋本さんの期待とは異なるものだった。
「ニューヨーク・タイムズの記事を見たときに、母からの言葉がほしかった。でも何も言われなかったから、落胆が大きかったです」

その後、母親は2024年1月にくも膜下出血で急逝。橋本さんは「これから人生をかけて、私が受けた性的虐待について話し合っていきたいと思っていたんです」と、果たせなかった母との対話に悔いを残す。
現在、橋本さんは自身の経験を通じて性犯罪の問題に取り組んでいる。「性犯罪の刑罰に関しては法律を変えないといけないので、自分が政治の世界に入るか、それともそういうムーブメントを起こすか」と、今後の活動について語る。
最後に、橋本さんは性被害者へのメッセージを送る。
「まずは、生きていてくれてありがとう、と伝えたいです」
「とにかくあなたは生きてるだけで100点満点だし、とても強い人だと思います」
自身の辛い経験を乗り越え、社会を変えるための発信を続ける橋本さん。その勇気ある行動が、多くの被害者を勇気づけ、社会に変革をもたらすことを期待したい。
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(「文春オンライン」編集部)